■■■「バタリアン4」■■■
(25点/ゾンビ映画)
米軍が極秘裏に開発した、浴びた人間や死体をゾンビに変えるという謎の化学物質『トライオキシン5』。
現在ではこの化学物質は、20年前の漏出に伴うゾンビ発生事件以来、厳重な監視下の元に廃棄処分されていた。
しかし、巨大複合企業である『ハイブラテック社』は極秘裏にこの薬品を入手し、とある目的の為に極秘の実験を繰り返していた。
『ハイブラテック社』の事故により幼い頃に両親を失った高校生のジュリアンは、同社に勤める叔父の元で養子として育てられていたが、ある日、バイク事故で怪我をした友人のジークが搬入先の病院で『死亡した』とされながら、極秘裏に『ハイブラテック社』へと救急車で搬入されたのを知り『ハイブラテック社』に不信感を募らせる。
彼は友人のジークを救出する為に、友人たちと『ハイブラテック社』の研究施設への侵入を計画するが…
1985年に製作されたコメディホラーである「バタリアン」シリーズの最新作に当たるゾンビ映画。
うーん、なんと言いますか、最初にぶっちゃけた感想を書いてしまうと『コレは酷い!!』って感じの映画です。
「バタリアン」というと、元々が原題からして「Return of the Livingdead」という「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」をパロディとしたゾンビ映画として製作された作品で、後に製作された続編の「バタリアン2」とともに『ゾンビ映画のパロディ』の草分け的作品でした…
3作目に当たる「バタリアン・リターンズ」はシリアス路線でしたが、セクシーなヒロインが徐々にゾンビになっていくのを食い止める為に『全身に針金ピアスをする(痛みで自我を失うのを防ぐ為)』というフェティッシュな内容や、1作目のオマージュとも言えるノリのあるケレン味あふれる作品で『コレはコレでありかな?』と思えるような作品だったのですが…
本作はとにかく、初代以降の「バタリアン」シリーズに受け継がれていた、そういった『普通のゾンビ映画とは一味違う』といった要素が全く無い。
1作目等にあった『ゾンビ映画のパロディ的な要素』は全く無くて、そもそも『「バタリアン」のゾンビは何をされても死なない』という基本ルールも全く無視。
全身をバラバラにされても平気だった筈のゾンビ達が頭を銃で撃たれただけで死んでしまうのは、正直言ってガッカリ。
唯一「バタリアン」らしいところと言えば『トライオキシン5』という薬品名が登場する所ぐらいかな?
なんといいますか、ホントに『ごく普通のショボいB級(どころかD級ぐらい)のホラー映画』になってしまっているのですよ…
それでも別に本編が面白ければ、ソレはソレで良いか?とも思うのですが…
ストーリーは冗長でゾンビはなかなか登場しないし、主要なキャラクターも無個性で全く魅力無し!!
ゾンビの登場する後半部分に到っても、なんの盛り上がりも無いままに淡々と主要登場人物が次々と殺されていくという余りにもダルい展開に、『ゾンビの大群の襲撃シーン』という一番盛り上がるようなシーンの途中でマジに一回寝そうになってしまいましたよ。
唯一個性を感じられた『発明好き主人公の弟』とかも、どっかで活躍するのかと思ってたらホントに一瞬で殺されてしまって、主要登場人物の殆どが『え、今ので終わり?』みたいな感じ…
「スタートレックTNG」の『ヴォーグ』みたいに武装改造されたゾンビも、ラストの目玉として登場する割には殆ど出番が無いままに速攻で死ぬし…
正味の話、単純なB級ホラーとしても誉めるべきところが殆ど見つからないような内容で、にこの作品が何のため「バタリアン」シリーズのタイトルを冠して作られたのか全く持って意味不明です。
っていうか、こんな続編なら作ってもらわなくて良かったですよ…
総評としましては、ハッキリ言って『フツーにつまんない内容のゾンビ映画』です。
「バタリアン」シリーズの新作として観ると、正直言って見るに耐えかねるような内容なので観ない方がマシだと思いますし、単純にゾンビ映画としても特に見るべきところの無い『何とも微妙な作品』と言えるでしょう。
「バタリアン・リターンズ」以来の13年ぶりに作られた続編がコレではガッカリ感も否めないですし、期待感があった分よけいに酷評を下してしまった感も否定できませんが、映画会社も続編を作るにしてももうちょっと考えて作って欲しいもんですよ…