■■■「デジャヴ」■■■
(55点/SFサスペンス)
空母ニミッツ号の歓迎式典で乗客を満載したフェリーが自動車爆弾によって爆破され、500人を超える死者を出すという大規模な爆弾テロ事件が発生する。
ATF(爆発物や発火物を専門に扱う捜査局)の捜査官であるラリーは、爆弾テロの調査を進めるうちに、爆破事件の『1時間前』に殺害され『爆破事件の被害者』として偽装されたと思われる、全身に火傷を負った女性の死体を発見。
この女性の遺体を見た瞬間に強烈な『デジャヴ』に襲われ、この女性こそが事件の謎を解く手がかりだと確信した彼は、FBIと協力して事件の犯人を追うこととなる。
そして、彼が今回の事件解決の切り札として見せられたのは、現在時間から『4日と6時間前』の過去の映像を自由に見ることができる『白雪姫』という、政府が極秘裏に開発した驚異のシステムだった。
特定の過去を自在に『見る』事が出来るシステムを使って爆弾テロを追跡するという、SF風味な設定のサスペンス映画。
ちゃんとしたサスペンスなのかと思って観てたんですが、どちらかというとノリとしては『SFアクション』みたいな雰囲気の作品ですね。
一応、この『SF』の部分が普通のサスペンスとは一味違ったウリの部分となっているのですが、『未来から過去に干渉する』という同様なネタも最近は多いので、逆にちょっと食傷気味で目新しさに欠ける感じですねぇ…。
また、SFといってもアクマで『SF風味の娯楽作品』という印象で、科学的根拠とかはかなり適当だし『タイムパラドックとかどないなっとんねん?』とかってツッコミどころも満載。
もっと、「ファンタスティック映画祭」とか「サンダンス映画祭」で上映されるようなトンガったノリを期待してたので、ぶっちゃけちょっと期待はずれだったかなぁ?
ただ、普通に娯楽作品として観れば作品のノリやテンポは非常に良くて、120分を超える長尺の映画ながらも途中でダレる事なく、一気に最後まで観れる内容に仕上がっているのは良い所。
制作費もそれなりにかかってる作品っぽくて映像的な見た目のショボさも無いですし、流石はジェリー・ブラッカイマーが製作に加わっている作品だけあります。
お話そのものも『そこそこ面白い』とは思うのですが、後半~クライマックスへの展開があまりにご都合主義的すぎて、個人的にはちょっと引いてしまったかな?
そういう意味でも、良くも悪くも非常に『ハリウッド大作的』な映画ですね。
総評としましては、SFとして捕らえると微妙な作品ながらも、単純に『娯楽作品』として観るには十分に楽しめるレベルの作品だと思います。
まあ最近はハリウッド大作と言えど、比較的『ディープな設定のサスペンス』が多いので、ここまでご都合主義的なのもどうかとは思いますが…
まあ細かいツッコミどころは抜きにして、『深いことは考えずに娯楽作品として映画を楽しみたい』という人ならば、とりあえず観ておいても損は無い作品と言えるでしょう。