NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「コモドVSキングコブラ」(45点/生物パニック)

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■■■「コモドVSキングコブラ」■■■
(45点/生物パニック)

 クルーザーで観光客を海に案内する仕事をしている元軍人のマイクは、環境保護団体に所属するジェリーとリポーターのサンドラから、南海に浮かぶ無人島「イスラ・ダマ」に案内して欲しいとの依頼を受ける。

 この島は米軍所有地で民間人の立ち入りが禁止されている事と、『軍が極秘に行っている実験の証拠をつかみたい』という彼らの目的から、厄介ごとの臭いを感じたマイクは最初は仕事の依頼を断るが、1万ドル支払うという報酬金額につられて彼らを無人島へと案内する事となる。

 女優やカメラマンといった追加のスタッフを加えて「イスラ・ダマ」へと乗り込んだ彼らは、その場所で『二階建ての建物ほどもある巨大なトウモロコシ』等の奇妙な物を発見しスクープ映像を入手していくが…
 そこで行われていたのは『DNAを変異させて生物を巨大化させる』という驚異的な実験で、その結果で生まれた恐るべき怪物がジャングルの奥に潜んでいるという事をまだ知らなかったのだった…


 南海の孤島で、巨大化した『コモドドラゴン』と『キングコブラ』が軍の研究施設から逃げ出して大暴れするという、巨大生物もののパニックホラー映画。

 コモドドラゴンが大暴れする生物パニック映画』というと、今までに「コモド」「コモド リターンズ」とかって映画が作られており、本作でもキャッチコピーに『「コモド」、「コモド リターンズ」に続く…』なんて事が書かれてたりするのですが…

 実際の話、「コモド」「コモド リターンズ」縁もゆかりも無い『なんちゃって続編』だったのに対して、「コモド リターンズ」「コモドVSキングコブラは、設定やストーリーに非常に似通った部分があったり、「コモド リターンズ」で出てきた研究施設の建物がそのまま出てきたりと、どことなく繋がりを感じさせる作りになっています。

 ただ、「コモド リターンズ」『ハワイ沖の孤島』が舞台だったのに対し、本作はタヒチ沖の孤島』が舞台となってる事からいわゆる『続編』という訳でも無さそうなのですが、別の話にしては設定やストーリーのプロットが余りにも似すぎているので、「コモド リターンズ」の設定に『巨大キングコブラ』というフィーチャーを加えた『焼き直しリメイク作品』だったりするのかもしれません。
 …という事で、本作は一応「コモド リターンズ」続編と捉えて、感想を書かせていただきたいと思います。

 さて、「コモド リターンズ」は、お世辞にも『B級ということすらおこがましい』ようなD級ぐらいのクズ映画だったのですが、それに比べて本作は『何があったの?』と思うぐらいに、しっかりと作られたB級ホラーに仕上がっているのは驚かされる所で…

 登場するキャラクターもなかなかに魅力的だし、ストーリーの運びも上手くて中だるみも無く適度な緊張感を保ちながら最期まで一気に観れる映画になっているのは、グテグテのお馬鹿映画だった前作からは想像も出来ないぐらいの進歩ぶりです。

 まあ巨大コモドとキングコブラのCGは、今の水準から考えるとどうにもチープで少々迫力不足の感はありますが、見せ方を工夫する事でその不足を補おうとしているのはなかなかに上手い所。
 『高空の偵察機から撮影された巨大コモドドラゴンの姿』とかは、質の低い映像に逆にリアリティがあって妙に納得してしまいましたよ…。

 それに、やはり10mを超えるような巨大な怪物が大暴れする姿はなかなかに痛快ですし、巨大生物同士の対決というのは、その手のノリが好きな人間にとってはなかなかに燃える物があって良いものです。

 ただ、惜しむらくはタイトルにあるような『コモド』と『キングコブラ』の絡みが意外に少なくて、少々食い足りない感じがしてしまうのは惜しい所。
 まあCG作成の予算の都合もあったのでしょうが、そこは「ボアVSパイソン」みたいな対決シーンに『燃えるシチュエーション』を演出する事で補って欲しかった所です。

 「コモド リターンズ」同様に、ラストの怪物の退治の仕方があっさりしすぎてるのもちょっと残念な所かな?
 どうせリメイクするなら、もうちょっと盛り上げる為の『もうひと工夫』が欲しかった…

 総評としましては、タイトルやパッケージのいかがわしさに反して、意外なほどにしっかりと作られたB級生物パニック映画と言えます。
 強く推すほどでは無いにせよ、『巨大コモドドラゴン大暴れ』みたいなシチュエーションに惹かれる人ならば、とりあえず観ておいても後悔はしないレベルの作品になっているのでは無いかと?

 特に「コモド リターンズ」D級ノリにガッカリした人なら、本作を見直して『同じような題材とシチュエーションでも、ここまでちゃんとした映画が作れるんだ』と言う事を再認識してみるのも良いかもしれませんね。