NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「5IVE(ファイブ)」(30点/シチュエーションスリラー)

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■■■「5IVE(ファイブ)」■■■
(シチュエーションスリラー/30点)

 ある日、アメリカ西海岸の1都市を大型地震が襲う。
 偶然に同じエレベーターに乗り合わせた、バイク便の配達員のエリック、ビル掃除係のサンドラ、重要な商談に向かう途中のビジネスマンのマイケル、臨月を間近に迎えた妊婦のジェニファーの4人は、地震の影響で停止したエレベーターの内部へと閉じ込められてしまう。

 外部との連絡の手段はマイケルの持つバッテリーの切れ掛かった携帯電話のみ…という、孤立した状態で救助を待つ彼らだったが、そんななかサンドラが持病の心臓発作を起こして重篤の状態に陥ってしまうが、重要な取引先との商談の電話中であったマイケルは電話を渡すのを嫌がり…


 パッケージのイメージから想像が付くかもしれませんが、特殊な閉鎖状況下でのサスペンスを描いた、いわゆるシチュエーションスリラー映画。

 地震の影響でエレベーターに閉じ込められた4人の男女のやりとりを描いた、いわゆる心理サスペンスなのですが、この4人が最初から健常な一般人で何のトラブルもなく救出されたら映画として面白くも何も無いので、一人は電話で生活がかかった重要な商談を行っている最中のビジネスマンだったり、一人は臨月間近の妊婦だったり、一人は心臓病の持病を持っていたり…と、サスペンス映画らしい物語のシチュエーションが仕込まれては居ます。

 …が、この映画ではいかんせん舞台がエレベーターの中から全く移動しない事もあって、どうにも物語にメリハリが無くて退屈な内容でして…

 「SAW」なんかでは、この辺は主人公たちが捕らえれた密室と屋外とで平行して同時に物語が進展する事で、この閉塞感を上手く解消していたのですが、この映画では一応主人公たちの回想はあるものの、舞台の転換も進展も全く無くて、ひたすらエレベーター内部のシーンが続くためとにかく観てて退屈極まりない内容です。

 一応、心理サスペンスの形態は取っているものの、主人公達にたいして凄い秘密がある訳でもなく、4人の男女が一応は心理的な駆け引きを行うものの、何と言うかそもそも駆け引き自体にあんまり意味が無い

 4人のうち一人はエレベーターに乗ってスグに倒れてしまうので殆どマトモに出番が無いですし、心臓発作で倒れた人はエレベーターに対してスグに救出が来ない時点で『どのみち死んでたんじゃない?』と思うし、商取引してるビジネスマンは『エレベーターに閉じ込められて死に掛かっている人が居る』という状況を理解してくれないような取引相手と取引してる時点で、『マトモに商談をしてもどうせ失敗してたんじゃ?』とか思えてしまう訳で…

 はっきり言ってしまうと、『主人公達がエレベーター内部でどんな心理的な駆け引きを行おうとも、何の駆け引きも無く効率的に行動したとしても、結果はたいして変わって無かったんじゃ?』とか思えてしまうようなストーリー展開のため、緊張感も何も無い物語を淡々と見せられている印象が強く、なんとも退屈な映画になってしまっているんですよ。

 だいたい、サスペンスと言っても意外な展開も謎解きも全く無いですし、コレが舞台やら1時間ぐらいの単発ドラマならば、まあ許せたと思うのですが、90分もこんな起伏の無い話をダラダラと続けられても、ハッキリ言って退屈なだけ。
 正味の話、私はあまりのダルさに1時間ぐらいのところから倍速再生で観てしまいましたよ…

 総評としましては、一応はサスペンス的な内容のお話ながらも、サスペンス好きにはちょっとオススメしかねるような映画…。
 って言うか、正調サスペンスが好きな人ほど、観なくても良い映画だと思われます。

 多分、『生命の尊さ』とか『生きることの大切さ』とかを伝えたかったのだとは思うのですが、幾らテーマが大層でもエンターテイメントとしてコレではなぁ…

 っていうか、いい加減に「SAW」とは似ても似つかないようなお話で、こういう「SAW」もどきのパッケージを乱発するのはどうにかして欲しいもんですな…
 どうせ関係ない映画だと認識はしていても、流石にゲンナリしますよ…