NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ヘッドハント」(60点/サスペンス)

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■■■「ヘッドハント」■■■
(60点/サスペンス)

 6人の企業家を殺害した連続首斬り殺人鬼であるトーマス・レッドマン精神病院に入れられたあと火事で焼死

高校を中退しマトモな職業に就こうとするも過去のトラウマから上手くいかないアナベルは、ネットで自分のストリップ映像を配信して日銭を稼ぐと言う生活を続けていた。

 しかしそんなある日、家に侵入してきた何者かに拉致された彼女は、廃墟倉庫のような場所でオフィス机に他の5人の男女と一緒に両手を鎖で繋がれた状態で目を覚ます。

 彼らは全員が『6年前にレッドマンという男が起こした連続事件の関係者』として犯人逮捕に関わった人間だと気付くが、更にその場に、事故で死んだはずのレッドマンが現れる。

 レッドマンは、自分は連続殺人事件の真犯人ではないという事を主張し、アナベル達に、当時の事件の資料を元に事件の真犯人を見つける『仕事』をこなすように強要し、仕事をしない人間や逆らった人間には容赦のない制裁を加えて殺害していくが…



 過去にとある連続殺人鬼の逮捕に関わった人間たちが殺人鬼によって監禁され『仕事』を強要されるという、シチュエーションスリラー映画。

 タイトルやシチュエーションからして、てっきりブラック企業』をモチーフにした理不尽系のシチュエーションスリラー映画なのかと思いきや、意外にもシッカリとしたストーリーのあるサスペンス映画でした。

 基本は『監禁オフィス』や『キチ●イの上司』といった題材のシチュエーションスリラー的な味付けの作品なのですが、『過去の連続殺人事件の真犯人は?』という謎を追って行く解き要素もあったりして、思った以上にキチンとサスペンス映画している印象。

 シチュエーションホラー的な部分も悪くは無く適度に見せ場もあるので退屈しないですし、犯人の殺人鬼がなかなか良いキャラクターをしておりキチ●イなんだけど割と好感の持てるようなキャラに仕上がってるのも良い感じです。

 ただ、盛り上げるためだけに『無駄に過剰なバイオレンス描写』を見せるようなシーンが多く、本作のテイストからするとちょっと浮いている印象を受けました。
 本作ならどちらかと言えば、描写はもうちょっと控えめで緊張感を持たせるような感じの方が良かったかも?

 また一応『謎解きミステリー』的な要素もあるのですが、謎解き部分に関してはちょっと真相が唐突でお粗末(というか取ってつけたような真相)な感じなのは気になったかな…
 伏線の貼り方も微妙な感じだし(結局『規格外のエレベーター』ってのは何だったのか?)、この部分がもう少し説得力のある作りになっていれば、もっと良い感じになったんじゃないかと思うので、少し残念なところ。

 あとラストの展開はちょっと蛇足な感じだったけど、まあ落としどころとしては悪くなかったですし、全体的にコンパクトな感じながらもそこそこ良くまとまった感じの作品でした。


 総評としましては、そこまで佳作という程ではないものの『期待せずに観たら意外と面白くて儲けた気持ちになれる』みたいな感じのサスペンス映画ですね。

 強くオススメはしないですが、ミステリー要素のあるシチュエーションスリラー的なノリが好きか、予告とかを観て興味が沸いたような人は観ておいても損は無い一本だと言えるでしょう。

 やや残虐描写が強いシーンがあるのでそういうのが苦手な人は要注意ですが、無名のB級サスペンス映画としてはそれなりに良いものだと思いますよ。