■■■「雷神 RAIJIN」■■■
(20点/アクション)
メンフィス市警のジェイコブは、過激な捜査から『ライトニング』の異名を持つ辣腕刑事だったが、10歳の誕生日に双子の弟が目の前で殺人鬼に殺されたトラウマから逃れられずに居た。
彼は5ヶ月で4人もの犠牲者を出した『グリフター』と呼ばれる連続殺人鬼を追っていたが、その犯行現場には、つねに占星術の記号を用いた暗号を書いた紙が残されており、彼は犯人が『何らかのメッセージを伝える為に連続殺人を行っているのではないか』と考え調査を進めるが…
辣腕刑事と連続殺人鬼の対決を描いた、スティーブン・セガール主演による刑事物アクション映画。
一言で言うと『何じゃコリャ?』って感じの作品ですな…
予告とかを観ると、いかにも『セガールが猟奇殺人犯と対決』みたいなサスペンスっぽいノリで紹介されてますが、その実態はマトモな謎解きなんて存在しないいつもどおりの『セガール節』が溢れる単なるアクション映画です。
お話の中で殺人鬼が暗号を残すのですが、ソレが本編に重要な意味を持ってるかと言うと必然性は特に無し。
サイコサスペンスっぽく『犯人の残した手がかり』から犯人を追い詰めていくような話かと思いきや、単なる『犯人が自己満足の為に残したメッセージ』で、謎もヘッタクレも無くてサスペンス的な要素は全くありません。
また、主人公が『殺人鬼に弟を殺された』という過去のトラウマのシーンが再三出てくるのですが、それが本編で重要なファクターや伏線になっているかというと、これまた全く関係なし。
過去の事件が主人公が『過激な暴力刑事』になった事の人格形成に影響を与えているとかって訳でもなく、何のためにこのエピソードを入れたのか全く持って意味不明です。
あと、中盤でFBIから『プロファイリングの専門家』の捜査官が派遣されてくるのですが、コイツが事件の解決に協力するのかと思いきや、最後まで全く何の役にも立たず、セガールが勝手に犯人を見つけて犯人の所に正面から乗り込んでフルボッコにして逮捕するだけ…
更に、あからさまに本編と殆ど関係の無い『セガールの格闘シーンを見せたい為だけのアクションシーン』が無理矢理っぽく組み込まれていたりと、設定と内容がチグハグ過ぎてとにかく観ていて辛い内容です。
アクションシーンも、相変わらずにセガールが『無敵の柔術使い』っぷりを発揮するだけで、ピンチも何も無いので面白みが無いですし…
ラストのオチもメチャクチャ中途半端で何が言いたいのか意味不明ですし、何を狙って作ったのかイマイチ分からない作品でした。
総評としましては、何といいますかサスペンスの皮を被っていますが、その実態は『全く中身の無いアクション映画』って感じの作品です。
『そんなの、セガールのいつもの作品と同じだろ?』と言われればその通りなのですが、だったらサスペンス風の予告編とか作るなよ…って話で、久々に『予告編詐欺』にまんまと騙された感じ…
肝心のアクションの方も、イマイチ派手さもキレも無くてあんまり見所のない内容ですし正直言って特にコレと言った見所の無い作品かなぁ?
まあ『セガールのいつものノリ』の映画が好きならば、そこそこ楽しめるかもしれませんので、そういう作品が好きならどうぞ。