NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「REC/レック」(45点/パニックホラー)

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■■■「REC/レック」■■■
(45点/パニックホラー)

 女性ジャーナリストのアンヘラは「眠らぬ町」というドキュメンタリー番組の撮影のために、カメラマンと共に夜勤の消防士に密着取材を行っていた。

 そんな矢先に、取材中の深夜に『アパートで閉じ込められた人が居る』とのレスキューの出動要請がかかる。

 出動に動向したアンヘラ達は、要救助者の居る部屋で血まみれの老女が奇声を上げながら襲い掛かってくるのを目撃。
 その際に、老女に噛まれた警官と消防隊員は重傷を負ってしまう。

 慌てて負傷者を運び出そうとする彼女たちだったが、保険当局はこの現象を『未知の伝染病』と判断し建物を検疫隔離してしまい、彼女たちは凶暴な感染者たちの居るアパート内部へと閉じ込められてしまうのだった…


 最近またちょっと流行りつつあるジャンルである『手持ちカメラによる主観映像』を利用した、スペイン製のパニックホラー映画。

 『感染者に噛まれた人間がゾンビのようになって凶暴化する』という設定の感染ものホラー映画で、雰囲気としては28日後....」のスケールを小さく地味にして主観カメラ版にしたみたいな感じでしょうか…

 『主観カメラ映像』という特徴を除けばお話としては非常に凡庸な感じで、そこまで面白味は無い話ですね。

 アイデアとしては悪く無いと思うのですが、主人公を写すカメラが『プロのカメラマン』という設定のせいか、手ぶれも無くやたらとキレイに映像が撮影されている為、逆に臨場感が感じられ無いのが残念なところ。

 どうにも作り物っぽさがどうせなら否めないので、もうちょっと「クローバーフィールド」や「ブレアウィッチ」みたいにいかにも『手持ちカメラで撮りましたよ』的な映像を使うとか、もっと『現場に生で居る』事を感じさせるパニック感や臨場感が感じられた方が良かったかな?

 また、ストーリーも妙に『作り話ですよ』的な展開で、特に終盤の展開がやたらと唐突な上に説明的で、ちょっと興ざめしてしまいました。

 ドキュメンタリー風に仕上げるなら、ここまで懇切丁寧に事件の背景を語る必要は無くて、もっと『良く分からないけど、多分こんな話なんだろう』という想像に任せる部分があっても良かったんでは無いかと…(実際にリアルタイムに現場に居たら、こんなにご都合主義的に事件の真相を知る事は出来ないでしょうし…)

 ぶっちゃけ、どうもに『普通のパニックホラー映画のプロットを、とりあえず主観映像で撮ってみました』みたいな雰囲気の漂う作品なので、もうちょっと主観映像という特徴を活かしてプロットを練り直した方が良かったのでは?

 どうにも、単に『主観映像を使った嘘臭い映画』になってしまっている気がします。

 まあ、逆に『主観映像』という事にこだわらなければ、映画そのものの完成度はそれほど低くなくて、割と普通のB級ホラーレベルは十分に満たしていると思います。


 総評としましては、パニックホラー映画としては悪くは無い完成度なのですが、『ちょっと期待してたのとは違うなぁ…』ってのが正直なところ。

 どうにも『臨場感』がイマイチで「ブレアウィッチ」や「クローバーフィールド」みたいなノリを期待すると、ちょっと肩透かしを食らうかも?

 まあパニックホラーとして観る分には、それなりに楽しめる内容ではあるので、その手のジャンルが好きならば悪くは無い作品だと思います。

 正直に言うと、この内容なら『普通にパニックホラー映画として撮影した方が、むしろ画面も見やすくて面白くなったんじゃないかなぁ?』…とかって思ったのは私だけですかね?