NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ディストラクション 合衆国滅亡」(60点/パニック)

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■■■「ディストラクション 合衆国滅亡」■■■
(60点/パニック)

 生物学教師のフランクは33年前の幼少の頃に、軍で研究を行っていた母親が精神を病んだ末に『ランバートの地下3階12号室にとても邪悪なものを封じ込めたので、決して解き放ってはならない』という謎のメッセージを残して、父親を射殺した後に自殺した事が現在もトラウマとなっていた。

 そんなある日、アメリカのニューメキシコ州にあるランバート基地が封鎖されると知った彼は、解体工事の進む基地へと侵入し母の残したメッセージの真相を確かめようとする。

 無断侵入の罪で軍によって拘束された彼は、子供の頃の母のメッセージを軍の指揮官へと話し、そのメッセージの真偽を確認するべく地下室を調査したところ、地下室の壁に塗り込められた秘密の部屋で厳重に封印されたタンクが発見される。

 軍が危険物処理班によってタンクの内部の物質を処理しようと封印を解いたところ内部から謎のツタ植物が出現、謎の植物は爆発的な勢いで繁殖し、熱や光のあらゆるエネルギーとして取り込みながら人間や建物を飲み込んで成長して行き、街は壊滅の危機に晒されてしまうのだった…


 人間を襲う謎のツタ植物によって地上が壊滅の危機に晒されるという、モンスターパニック映画。

 『軍の極秘研究で作られた怪物によって人類が機器に晒される』というお話自体は、まあ割とありふれた内容なのですが、映画としてはなかなかコンパクトに上手くまとまった良作です。

 設定は凡庸ながらストーリーの構成なんかが結構上手くて、序盤のスピーディーな展開や中盤からの謎解きの流れなんかも、非常にテンポが良くて飽きずに楽しむ事が出来ます。

 ただ設定に関しては『ちょっと強引すぎない?』と思わされる部分も多く、主人公の両親が軍の研究者だった事が話のキーになっているのはともかく、たまたま道を聞いたオッサンがストーリーのキーマンだったりするのは、ちょっと無理がありすぎ…

 また、モンスターの襲撃シーン等の見せ場が意外と少ないのは残念なところ。

 襲撃シーンを、軍の指揮官のモニタや衛星カメラの『不鮮明な映像』を加工して見せたりと、涙ぐましい予算削減の努力は認められるのですが、派手なCGで街の破壊を描くには予算が足りなかったんだろうなぁ…

 モンスターが無機的で個性が無く、怪物怖さがあまり感じられないのも惜しい所ですね。
 おかげでモンスター映画というより、ディザスターパニック映画っぽい印象を受けました。

 その辺がもうちょっと上手く処理されてれば、かなり良い作品になったと思うのですが、ちょっと残念なところですね。


 総評としましては、パニック映画として観るならばB級ながら『なかなか堅調にまとまった良作映画』だと思います。
 モンスター映画として観るとちょっと物足りない部分も感じますが、過剰な期待をしなければそれなりに観れるレベルなのは間違いないです。

 地味目の作品ながら、その手のモンスターパニック映画とかが好きな人ならば普通に楽しめるレベルだと思うので、このジャンルが好きならばとりあえず観ておいても損は無い一本ではないでしょうか?