■■■「プテラノドン」■■■
(55点/生物パニック)
古生物学者であるマイケル博士は、火山であるティナラ山に地震によってジュラ紀からの地層が現れたとの情報を聞き、大学の実習も兼ねて学生たちと化石の調査へと赴く。
同じ頃、軍の特殊部隊のベンゲル大尉はティラナ山に潜むテロリストの本拠地があるという情報を元に、テロリストを追って作戦行動を開始していた。
火山に赴くマイケル博士の一行は偶然にもテロリストの一団と遭遇し窮地に陥っている所に、更に絶滅した筈の翼手竜の大群が彼らを襲撃。
危機一髪の所をベンゲル大尉率いる特殊部隊に救われるが…
果たして彼らは、太古の怪物によって支配された魔の山から、無事に脱出する事が出来るのだろうか?
タイトルだけ見るとZ級っぽいイロモノ的な雰囲気もするけど、その実態は割と普通のB級生物パニック映画。
…って言うか、自分で言っておいて何だけど『普通のB級』って何よ?って気もするけど、まあお粗末過ぎるって程でもない『程々な感じのB級』とでも言った所でしょうか?
映画の内容はタイトルのまんまな感じで、地震の影響で火山の火口の地底の奥深くに眠っていたプテラノドンが現代に蘇り、人間を襲いまくるという感じのコテコテの設定のお話で、お姉ちゃんが水着で泳いでる最中に襲われてみたりと、いかにもと言えばいかにもな内容。
…ですが、コテコテな設定や内容だからツマんないか?と言うと、決してそういう訳でもなく、むしろかなり堅調に作られたB級作品だとも言えます。
ストーリーの方はちょっとだけ凝った作りになっており、プテラノドンの棲息する山に偶然にもテロリストのアジトがあって、テロリストとテロリストを捕らえる為にやってきた軍の特殊部隊とプテラノドンとの3つどもえの戦いが展開される事になったりと、それなりの見せ場を作って楽しませようとしている辺りがなかなか好感触。
プテラノドンはフルCGで描かれているのですが、ちょっとマンガ的に凶悪なツラ構えになっているものの出来栄えはソコソコ。
上空から急降下してきて人間の上半身を食いちぎって持っていったり、首を切り落としたりと凶暴ぶりを発揮してくれます。
また、フルCGのモンスターというと人間との絡みの表現が難しいため、絡みがあんまり無くて人間の一人芝居になるような映画が多いのですが、この映画の良い点の一つは人間との絡みのシーンが、かなり多目でキチんと撮られている事でしょう。
CG相手に格闘するシーンとか撮るのが大変だったろうなぁ…と思うようなシーンも結構あったりするのですが、その甲斐あって怪物の存在感をグッと増す事に成功しており、他の映画でも見習って欲しいなぁ…と感心する事しきりでした。
とまあ、結構高評価っぽい感想を書いていますが…実際にB級映画として観た場合は、なかなか良く出来た作品で最初に書いたように『普通のB級映画』といった感じの作品ではあります。
しかしまあ所詮はB級と言うような部分も多く、テロリストとかプテラノドンに食われる為の頭数みたいな扱いだったり、結構いい味を出してるキャラがやたらとアッサリと殺されてみたり、ラストもイマイチ盛り上がりに欠けてみたり…と、もうちょっとこの辺で見せ場があればなぁ…と思うようなシーンが少なからずあって、それさえ改善されればB級の名作になれたのに…と思うと、少々惜しい内容の映画でした。
総評としましては、B級と割り切って見る分にはそこそこ楽しめる映画だと思います。
生物パニック系の作品が好きならば、オススメとは行かないまでもまあ観ておいても損は無いかな?といった程度の作品ですので、気になる人は新作コーナーから消えて値段が安くなった頃に借りるのが吉でしょう。
あと念のために言っておくと、所詮はB級ホラーですので生物学とかの観点から見るとプテラノドンとかの生態はムチャクチャだし、「ジュラシックパーク3」とかみたいな完成度の高いプテラノドンを想像してるとガックリするかもしれませんので、恐竜好きの人は、その辺は大目に見るつもりで鑑賞しましょう。