NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「バニーマン/鮮血のチェーンソー」(15点/スラッシャー)

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■■■「バニーマン/鮮血のチェーンソー」■■■
(15点/スラッシャー)

ある日、森の中のハイウェイをドライブしていたレイチェルらの6人の男女は、途中で追い抜いた大型トラックに因縁を付けられ、追い掛け回された上に遂には事故を起こして立ち往生するはめになってしまう。

 仕方なく歩いて森から脱出しようとする彼らだったが、森の中をさまよう彼らの前に大量の死体を前に佇む、ウサギの着ぐるみを着た男が出現。

 チェーンソーを持ったウサギ男に追いかけられた彼らは、森の中にある小屋になんとか逃げ込むが…



 ウサギの着ぐるみを着てチェーンソーを持った殺人鬼に6人の男女が追い掛け回されるという、スラッシャーホラー映画。

 いや、コレは久々に『やってしまった』という感じの作品に当たってしまいましたよ。
 いやはや、掛け値なしにツマんない超低予算のZ級映画ですね。

 なんといいますか、とにかくツッコミどころというか『酷い要素』が多すぎる。

 まず何が最大の問題かって『バニーマン』の個性が無さ過ぎて、とにかく印象が薄いこと。

  何でウサギの着ぐるみを着ているのかも良く分かりませんし(単に醜い顔を隠したいだけ?)、何で連続殺人を行うのかの動機も謎のままで、確かに見た目のインパクトはあるのですが、それ以外の要素が弱すぎなうえに出番も意外と少ないせいで全く印象に残りません。
 (むしろバニーマンの母親(?)の方がキャラとしてのインパクトがあるぐらいのレベル。)

 なんとなく『ゲーム版の「サイレントヒル」に出てきた殺人ウサギみたいなのをイメージして作られたんだろうなぁ…』というのは分かるのですが、見た目の他に特筆する要素が無くて『出オチ』にも程があります。

 ストーリーも恐ろしくツマんなくて、そもそも『バニーマン』の登場するまでの前振りがダラダラと長すぎ。

 ひたすら『トラックに追いかけられているだけ』のシーンや、『頭のおかしな田舎者に絡まれているだけ』の本編とあまり関係の無いシーンが多くて、お話が盛り上がるまでがとにかくダルくてダレまくりです。

 その他のシーンでも説明不足で意味不明の場面が多々あり、バニーマンや殺人鬼の根本的なキャラの設定以外にも関連性やらシーンの繋がりでも分かり難い部分が多くて、特に中盤で母親が死体を捨てに行っていたシーン(?)とかは、いったい何の意味があったか自分には最後まで良く分かりませんでしたよ…

 あと、お話が盛り上がるのまでが長いと言いましたが、ぶっちゃけ盛り上がり始めて以降も低予算の『安っぽさ』ばかりが目に付く感じで、残虐シーンの殆どが『画面外で血しぶきが飛ぶだけ』のイメージ映像で面白味も何も無かったり、殺人鬼の残虐さも『得物をいっぱい用意するだけで全く使わなかったり』と中途半端で、観ていてストレスが溜まるばかりです。

 あとバニーマンはチェーンソーで人間を殺しまくってるのに、着ぐるみに『返り血ひとつ浴びてない』のは無理がありすぎで、流石にちょっと萎えてしまいましたよ…
 (まあ、着ぐるみのスペアを用意する予算が無かったって事なんでしょうけど…)

 またバニーマンだけではなく主人公たちの6人も物凄く没個性で、あまりにも印象が薄いせいで『あ、そういやアイツって死んでたんだっけ?』とかって殺された事を失念するぐらいに生きようが死のうがどうでも良いレベルなので、ピンチに陥ろうが盛り上がりようもありません。

 そんな感じで本気で『観るべき要素の無い作品』なのですが、『8mmフィルム風に演出されたオープニングとエンディングの映像』だけはなかなかセンスが良くて不気味で良い感じなので、敢えて言うならその映像だけを観るための映画という感じかなぁ…

 ラストも投げっぱなし過ぎてハッピーエンドなのにスッキリしないですし、そんなんで良いのかという感じで、なんとも『どう扱えば良いのか分からないような映画』でしたよ。


 総評としましては、久々に掛け値なしに『誉めるべき要素の無いZ級の超低予算映画』という感じのスラッシャーホラー映画でした。

 タイトルのインパクトの割には内容のインパクトが弱すぎてネタ的にも厳しいので、ネタ映画を求めている人にもオススメは出来ないかなぁ?

 どうしても『90分間ひたすら微妙な気持ちを味わう』という苦行を味わって何かの境地に到りたいという達観した人であれば、敢えてチェックしてみても良いかもしれませんよ。