NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「インクレディブル・バルク」(8点/アクション:ある意味オススメ)

■■■「インクレディブル・バルク」■■■
(8点/アクション:ある意味オススメ)


 軍からの依頼で、生物の身体能力を大幅に強化して人間を超人化するための血清の研究を続けていた科学者のハンクは、実験の研究の成果が出ないせいで研究が打ち切られると告げられた事への焦りから、自分自身に血清を打ち研究を強行。


 しかし薬の副作用によって、怒りを感じると『紫色の巨人』に変身してしまうようになった彼は、街で大暴れした後に刑務所へ入れられる事になってしまう。


 その後、米軍によって刑務所から極秘に身柄を引き取られた彼は、『血清の解毒剤』を渡す事と引き換えに、その能力を用いて全世界に無差別にミサイル攻撃をしかけるマッドサイエンティストの『カントラブ博士』の暗殺を命じられるが…

 


 人間を超人化する血清の副作用で『紫色の巨人』に変身するようになってしまった科学者が、軍の命令で悪のマッドサイエンティストと戦う…という、ヒーローもの風味のアクション映画。


 超低予算映画を配給する事でお馴染みの、コンマビジョンさんによる超低予算Z級アクション映画の新作ですね。


 相変わらずの物凄い低品質のとんでもないレベルのクソ映画なのですが、今回はなんと『最初からアマゾンプライムで提供される』という事で、アマゾンプライムの会員であれば『なんでこんな映画を金を払って観てるんだろう…』という疑問を持たずに鑑賞できるという、素晴らしい仕様となっています。
 (いやクソ映画と把握して観ているとはいえ、「デス・トイレ」とかにお金を払って鑑賞するのは正直辛かった。(笑))


 とまあお金の話はさておくとして、設定やらタイトルからして色々とヤバい空気の漂っている本作(『ハルク』ではなくて『バルク(筋肉量)』ですからアクマで別物です!!)ですが、実際の中身の方もとにかく『酷い出来の作品』という以外の言葉が出てこないような凄まじい完成度。


 映画の全編がCG合成で作られている…というと、なんとなく聞こえが良いですが、全てのシーンが『取って付けたようなビックリするほどショボいCG合成』で作られているという謎の仕様で製作されているんですよね。

 

 合成映像がアクションシーンとか怪物の出るシーンのみであれば、まだ『単に特撮がショボい映画』という事で意味が分かるのですが、『街中を普通に歩くようなシーン』やら『研究室で会話しているだけのシーン』とかまでも、何故か矢鱈とチャチなCG合成で作られているという良く分からない状態。


 シーンによっては『いや、もうそれ普通に現地で撮った方が早いやろ!!』とツッコミを入れたくざるを得ません。


 もしかしたら『アメコミ風の背景と実写の合成』みたいな表現をやりたかったのかもしれませんが、それにしては合成される背景の映像がショボすぎ(シーンによっては『PC標準のペイントツールで描いたような背景』になる)ですし、更には歩くシーンやら走るシーンが『その場で足踏みして背景だけがスクロールする』という超低予算のコントのような描写で表現されていたりと、全てのカットにおいて『こいつら何やってるねん!?』と言いたくなるようなシーンの連発。


 この辺は、口で説明するよりも予告編とか抜粋されたシーンを観ていただいた方が分かりやすいかと…


【予告】インクレディブルバルク
https://youtu.be/Imkv9NKaHvo
https://twitter.com/Munenori20/status/1535190878490226688?s=20&t=BzxUQwryDZndFvBr_q3NmA


 映像のインパクトだけでもう既にお腹いっぱいな感じなのですが、ストーリーも基本的に本家(インパクト・ハルク)を10倍ぐらいに希釈して、しょうもないパロディやコメディの要素を混ぜ込んだようなグテグテっぷり。


 それでもまだパロディ要素が面白ければ耐えられるのですが、宇宙船のドッキングシーンのピストン運動を延々と見せられたり、安っぽいソーシャルゲームのキャラみたいなのが唐突に画面に登場したりと、理解不能のノリのシーンが多すぎてどこで笑っていいのか良く分からないレベルなのは困りものです。


 アクションシーンの見せ場なんて当然ながら皆無ですし、ラストのオチも酷すぎる終わり方ですし、なんというか『掛け値なしのクソ映画』と評価するのに相応しい作品という感じでしたよ。

 


 総評としましては、これ以下の底辺は探すのが困難なレベルの『超低予算低レベルZ級アクション映画』って感じの内容です。


 ただ、あまりに酷すぎてツッコミを入れずに観れるシーンがワンカットたりとも存在しないような完成度ですので、一周まわって逆の意味で楽しめてしまうのは本作の最大の利点かと…(笑)


 アマゾンプライムとかその他のサブスク系配信でも無料で観れるようですし、ネタ枠としてチェックしておくのであれば十分にオススメできる一本と言えるので、暇な人やら興味の湧いた人はチェックしてみても良いかもしれませんよ。
 (どこかの動画配信者とかが『同時視聴企画』でもやれば結構人気になりそうな作品の気がしますが、どうですかね?(笑))