NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ムーンフェイス/ドン・コスカレリ」<マスターズ・オブ・ホラー>(40点/スラッシャーホラー)

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■■■「ムーンフェイス/ドン・コスカレリ」<マスターズ・オブ・ホラー>■■■
(40点/スラッシャーホラー)

 人里離れた山道を車を走らせていたエレンは、脇見運転から急カーブの先に道路の真ん中に停車していた車両に衝突事故を起こし気を失ってしまう。

 正気に戻った彼女は、衝突した相手の無事を確認する為に相手の車両を確認するが、そこに相手のドライバーは居らずに、血まみれの運転席から崖下の森に向かって何かが引きずられたような後が続いているのを発見する。

 その時、森の方から女性の悲鳴を聞いた彼女は、ドライバーが崖下に転落したのではと考え慌てて声をかけるが、そこには『真っ白い肌に金属のような銀色の歯を持った不気味な怪人』が一人の女性を引きずって森の中へと連れ去ろうとしている姿があった。


 世界的に有名なホラー監督が競演する「マスターズ・オブ・ホラー」シリーズのドン・コスカレリ監督による、殺人鬼と一人の女性の対決を描いたスラッシャーホラー。

 先述の「ハンティング/ラリー・コーエン同じ巻に収録されている作品です。

 ドン・コスカレリというと、ファンタジーホラーの金字塔と言われる「ファンタズム」シリーズの監督として有名で、私も非常に好きなホラー映画の一本です。

 なんでも、コスカレリ監督は「ファンタズム」シリーズをライフワークとしているそうで、全5作で完結の予定らしいのですが、4が出てから既に8年経つのに未だに続編が作られる気配が無いので、流石にそろそろ続編を作ってもらえませんかね?
 まあ、1作ごとに5年ぐらいの間が開いてるので『なかなか作られないのも仕方ないか…』とは思いますが…。

 そんな、なかなか新作を作ってくれないコスカレリ監督の久々の新作という事で、結構期待してたのですが…

 何と言いますか、正直言って『微妙』な作品かなぁ?

 ハッキリ言って、本作はストーリーらしいストーリーが全く無く森の中で正体不明の殺人鬼とヒロインが延々と対決する…みたいな感じのお話です。

 このヒロインが、サバイバルマニアの夫から生き残るための戦闘訓練をみっちり叩き込まれていて、夫の教えた『常に予想外の反撃に備えろ。予想外の反撃をしろ』という言葉を元に、ブービートラップやらを利用しながら怪人と渡り合っていくという設定は面白いです。
 …が、本作は登場人物がホントに少なくて物語に展開が殆ど無いため、殆ど全編に渡って延々と対決シーンを見せられるのは流石に冗長で飽きます。

 それに、殺人鬼と戦う『強い女性ヒロイン』って設定も、昨今ではちょっと使い古された感が否めないのも辛いところ。

 謎の殺人鬼『ムーンフェイス』も、月をバックに颯爽と現れる登場シーンはカッコ良いのですが、他のシーンに余りにも見せ場が無く見た目のインパクトに対してキャラクターの個性がイマイチ乏しいので、ハッキリ言って勿体無い。

 もっと登場人物が多く、もっともっと殺人鬼の活躍する場があれば面白くなったのではないか?とも思うので、むしろ60分の短編ではなく長尺で撮って欲しかったネタかなぁ?

 でも、余談ながら「ファンタズム」の怪人『トールマン』役の俳優さんがカメオ出演してるのは、なかなか笑わせてもらいました。
 あと割とどうでもいい事ですが、この監督ってドリル好きですよねぇ…(笑)


 他に、どうしても気になった点としては…
 何故にこの作品をムチャクチャ設定とか雰囲気がかぶっている「ハンティング/ラリー・コーエン」とセットにするのでしょうか?

 流石に2本続けて同じようなネタでは飽きてしまいますよ…内容はさておき、この組み合わせは正直言って微妙かと…

 総評としましては、作品そのものの完成度はそこまで低いとも思いませんが、やや冗長で盛り上がりに欠ける感覚のある映画と言えるかも?
 登場人物のあまりの少なさもあるんでしょうが、中盤にもうちょっと見せ場が欲しかった。

 特に同時収録されている作品の内容が似ているせいもあって、ハッキリ言って途中で飽きます。
 見る際には、敢えて同時収録の「ハンティング/ラリー・コーエンと続けて観ない事をオススメしますよ…