NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「怪奇!兎男 」(8点/モンスター:地雷注意)

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■■■「怪奇!兎男 」■■■
(8点/モンスター:地雷注意)

 アメリカの某所にある生物研究所に過激な生物保護団体の面々が侵入。
 実験動物の解放を名目に、遺伝子操作の実験に用いられていた『F13』と言うコードネームで呼ばれるウサギを盗み出し、研究所の外へと連れ出して解放してしまう。

 『F13』は程なくして回収され事なきを得たかに思われたが、逃走中の『F13』に噛まれた街の外れの農場で暮らす青年・ハンスは、自分の肉体が『長く伸びた門歯』や『長く尖った耳』という、まるでウサギのような姿に変化しつつある事に気付く。

 やがて変身を終えて理性を失った彼は、不気味な怪人『兎男』となって街の人々を襲うようになっていくのだった…


 遺伝子操作によって突然変異を起こしたウサギに噛まれた青年が、怪物になるという設定のモンスターホラー映画。

 …とかって、設定の解説さえもアホ臭く感じるぐらいに見るからにヤバそうな雰囲気の漂うタイトルの本作ですが、実際の内容も相当ヤバ目のクズ映画です。

 パッケージやタイトルからして既になんともチープ感の漂う作品ですので、まあショボい内容なのは最初から覚悟完了で見たんですが…

 初っ端に登場する生物研究所が、どうみてもどっかの廃倉庫にしか見えないのはさて置くとして、遺伝子操作されたウサギが『あからさまにヌイグルミ』(模型とかじゃなくて、UFOキャッチャーで取れるような単なるヌイグルミ)なのはネタなのかマジなのか…

 どっちにせよ、『どんだけ低予算だよ!!』と光速でツッコミを入れたくなるぐらいの徹底したZ級っぷりに、ちょっと愕然としましたよ。

 そんな映画ですので、まあ特撮がショボいとかストーリーがグテグテだとかは、敢えてツッこむ間でも無いようなイキオイ(ショボい意味で)の作品な訳ですが…

 まあ別にZ級ならZ級で、トロマ映画の作品とかみたいに『あからさまにネタに走った内容』なら良いんですけど、何かこの映画は狙いがイマイチ良く分からない。

 一応はバカ映画っぽいノリを狙っているような気はするんですが、先の『ウサギがヌイグルミ』なのと同様に、ギャグなのかネタなのか、今一つハッキリしないシーンが多くて、『どこで笑えば良いのか?』が理解不能
 ウサギ男はウサギのミュータントのクセに肉食で、人間襲って食べちゃうしさぁ…

 お話の流れ的に『数名のヒロインが協力して怪人と戦う』って辺りから『お色気コメディ』的なノリを狙ってるようにも見えるんだけど、ヒロインが全員オバサンっぽくて余り可愛くも無いし、何を楽しめば良いのやらサッパリです。

 モンスターの襲撃シーンも、どうにも中途半端にマジメに作ってるみたいな感じで、『えーと、コレはもしかして笑う所なの?』というような雰囲気。
 いっそ、もっと不謹慎な内容にでもしてくれればそれなりに笑えた気もするんですが、内容のブラック加減も微妙でコレといった見所が無くて、全体的に『センスの無い作品だなぁ…』というのが正直な所でした。

 作品そのもののテンポはそこまで悪く無いので、途中で寝ちゃうほどに退屈じゃなかったのが、せめてもの救いかな…
 まあテンポが良くても、ツマんないものはツマんないんですけどね。


 総評としましては、タイトルのインパクトの割には中身の方はイマイチぱっとしないという、なんとも企画倒れっぽいZ級映画です。

 インパクト重視のバカ映画が好きな人が観るにも少々パンチが弱い感じですし、ぶっちゃけイマイチ観る価値の無い作品かなぁ?

 『どうしても、クソ映画を観て話のネタにしたい!!』という奇特な方ぐらいにしか、オススメ出来ない作品でした。

 『面白いとか、面白くないという以前のレベルの映画』を楽しみたいというMな人はどうぞ…