■■■「モンスターハント 弩弓の戦い」■■■
(60点/モンスター)
村に害をなす蛇を狩る『蛇王』の息子である裴元(ペイユエン)は、父と共に身の丈3丈(9m)の大蛇の退治に赴くが、寸でのところで狩りは失敗。
目の前で大蛇に父を殺された事がトラウマとなり、蛇恐怖症になってしまう。
そして十数年後。
村では新たな『蛇王』を決める選手戦が開催される事となり、その狩りの腕前と幼なじみで村長の娘である小秋(シャオチウ)の推薦で『蛇王』に立候補する事となったペイユエンだったが、シャオチウに横恋慕する鉄男(ティエナン)が対立候補として出馬する事となり評議は難航。
そんな矢先に、村に税金を取り立てるために都から大隊長の息子が訪問。
大隊長の息子は、高い税率と横暴な態度から村人とトラブルを起こしたうえに、乱闘中の事故で命を落としてしまう。
息子の死を知った大隊長の追及を避けるために、『村を襲う大蛇に殺された』と嘘をついた彼らだったが、大隊長は村人たちに『三日以内に息子を殺した大蛇を狩って来なければ村人の全員を殺す』という恐るべき宣告を突きつけるのだった…
中世の中国の『蛇狩り』の一族の村の住人が、とある事情から怪物のように巨大な大蛇と戦う事となる…という、ファンタジー風味のモンスターアクション映画。
最近流行っている中国製の巨大生物映画の新作の一つ…って、最近、同じようなフレーズを連投しまくってる気がしますが、今回は巨大生物ものといっても『モンスター映画』というよりも『ファンタジー映画』というテイストが強い感じの作品ですね。
『何故か蛇に異常なぐらい襲われる村の住人が、大蛇から身を守るためにハンターとなって狩りをする』という、なんとなくゲームの「モンスターハンター」を髣髴(ほうふつ)とさせるような設定のお話ですが、美術デザインやら世界観からも「モンスターハンター」から影響を受けている雰囲気が感じ取れるような作りで、『ゲーム系のインスパイア作品』という印象の内容です。
(そう考えると「モンスターハンター」っぽい本作の邦題は、割と的を射ているタイトルと言えるかも?)
ゲームっぽい世界観のファンタジー作品ですが、ファンタジー系のアクション映画としては意外とシッカリと作られた良作という印象。
『大蛇狩り』がメインとなっているものの、虎や狼の群れと戦うシーンがあったり、軍隊との乱闘シーンがあったりと、お話が単調になって退屈しないように色々と工夫して見せ場を準備しているのは良い感じ。
主人公やその周辺のキャラクターたちもステレオタイプではあるものの非常に魅力的で、キャラの掘り下げもシッカリと行われていますし、ヒロインがなかなか可愛いのも好感触。
メインである『主人公がトラウマを克服する流れ』も非常に丁寧に描かれているものの、過剰に人間ドラマに尺を割く事もなく冗長な作りになっていないのも良く出来ています。
全体的に非常にバランスよく作られた作品という印象ですね。
ただ不満点を挙げるとしたら、メインとなる大蛇の登場シーンが意外と少なくて、ちょっと物足りなさがあるところ。
大蛇の怖さや巨大なサイズ感もいまひとつ表現しきれていない雰囲気だったので、大蛇を目的て観るにはちょっと弱いかなぁ…
もうちょっと大蛇の活躍シーンを増やして大暴れさせて欲しかったところですよ。
総評としましては、『意外と良く出来た良作レベルの中華ファンタジー系アクション映画』って感じの作品ですね。
強く推すほどではないものの、見どころもそこそこあって普通に楽しめるレベルのアクション映画という印象でした。
「モンスターハンター」的な世界観やノリが好きであれば、予告等を観て気になるようであればチェックしてみるのも悪くないかもしれませんよ。