■■■「吸血家族」■■■
(35点/吸血鬼ホラー)
ビルの不法居住者の調査に向かったビル管理人であるアームストロング家の父は、奇妙な少女が一人の男性を襲っている所を目撃し、彼自身も少女の毒牙にかけられてしまう。
その頃、父親の誕生日パーティの準備をしていた家族の面々は、帰ってきた父親の変貌振りに違和感を感じるが、やがて吸血鬼としての本性を表した父親の手によって、家族全員が次々と吸血鬼へと変容させられていく…
「吸血家族」といっても「恐竜家族」みたいな楽しいお話じゃなくて、一家全員が吸血鬼になっちゃうという難儀な設定のホラー映画。
バカっぽいタイトルだけ見るとコメディ映画か何かかと勘違いしそうですが、中身は割と普通のホラーらしい内容で、原題は「IMMORTAL ECSTACY」(致死の悦楽?)みたいな大層なタイトルが付いています。
でも、内容の方は『やっぱ「吸血家族」の方がしっくり来るよな』と思ってしまうようなションボリ目のお話です。
一応、最初にお父さんが吸血鬼になって、その後に家族が次々に吸血鬼にされていくという閉鎖環境型のホラー映画っぽいテイストは取っている物の…
お姉さんがレズビアンの恋人を連れて帰ってきたり、妹が預かってるマフィアの裏金を狙ってストリートギャングが乗り込んできたり、父親の会社に恨みを持つ息子の友人が乗り込んできたりと、難儀な感じで被害者がどんどん増えて行きます。
っていうか、この家庭はお父さんが吸血鬼になる前から崩壊寸前だと思います…
まあB級ホラーらしく、グロ目の演出もエロ目の演出もそこそこ含まれるんですが、どちらも何と言うか中途半端。
ストーリーに関しても、中盤から吸血鬼が屋外に解き放たれてしまい、どう考えても収集が付かなさそうな展開になるんですが、まあ予想通りというか投げっぱなしなオチで終了。
お姉ちゃん吸血鬼達が、一斉に獲物にむしゃぶりつくシーンは妙にエロチックで、この辺が「IMMORTAL ECSTACY」たる所以なのかなぁ?とも思いますが、でも、どっちかって言うとやっぱ「吸血家族」ってタイトルの方がしっくりと…(以下略)
総評としましては、まあ何と言いますか色んな意味で難儀な映画です。
設定は難儀だし、内容も微妙に中途半端だし、ストーリーは投げっぱなしだし…
まあ、ある意味B級らしいって言えばB級らしい映画なのですが、どっちかって言うと『悪い意味でB級らしい映画』かなぁ?
別段特にコレといって観るべき所も無いのでネタ映画としても弱いですし、とりあえず普通に観なくても良いタイトルかと。
まあ、所詮は「吸血家族」だしね…