NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「オゾンビ」(55点/モンスター)

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■■■「オゾンビ」■■■
(55点/モンスター)

 2011年5月。
 アメリカ軍はオサマ・ビンラディンの隠れ家を急襲しビンラディンの殺害に成功する。

 しかしビンラディンは密かに開発していたゾンビウィルスを自分に注射する事で輸送中のヘリの中でゾンビとして復活を遂げ、混乱に乗じて脱出してしまう。

 アメリカ軍は公式にはビンラディンの殺害に成功したと発表したものの、タリバンの残党がゾンビを用いて反撃を目論んでいる事を知った事から、ゾンビ達とゾンビ化したビンラディンの殺害を遂行するために、アフガニスタンのレギスタン砂漠へと特殊部隊を派遣するが…



 アメリカ軍によって殺害された筈のビンラディンがゾンビとなって生き残っていたという設定の、アクション風味のモンスターホラー映画。

 設定だけ聞くと『物凄いトンデモな雰囲気のお話』に思えますが、肝心の内容の方は意外と普通のアクション主体のゾンビ映画という感じの作品です。

 ストーリーとしては、一応『砂漠にあるタリバンの秘密基地にビンラディンのゾンビを倒しに行く』というのに加えて『戦場で行方不明になった兄を探すヒロインが同行する』という感じの設定はあるのですが…
 ぶっちゃけビンラディンのゾンビ』とか話の流れに全く関係ないですし、本編の殆どの時間が『ゾンビと戦っているだけ』なので、ストーリーらしいストーリーは存在しないような感じの内容です。

 でも、ストーリーが全く存在しないと流石に映画として成立しないので、メインのストーリーではなく『キャラクターの掘り下げ』に注力してお話を描いているような感じで…
 特殊部隊の面々たちが各々に過去を語ったりしてキャラを掘り下げながら、一人また一人と任務のために命を落としていくという、いわゆる七人の侍」みたいな『7人シリーズ』のパターンを踏襲したような作品と言えるかも?

 ただ、ぶっちゃけそこまで魅力的なキャラ付けが出来ている訳でも無いですし、所詮はB級映画なので各々の見せ場もそこまで盛り上がる感じでも無いのは残念な感じ…

 またキャラを掘り下げる事に注力しているとはいえ、お話の展開がひたすらに『散発的なゾンビとの戦闘』と『目的地に向かって砂漠を行軍』というシーンの繰り返しなので、流石に観ていて途中で飽きてきます。
 ロケーションがずっと砂漠だというのも飽きてしまう原因の一つだと思うので、せめてもうちょっと景色に変化があれば…

 ちなみに低予算とはいえ、アクション重視という事でそこそこ予算はかかっている印象で、ゾンビとの戦闘シーンはそれなりに迫力があって見ごたえがあります。

 まあ武装した特殊部隊と動きのトロいゾンビの戦闘なので、ちょっと一方的になりがちなのはアレですが、銃撃ばかりではなくお姉ちゃんが日本刀(忍者刀?)でゾンビをバッタバッタと斬り捨てるシーンもあったりと、なかなかサービス精神も豊富な感じ。

 でも戦闘を盛り上げるためのお約束とはいえ、どう考えてもメチャクチャ見晴らし良い砂漠の真ん中で、ノロノロと歩くゾンビに主人公たちが死角から不意打ちを受けるのは、『流石にちょっと無理があるだろ』と感じるようなシーンも多かったかも?(笑)

 あとラストの盛り上がりっぷりなんかはなかなか良い感じなんですが、それ以外のシーンでももう少し山場となるようなシーンがあって流れにメリハリがあれば、もっと良い映画になったと思うんですけどねぇ…


 総評としましては、佳作という程では無いですが『普通に観れるレベルのB級アクションホラー映画』という感じの作品ですね。

 バンバンと銃を撃ちまくってゾンビと戦うようなアクションホラー映画が好きな人であれば、過剰な期待をしなければ『それなりに楽しめるレベルの一本』だと言えるでしょう。

 逆に映画の設定から、もっと『トンガったイロモノ系作品』を期待していた場合は、ちょっと肩透かしを食らわされてしまう恐れがあるので、注意が必要かもしれませんよ。