■■■「モンスター・ナイト」■■■
(35点/モンスター)
ロンドンのヴィクセンズというストリップクラブで働くジャスティスは、ある日、ダンスの最中に『獣のような姿に変身して襲いかかってきた男』を、いて銀の万年筆で刺して殺害してしまう。
しかし、この男性は実はロンドンに密かに潜伏する狼男たちの一人で、仲間を殺された狼男たちが犯人の捜索を開始。
やがて狼男たちはストリップクラブを探り当てるが、実は狼男の一人がジャスティスの恋人である事が判明し…
ストリップクラブで働くダンサーがロンドンに潜む狼男たちと戦うという、アクション映画風味のモンスターホラー映画。
最近、なんだかストリッパーがゾンビと戦ったりヴァンパイアと戦ったりする映画が妙に多いですが、今回は同じようなノリで狼男と戦うというお話ですね。
というか、このジャンルでは『ストリッパーがモンスターと戦う』ってのが、流行っているんですかね?
まあ確かに『お色気と残虐描写を無理なく出せる』という意味では、非常に使いやすい設定ではあると思いますけど。
それはともかく肝心の内容の方ですが、ややコメディホラー寄りの低予算モンスター映画といった感じのお話ですね。
ストーリーが意外と凝った作りになっており、狼男たちとストリップクラブのオーナーに過去の確執があったり、ヒロインの恋人が実は狼男だったりとか他にも色々と複雑な設定があるのですが…
正直言って、特にソレが『お話の面白さ』に繋がっている訳でもなく、視聴者からすれば割とどうでも良い感じの設定が殆どだったりするので、その辺の設定を消化するためにお話が冗長な感じになってしまっているのは困りもの。
また、ヒロインと狼男ともにキャラクターに今ひとつ魅力が感じられずに、狼男は単なる『チンピラの集団』みたいな感じでワイルドさのカケラも無いですし、ヒロインたちも主人公とクラブのオーナー以外は影が薄くて印象に残らない感じで、どうにもキャラクターが弱い。
その割には、序盤~中盤が本編の流れとあまり関係の無い『キャラクターのサイドストーリー』的な要素に時間を割いている部分が多くて、そのサイドストーリーも特にキャラの魅力を引き出せている訳でもないので、終盤までの展開が正直言ってダルいです。
漫画的でスタイリッシュな演出は面白いのですが、そこまでセンスを感じさせるようなハイセンスな映像でもなくて、なんとなく安っぽくて上滑りしている印象を受けてしまうのも残念なところ。
特撮とかが非常にチープで、狼男が『単なる毛深いオッサン』ぐらいにしか見えないのも安っぽさに拍車をかけている感じかも…
肝心のアクションシーンもイマイチ地味で盛り上がりに欠ける感じで、そもそもアクションシーンそのものの尺があまり長くもありませんし…
というか予告編を観た人であれば『予告編で観れるアクションシーンが本作の山場の全て』みたいな感じなので、全体的に非常に物足り無さを感じる作品でしたよ。
総評としましては、狙ってる方向性や描きたい内容はなんとなく分かるのですが映画の作りや見せ方がこなれておらず、どうにも『野暮ったさと物足りなさばかり感じてしまう作品』といった感じの一本ですね。
予告編では割と面白そうに感じたのですが、ほぼ『あの内容が全て』の作品ですので、正直言ってレンタルをしてまで観る価値があるかと言われると微妙なところ。
まあ『モンスターVSストリッパー』的なシリーズが好きであれば、それなりに楽しめない部分も無くもないですので、その手の作品に興味があって気になっているならばチェックしてみても良いかもしれません。