NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

劇場にて「グレイブ・エンカウンターズ」を観てまいりました

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 心霊現象を検証するというドキュメンタリー番組のプロデューサーであるランスは、番組のロケ隊と共に50年以上前に閉鎖されて心霊スポットと化している「コリンウッド精神科病院」を訪れることとなる。

 彼らはいつものように偽霊能力者を呼んで『ヤラセ』で恐怖映像を撮影し番組を制作しようとするが、そんな撮影のさなかに撮影中のスタッフの身に本当の心霊現象が発生。

 興奮したランスは、恐怖に怯えて撮影を中断しようとするスタッフらの反対を押し切って撮影を続行しようとするが、彼らを襲う心霊現象はどんどんエスカレートしていき予想を超える恐るべき事態へと陥って行くのだった…


 TV局でヤラセ心霊番組を制作する番組スタッフたちが『廃墟と化した精神病院』で恐るべき不測の事態に遭遇するという、ドキュメンタリー風味のオカルトホラー映画。

 「パラノーマル・アクティビティ」とかで最近流行っている、『実際のスタッフが撮影したフィルム』という設定の、いわゆるモキュメンタリー(なんちゃってドキュメンタリー)形式のオカルト映画ですね。

 なんでも、動画サイトにアップされた予告編の映像が怖すぎると話題で『全世界で2,100万回も再生された』というのがウリ文句となっている作品ですが、B級映画ファンであれば知らない人は居ないであろう「アルバトロスフィルム」が配給している作品だと言えば、だいたいどんなノリの作品か見当の付く人も多いのではないかと…

 といっても、アルバトロスの映画には微妙な作品ばかりでなく意外に『良質なB級映画』も発掘してくる事で有名な訳ですが、コレはむしろ後者の方で予想に関してホントに怖いホラー映画でした。

 一応、『実際のスタッフの撮った映像』という『なんちゃって実録映画』的な位置づけの作品なので、序盤とかは地味な心霊現象が多くてちょっと退屈なのですが、中盤以降は『いやいや、それが実録映像ってのは無理があるだろ!?』とツッコミを入れたくなるような派手な展開になっていき、なかなかの盛り上がりを見せてくれるのは面白いです。

 まあモキュメンタリー映画ってリアリティが有るとは言いながらも、見る側も『どうせ作り物なんでしょ?』と理解して観るので、トロールハンター」や本作ぐらいの荒唐無稽な派手さのある方が、いっそ清々しくて良いのかも?

 登場人物のキャラ付けなんかもなかなか上手くて、実際の心霊現象が撮影できて有頂天になるプロデューサーに対して、霊能力者役の俳優がビビリまくってスグに逃げ出そうとするという対比なんかも、ちょっと捻りが利いてて良い感じ。

 また、心霊現象の『徐々にエスカレートしていく様子』の盛り上げ方が非常に上手くて、相次ぐ心霊現象によってスタッフたちが疲弊していき精神的に追い詰められていく描写が、作り物と分かっていながらも妙にリアリティがあるのは良く出来ていると言えるでしょう。

 特に終盤の展開に感じられる『絶望感』は非常に秀逸で、なかなか精神的に来るものがあってネタと理解していながらも普通に怖かったです。

 ラストなんかも『投げっぱなし気味な展開』ではあるものの、キチンとが『謎解き』が行われていたりとシッカリとオチを付けてるのも良い感じで、全体的に期待以上に良く出来たお話でしたよ。


 総評としましては、低予算ながらも予想以上にシッカリと作られた『普通に怖いB級ホラー映画』といった感じの作品でした。

 まあ、映像の迫力とか内容的にビデオで観ても全く問題ないレベルではあるので、無理に劇場で観るほどの作品かと言われると微妙ではありますが、とりあえず『モキュメンタリー風味のホラー映画』とかが好きであればチェックしておいても損は無い一本だと思いますよ。

 『アルバトロスフィルムのホラーが劇場公開って大丈夫かよ?』と不安を感じていたのですが、相変わらずこのメーカーは時々『意外な掘り出し物』を買い付けてくるので油断なりませんな。