NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「悪霊のいけにえ」(3点/スラッシャーホラー:対装甲地雷)

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■■■「悪霊のいけにえ」■■■
(3点/スラッシャーホラー:対装甲地雷級駄作)

 アメリカのシカゴにある街『レイム・ドッグ・ホロウ」。
 この街のキャンプ場では、クリスマスの頃になると毎年連続殺人が発生する。

 殺人鬼の名前は『片靴のトミー』。
 彼は貧乏だった子供の頃にクラスメートに散々苛められて、片靴を盗まれたまま靴を買えないせいでずっと片靴で暮らしていた事からこのあだ名が付いていたが、数年前から行方不明となり、その後、彼を苛めたクラスメイト達にクリスマスシーズンになると復讐しに現れると言うのだ…。


 このブログの映画レビューを初めて読む人が居た場合の為に一応最初に断っておきますが、当ブログは映画の採点は100点満点で採点を行っております。
 この映画の点数がたとえ3点という信じられないような点数だったとしても、何の比喩でも間違いでもなく『そういう映画だ』と思って下さい。

 タイトルだけ見ると傑作ホラーと名高い悪魔のいけにえっぽいですが、内容的には当然ながら何の関係も無く、間違えて借りたらエラい目に会うようなZ級のスラッシャーホラー映画。

 一応、殺人鬼がチェーンソーを使ってみたり、原題が「THE CHRISTMAS SEASON MASSACRE」となっていたりと、悪魔のいけにえ(THE TEXAS CHAINSAW MASSACRE)を意識した作りになってる事から邦題も似せてあるんだと思いますが…

 もし悪魔のいけにえと勘違いして借りた人が居たとしたら、ブチ切れてビデオ屋に殴りこみをかけて傷害沙汰に発展したりしそうなイキオイのクズ映画なので、映画業界の平和の為にも、もっと「悪霊のいけにえでえじきで13日の金曜日で三隣亡」とかZ級っぽい分かり易いタイトルを付けて貰いたい所です。

 とまあ、マトモに感想を書き始める前に散々コキ降ろしてしまいましたが、実際に映画の内容も目も当てれない…というか二目と見られないような清々しいまでのクズ映画です。

 この映画、『片靴のトミー』という海賊のアイパッチをした殺人鬼が登場しまして、ストーリーの序盤で殺人鬼の生い立ちの秘密が語られるのですが、生い立ちを本編の中に組み込んで明かしていく…なんて凝ったマネはせずに、使い捨てキャラっぽい殺され役の男が延々と5分ぐらいかけてキャラの背景を語ってくれます。(当然、語り終わったら速攻で殺されます。)
 なんて分かり易い設定!!

 この『片靴のトミー』というのが、子供の頃に苛めっ子に靴を片方盗まれたのが原因で、靴を買うお金が無かった彼は片靴で過ごすようになった事に恨みを抱き、当時の自分を苛めたクラスメート達を殺しまくる…みたいな設定で、未だにトミーに殺されずに生き残った6名のクラスメートが集まって、一致団結して『片靴のトミー』と戦おうとして集まるのですが…

 こいつら集まるだけ集まって、ストリップをかけてボードゲームをやったり、ヘボいオリジナルの歌をギターをかき鳴らして歌ったりとアホな事をするばかりで、はっきり言って全然戦うつもりなんかありません。

 って言うか、本編のストーリーと関係の無い明らかに時間稼ぎなバカどもの集会のシーンが延々と続くので、早送りボタンを押すのを我慢するためにはトニー・スターク並の鋼鉄の意志が必要です。

 当然ながら、このバカどもは本編の中で殺人鬼に殺される訳ですが、殺人シーンは内臓引きずり出しとかのゴア描写もあるものの、基本的に超チープ。
 殺人鬼も、『どうみてもソレは作り物だろ!!』っていうようなハリボテの胴体から内臓を引きずり出したりするものの、その後で内臓を食べるとかどうにかする訳でもなく、『とりあえず引きずり出してしげしげと眺めてみるだけ』という意味不明の行動をとるばかり…
 もしかして、この人は内臓フェチか何かですか?

 ストーリーの方もツッコミどころが満載で、中でも最大のツッコミどころは…

 殺人鬼が被害者の背後からこっそりと近づいてくるというシチュエーションで、殺人鬼が小枝を踏んだ『ポキッ』っという音を聞いて、驚いて被害者が振り向くという場面があって、一見するとホラーではありがちなシチュエーションに見えるのですが…
 このシーン、実は殺人鬼が手にチェーンソーを持っており、エンジン音がバリバリと響き渡っていて200mぐらい向こうからでも聞こえそうなイキオイなのに、小枝の折れる音がするまで気付かないって…
 一体どういう事よ!?

 また最後に生き残った一人のクラスメイトが、靴を盗んだのは自分だったと告白し、『この靴を返してやる!!』みたいな事を言って、殺人鬼に靴を投げつけるシーンがあるのですが…

 いやいや、あんた十数年以上前に苛められっ子から取り上げた靴を捨てずに持ってたのかよ!?
 凄すぎるよ!! 物持ち良すぎ・オブ・ジ・イヤーだよ!!

 ラストでは、殺人鬼は脳天をナイフで刺されて死ぬのですが、直後に何の理由も無く『頭にナイフが突き刺さったまま』生き返ってきます。

 もはやツッコミどころ以前に、グテグテすぎて何がなんなんだか!!

 唯一、ラストのオチだけは相当笑えましたが…ソレだけの為にこの映画を観る価値があるかと言うと…ウニャムニャ。

 なんと言うか、学生が自主制作で作ったというか学芸会みたいなノリの映画だなぁ…とか思って観てたら、メイキングを観ると監督の旧友が集まって作ったとか、どうも実際にそういうノリの映画のようです。
 ああ、ソレならこの出来も納得だなぁ…
 (言っちゃ悪いけど脚本には門外漢の私でも、多分この映画よりはちゃんとしたシナリオが書けますよ…)

 総評としましては、いやもうなんか総評も何も無いような映画ですよ…
 こんな映画を観るのは、人生の貴重な時間の無駄遣い以外の何者でもありません。

 何かこのレビューを読むと逆に面白そうに感じるかもしれませんが、こういうのは人が書いた感想を読むから楽しいのであって、自分で観る分には耐えれた物ではありません…
 (少なくとも新作で500円も払って借りた人間は、たまったもんじゃないです…。)

 ネタ映画として観る分には止めませんが、100円レンタルとかになってから『自分はお笑い映画を観るんだ!!』覚悟完了して観る事をオススメします。

 ちなみにこの映画、パッケージに『ジェレミー・ウォーレス監督作品』とわざわざ銘打ってられたりするんですが…

 ジェレミー・ウォーレスなんて監督の名前、聞いたことも無いんですが?
 ソレって一体誰よッッッ!? 教えて偉い人!!