■■■「実録・リアル食人族」■■■
(40点/パニックホラー)
フィジー共和国のスバという街に観光に訪れたマンディとビジューの二人は、地元で知り合った2人の男性と行動を共にするうちに、『1961年にニューギニアで行方不明になった、かつてのアメリカ副大統領の息子であるM・ロックフェラーが現在でもジャングルの奥地で生き残っているのではないか』とのウワサを知る。
彼らは、M・ロックフェラーの生存を確認する事で一攫千金が狙えるのではないかと考えて、4人でビデオカメラを片手にパプアニューギニアの未開のジャングルへと踏み込むが、その場所には恐るべき脅威が待ち構えていたのだった…
未開のジャングルに踏み込んだ無思慮な若者達が食人族に襲われるという、実写ドキュメンタリー風のパニックホラー映画。
「実録・リアル食人族」なんてトンチキなタイトルが付いてますが、内容の方は割とマトモでそこまでイロモノ的なお話ではありません。
割と普通の『主観視点もののパニックホラー』という印象ですね。
若者達が撮影する『ハンディカメラによる映像』を用いる事でストーリーを構成しているので、最近の流行で言えば「ブレアウィッチ」風といった感じですが、この手の作品としては草分け的な存在である「食人族」が『ドキュメンタリー映像』風の作りになっているので、そういう意味で「リアル食人族」ってタイトルなのでしょう。
ちなみに原題は「WELCOME TO JUNGLE」ってタイトルで、この辺からもそこまでの色物タイトルじゃ無い事が分かります。
お話の内容の方は『未開のジャングルの奥地に踏み込んだ若者達が、無思慮な行動によって原住民の怒りを買ってフルボッコにされる』みたいなソレだけのお話です。
いわゆる「食人族」のようなモンド映画(実録系グロ映画)的なノリはあまり無く、リアルな手持ちカメラの映像を淡々と流しているという印象のため、リアリティはありますが今ひとつ盛り上がりにも欠ける感じですね。
ジャングルに勝手に踏み込んで、部族の土地を荒らした若者が『仕返しに殺される』的なノリなので、あまり理不尽さも無いですし、そこまで怖さもありません。
また、肝心の食人族が登場するのが物語のかなり終盤に突入してからで、それまでの最初の1時間ぐらいは若者同士が疲労や意見の対立から仲間内でグテグテやってるだけなので、ぶっちゃけちょっと退屈です。
盛り上がるシーンも物凄く少なくて、ハッキリ言って物足りない印象ですね…
映像の表現を含めて割とリアリティのある作りになってるので、緊張感はあるのですが、多少わざとらしくなっても良いから、もうちょっと盛り上がるような残酷シーンとかを多めに入れて欲しかったかなぁ?
タイトルのZ級っぽさから、もっとトンデモ映画的なノリを期待してたので、どうにも『はっちゃけっぷりが足りない』と言う感じで、ちょっと期待外れな内容でした。
総評としましては、タイトルの変さの割には内容は意外とマトモな『ジャングルを舞台にした、ごく普通のパニックホラー映画』って感じの作品です。
まあ言ってしまえば「ブレアウィッチ」風の「食人族」って感じの内容なので、そういう『主観視点もののパニックホラー』が嫌いじゃなければ、そこそこ楽しめる作品ではあるでしょう。
逆に『グロ系やモンド系映画のノリ』を期待してると、肩透かしを食らわされるかもしれませんので、そういうノリの作品を見たい人は要注意ですね。