■■■「チュパカブラ」■■■
(45点/生物パニック)
ロスの郊外にて、ペットが次々と惨殺されると言う奇妙な事件が発生する。
動物管理局の職員であるナバロはこの事件の調査に乗り出すが、調査を進める彼の前にチュパカブラに関する著書を執筆したという女性が現れ、「事件は幻の怪物・チュパカブラ」の仕業であると力説する。
最初は取り合わなかった彼だが怪物による被害はやがて人間にまで広まり、遂には「チュパカブラの捕獲に$500万」といった賞金がかけられるという、大事件へと発展していく。
見てタイトルの如し、チュパカブラが人間を襲うという生物パニック映画。
…以上、終了。
とまあ、そういう訳にも行かないので簡単に感想を書きますと、とりわけコレといった特徴もない映画です。
お約束っぽいノリの生物パニック映画なのですが、全体的にちょっとだけノリが変なのが特徴と言えば特徴。
惨殺事件が発生した時にTVのニュースで『チュパカブラの仕業では無いかというウワサが広まっています。』とか放映されたり、ヒロインのお姉ちゃんがやたらとチュパカブラに詳しくて自分で本を書いて存在を力説してたり、主人公の友人がチュパカブラ狩りにやたらと熱を上げてたりと…
なんか、やたらとみんながチュパカブラに詳しくて、チュパカブラを中心に世界が回ってるみたいな…っていうか、いつからチュパカブラってそんなメジャーな生き物になりましたか!?
ストーリーの方は、実はチュパカブラは『とある研究所から実験中に逃げ出した』とかって感じの設定なのですが、そもそも『そのチュパカブラは何処からやって来たのか?』とか、『チュパカブラにはどんな特徴があるのか?』と言った点に関しては全く説明無し。
ラスト付近で、研究所員が研究所内に青酸ガスを流して研究所を放棄しようとするんですが、研究所内にはチュパカブラ以外の生き物は全く研究されておらず、殺すべき対象も全く居ないですし、ガスを流すだけだとデータや施設とか残ったままで証拠隠滅にも何にもならないので、一体何がやりたいのか全く意味不明。
オチもやたらと中途半端で、何の解決も謎解きもしてくれていないようなオチだし…
色んな意味でツッコミどころ満載で、とっても中途半端な内容の映画でした。
ちなみに登場するチュパカブラの造型は、ボディスーツっぽい感じでなかなか良く出来ているのですが、『あんまりチュパカブラっぽくない』のが残念な所。
なんか、映画版の「トワイライトゾーン」に登場した、翼の上の怪物(グレムリン)みたいな感じ?
ボディスーツが意外と動きづらいのか、襲撃シーンはちょっとショボ目です。
総評としましては、B級の生物パニック映画としては可も不可も無いような感じ(どっちかっていうと『不可』寄り?)の、普通にどうでもいい映画です。
もうちょっと、チュパカブラの特徴やら生態やらキャラクターに対して掘り下げるようなシーンでもあれば、それなりに面白くなったかもしれませんが、正直言って『チュパカブラ大好き』とかって人でも改めて観てみる必要は無いかと…
でも、とりあえずトロマの「チュパカブラ・プロジェクト」とかよりはマシかな?
(まあ、あっちの方が『ある意味での見所』はありますが…(笑))
どうでも良い事ですが、ラスト付近で麻酔銃で眠らされたメガネの女刑事は、その後いったいどうなりましたか?
すっかり忘れられて、研究所内に放置プレイされたまま話が終わっちゃったんですけど…