■■■「ユニコーン・キラー」■■■
(クライムサスペンス/35点)
1977年のアメリカで、女子大生のホリーは喫茶店で偶然出会った、ヒッピーの活動家で地方では一目おかれる存在であるアイラ・アインホーンと恋に落ちる。
しかし、そのカリスマ性に隠された異常なまでの女性蔑視と嫉妬深い性格に気付いたホリーは、アイラとの中が徐々に険悪になってゆき、アイラは他の男性へと心を動かされたホリーに対して暴力まで振るうようになっていく。
我慢しかねたホリーはアイラと別れる事を決意するが、彼と同居していた部屋へと自分の荷物を取りに行ったのを最期にホリーは行方不明となり、家族にもその行方はようとして知れなくなってしまう…
「ザ・リング」や「キングコング」ですっかり有名女優となったナオミ・ワッツ主演の実話をベースとしたクライムサスペンス映画。
パッケージやらタイトルから、てっきり「羊たちの沈黙」のようなシリアルキラー物かと思って借りたんですが…その実は、確かにサスペンスはサスペンスなんですが、『法廷サスペンス』みたいな感じのお話でした。
法廷サスペンスだけあって、当然ながら事件が発生しなければ物語りが本筋に入っていかない訳ですが、この事件が起こるのが本編も半ばを過ぎた前半45分ぐらい経ってから…
前半の45分は主人公と犯人の男の生活が描かれる訳ですが、犯人の男性が超自己中心的な上に女性蔑視のクズ野郎で、事件が起こる前から『こんな奴、どっかの施設にでも隔離してしまえ!!』というぐらいムカつく性格なので、ストーリーがどうこうと言うよりもとにかく観ててイライラします。
ハッキリ言って、主人公もこんなクズ男と付き合う時点で間違ってますよ、こんな男とは1マイクロ秒ぐらいで別れるべきです。
事件が起こって、話が進展しだした後半はそれなりに面白くはなってくるのですが、『どう考えても、お前が犯人だろ!?』としか言いようが無いような状況で、犯人がのらりくらりと警察の追及を逃れ続けて全然話が前に進まないという展開に、これまたイライラさせられます。
なんかこの展開を観ていると、粉飾決算や株式操作の疑惑で逮捕された某社長や、マンション強度偽装の詐欺疑惑で逮捕された某社長が、無実を主張してのらりくらりと警察の追及を逃れている姿を連想してしまい、『どこの世界にでもこういう往生際の悪いムカつく連中は居るんだなぁ…』となんか切ない気分になりましたよ…
本編が面白いかと言えば、作品そのもののテンポも微妙ですし、驚くようなトリックや意外な展開も全く無いですし、ラストも釈然としないオチで最期までスッキリしない内容ですし…
この映画は実話ベースに作られてると言いましたが、結局、被害者の同情を求める為のプロパガンダ映画か何かなんでしょうか?
それにしても、あまりにスッキリしない内容に辟易とさせられてしまいますよ…
総評としましては、面白い面白くない以前に観ててひたすらにストレスが溜まる映画なんで、ハッキリ言って個人的にはお勧めはしません。
普通のサスペンスよりも、ちょっと捻った法廷物とかが好きならば、まあお好みで…といった感じですが、少なくとも映画を観て爽快な気分になりたい人や、ストレスを発散したりしたい人は観ない方が良いでしょう。
マジに観終わった後に逆にストレスが増加した気がしましたから…