NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「虫おんな/ラッキー・マッキー」<マスターズ・オブ・ホラー>(25点/モンスターホラー)

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■■■「虫おんな/ラッキー・マッキー」<マスターズ・オブ・ホラー>■■■
(25点/モンスターホラー)

 無類の虫好きの昆虫学者でレズビアンでもあるアイダは、付き合う相手が『彼女の趣味』と『彼女が大量に飼っている昆虫』を嫌がるため、いつまでたっても恋人を作る事が出来ずに寂しい思いをしていた。

 そんなある日、彼女の元に差出人不明の正体不明のカマキリに似た昆虫が小包で送られてくる。
 彼女は謎の昆虫に「ミック」と名前を付け、後で詳しく調査すべく部屋の片隅に置いておくが、昆虫はいつの間にか箱から抜け出し、彼女の部屋の枕の中に巣食ってしまう。

 そんな事はつゆ知らぬアイダは、同僚のマックスの後押しで以前から気になっていた、大学のエレベータホールでいつもスケッチを描いている少女・ミスティに声をかけ、首尾よく彼女を自宅へと招き入れる事となるが…


 世界的に有名なホラー監督が競演する「マスターズ・オブ・ホラー」シリーズよりラッキー・マッキー監督によるモンスターホラー。

 ちなみに本作は、先述の「愛しのジェニファー/ダリオ・アルジェント同じ巻に収録されている作品です。

 私は寡聞にして、このラッキー・マッキーという監督の事は余り聞いた事が無かったのですが、何でも「MAY メイ」というゴシック風のホラー映画を撮った、新進気鋭の若手ホラー監督らしいのです。

 まあ別に監督がマイナーだろうと、話自体が面白ければ何の問題も無い訳ですが…

 なんというか、映画そのものもコレまた微妙。

 主人公が無類の昆虫好きという設定なんですが、何か今ひとつその設定を活かしきれておらず、結構な昆虫好きの私から言わせて貰うとイマイチ『ホントの虫好き』って印象があまりしないのですよね。
 そもそも、その設定がストーリーに上手く噛んできても居ないですし…

 単なる『生物パニック』と見せておいて、レズビアンの少女と偏執的な父親との愛憎劇を描くという変化球を狙ってるのは分かるのですが、その父親の存在も『結局何なの?』って感じで別段面白さに繋がってないですし、変に捻った設定を入れようとしてるお陰で60分という短い尺の中でストーリーが消化しきれずに、妙に消化不良になってるのは困り物。

 謎の昆虫の設定も、ちょっと唐突で無理がありすぎな気がしますし、なんか色んな意味で中途半端な印象を拭えないお話です。

 特撮も妙にショボくて、何かB級趣味まるだしのTVシリーズである「アウターリミッツ」の1エピソードでも見せられているみたいな感じ…

 いや、別にコレが実際に「アウターリミッツ」の1エピソードだってんなら別に何とも思いませんが、世界に名だたるホラーの巨匠が集まる「マスターズ・オブ・ホラー」の1エピソードとして入れられるのは、ハッキリ言っていただけません

 まあ好意的に捉えると、『最初からB級趣味を狙った映画』なのかもしれませんが、たとえB級趣味を狙ってやったんだとしても、もうちょっと上手い観せ方があるよなぁ?

 総評としましては、正直言って『微妙』以外にどうコメントすれば良いのか良く分からないような映画です。

 ここまで「マスターズ・オブ・ホラー」は、『一本もハズレ無し』な印象でしたが、ここにきて流石にコレを「マスターズ・オブ・ホラー」に含めてしまうのは、ちょっと無理があるのでは?って感じの作品でしたよ。

 まあ、他のメンバーが突き抜けた個性を持った押しも押されぬ巨匠ばっかりなんで、一概に比べちゃうのは可哀想なんですが、流石に若手のこの監督では役不足と感ずには居られませんでした。