NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「マンティコア vs U.S.A.」(60点/モンスター:結構オススメ)

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■■■「マンティコア vs U.S.A.」■■■
(60点/モンスター:結構オススメ)

 イラク戦争の末期、米国の猛攻の前に壊滅直前のイスラムゲリラは、米軍の爆撃によって破壊された国立博物館より、2000年前に封印されたと言われる魔獣の封印を解く為のメダルを盗み出し、起死回生の切り札として利用しようとする。

 同じ頃、エル・クマールという国境の村に大量破壊兵器があるという情報を入手したアメリカ陸軍は現地にB6小隊を派遣するが、彼らが村で発見したものは大量の死体と伝説の魔獣「マンティコア」の姿だった。

 近代兵器の一切通用しない怪物にアメリカ陸軍は苦戦を強いられるが…


 アメリカ軍と伝説の魔獣「マンティコア」が戦う』という、ユニバーサル・スタジオ製作によるモンスターアクション映画。

 タイトルや設定からしてコテコテな感じの作品ですが、内容の方も『見たまんま』な感じのお話ですな。

 モンスター映画という区分にしてますがホラーというよりもアクション映画に近い内容で、軽機関銃でガシガシと弾を撃ち込んでもビクともしないモンスターとの戦闘』とか…、ノリとしては『米国版の怪獣映画』といった感じかな?

 本作は、どうやら北米で作られたTV映画っぽいのですが、流石にユニバーサル・スタジオが作っているだけあってか映像や特撮なんかも割と良く出来ています。
 特に戦闘シーンはなかなか見応えがあって、銃撃戦のシーンなんかはそのまま戦争映画としても通用するぐらいのレベルで、結構燃えました。

 マンティコアの姿は『獅子の胴体』に『コウモリの翼』と『サソリの尻尾』という、ファンタジー好きな人にはお馴染みのデザインですが、どことなく無機質な色使いが怪物っぽさを出しており、割とセンスの良いアレンジがされていてなかなかカッチョ良いです。

 モーションなんかも良く作られているのですが、CGモンスターの欠点として人間との直接の絡みが少ないのは、やはり寂しい所ですね。
 またCG合成の予算を節約するためか夜間の戦闘シーンが多くて、せっかくのモンスターの姿が見辛いのは、ちょっとストレスが溜まるかな?

 ストーリーはコテコテの展開ながらも割と良く作られていて、盛り上がるシーンなんかも各所にあって、それなりに退屈しないで観れるレベル。

 特に、怪物を退治する為に「F-117 ナイトホーク(ステルス攻撃機)」が出撃するシーンとかは、なかなか怪獣映画好きとしては燃える展開だし、他にも全般的に兵器の描写とかがなかなかリアルでカッコ良くて、この監督は『怪獣映画の事を良く分かってるなぁ…』と感じました。

 惜しむらくはモンスターとの戦闘シーンが一回一回が小規模で、いま一つ盛り上がりに欠けるシーンが多い事。

 アメリカ軍の人数がこの倍ぐらい居て、もっと大規模なドンパチを展開してくれれば申し分なかったのですが、まあTV映画という関係上、予算の都合でそこまでは出来なかったんだろうなぁ…


 総評としましては、若干の不満点や惜しいと感じる部分もあるながらも、モンスター映画としては総じて良く出来た佳作のB級作品だと言えるでしょう。

 燃える展開の好きな人やモンスター映画(と言うか怪獣映画)が好きな人ならば、十分に楽しめるレベルだと思いますので、そういうノリが好きな人には結構オススメです。

 A級のエンターテイメントとは行きませんが、ちょっと派手目のノリのモンスター映画が観たいという人なら、とりあえず観ておいて損は無い一本だと言えるでしょう。