超久々の更新になります「ホラー映画の基礎知識」の5回目です。
今回は皆さんも大好き(?)なゾンビに関して、『どういった経緯でゾンビが誕生するか?』といった分野について、ちょっとだけ語ってみたいと思います。
『ゾンビ誕生の理由』
『ゾンビ誕生の理由』
今更語るまでも無いと思いますが「ゾンビ」というのは、元々はブードゥー教の呪術師による、『死体を人間のように操る秘術』(もしくは『人間を死体の様にして操る秘術』)によって作られた生ける屍を指す言葉なので、大層このジャンルは多いのかと思われがちですが…
意外な程にブードゥー呪術によるゾンビというのは少なくて、古典ホラーに若干登場する程度です。
まあ実際の話、現代にブードゥー呪術を使う魔術師なんて物が殆ど現存しないって事もあって、ジャンルとして使いづらいというのもあるのでしょう。
意外な程にブードゥー呪術によるゾンビというのは少なくて、古典ホラーに若干登場する程度です。
まあ実際の話、現代にブードゥー呪術を使う魔術師なんて物が殆ど現存しないって事もあって、ジャンルとして使いづらいというのもあるのでしょう。
ブードゥー以外に魔導書等の力でもゾンビが誕生するケースがありますが、この場合はクトゥルフ神話等の架空の宗教がベースになる場合が多いです。
ブードゥーに限らず、呪術で蘇ったゾンビは感染力を殆ど持たないというのが特徴です。
(まあ、「死霊のはらわた」みたいに凶悪なのも居ますが)
ブードゥーに限らず、呪術で蘇ったゾンビは感染力を殆ど持たないというのが特徴です。
(まあ、「死霊のはらわた」みたいに凶悪なのも居ますが)
ただ、このタイプのゾンビはホントの意味で『不死身の存在』である場合があるので、そのパワーは侮れないです。
呪術とは普通は人間が他の人間に対して行う物だけど、コチラは人間に対してでは無く、その場所や土地そのものに何らかの呪いがかけられていたり超自然的な力が備わっていたりするケース。
呪術のケースと同様に基本的に感染力は無いですが、場所そのものが呪われている場合は、殺された人間が更にゾンビになって復活したりするケースもあるので油断なりません。
「バイオハザード」等のホラーゲームの台頭の影響もあり、現時点ではもっともメジャーなゾンビ化の原因として上げても良いでしょう。
ゾンビ映画の特性である『噛まれた人間がゾンビに感染する』というのも説得力がありますし、なんとなく『病気なら死体が動くなんて事も有り得るのかも?』という気もします。
いかんせん病原体であるため極めて感染力が高く、感染したゾンビが『殆ど知能を持たない』というパターンが多いのが特徴で、ほぼ確実に『生きている人間を食べようとする』という特性を備えているので、極めて危険な存在です。
また、コレといった有効な対抗手段が無い場合が多く、ストーリーの収拾の付かない話になる事が多いのも、このタイプの特徴です。
病理学的にはコレも病原体の一種なので上に含めても良かったかも?
寄生生物の正体は、生物兵器だったり宇宙からやってきたりする場合が多いですが、寄生する生物の種類によっては高い知能を有する場合があるので、侮れないタイプのゾンビになる場合が多いです。
知能レベルのせいもあって、寄生によって増殖するゾンビは、むしろ吸血鬼的なイメージが近い場合もあるかもしれません。
知能レベルのせいもあって、寄生によって増殖するゾンビは、むしろ吸血鬼的なイメージが近い場合もあるかもしれません。
また寄生されないまでも、生物の出す毒によって毒を受けた人間がゾンビになるなんてケースもあるようです。
軍、もしくは怪しげな研究所の作った化学兵器や、マッドな医者が作った薬物によって人間がゾンビになるといったパターンです。
薬物が原因でゾンビになる場合は、やはり化学的なプロセスが働くゆえにスマートな印象があるせいか『生前の記憶や知能を有したゾンビ』が非常に多いのが特徴です。
知能を備えている為、無闇に人間を襲わない場合が多いですが、武器や道具を使いこなす場合も多くて非常に厄介な存在とも言えます。
発生プロセスが人為的で複雑な為、あまり感染力を持たないケースが多いですが、「バタリアン」の様に強い感染力を備えた手に負えないタイプも存在するので油断なりません。
少し前まではこのタイプのゾンビも多かったのですが、最近では生物学的感染タイプにスッカリその地位を奪われてしまいました。
まあ、死体に放射線を当てたからといって死体が歩き出すなんてのは非科学的だと皆が気付いたと言う事もあるんでしょうが…
(『ウィルス感染だと科学的なのか?』と言われると困りますが。(笑))
まあ、死体に放射線を当てたからといって死体が歩き出すなんてのは非科学的だと皆が気付いたと言う事もあるんでしょうが…
(『ウィルス感染だと科学的なのか?』と言われると困りますが。(笑))
ぶっちゃけた理由を言ってしまうと、米ソの冷戦が実質的に終結し一般の人が不安を感じる対象が、核戦争の象徴である『放射能』からテロリズム象徴である『生物・化学兵器』へと移っていった…というのが最大の理由でしょう。
放射線の影響でソンビが発生した場合は影響範囲が非常に広範囲に及ぶ為、非常に大量のゾンビが一斉に発生するケースが多いのが特徴で、このパターンで発生したゾンビは国家規模、世界規模の大災害となっている場合が多いです。
また、このタイプのゾンビも人間を襲う事が多く、放射線等の影響は長期に及ぶため、『死体が増え続ける=ゾンビが増え続ける』という公式が成り立ち、ゾンビに襲われた事が原因で人間が死んだ場合以外でもゾンビが増え続ける為に、非常に厄介な状況になります。
■■■原因不明・その他■■■
(出展:その他)
(出展:その他)
ホラー映画において怪物が登場する場合は、大概は何らかの『それっぽい理由』が付けられる物なんですが、ゾンビ映画に関しては意外な程にこの「原因不明」って理由も多いです。
まあ考えてみれば、モンスターホラー映画において吸血鬼や狼男が出没するのに『理由』なんて要らないですし、ゾンビも『出没するのに理由なんて要らない』ぐらいにメジャーなモンスターに昇格したと言えるのかもしれませんね。
原因不明は、原因不明故にその特性や能力も様々です。
そんな訳で、今回はゾンビの発生原因に関するお話でした。
まあ、こんな事を知ってたからどうなるって物でも無いんですが、自分の周りにゾンビが現れそうな場合に、その兆候や対策を立てやすくなるかもしれません…
また、ゾンビになりたい人やゾンビに会いたい人は、こういった要因が複合的に存在する場所(近所に生物学研究所があるミクマク・インディアンの墓地とか)の近くに住むようにすれば、その確率を高める事が出来るでしょう。