NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「モスキートマン」(45点/アクション)

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■■■「モスキートマン」■■■
(45点/アクション)

 原子力研究所の職員のジムは、現場へのロボット導入の煽りを受けて研究所を解雇されてしまう。
 更に、その日の午後に妻が同僚と浮気をしている現場を目撃し、全てを失って自暴自棄になって自殺しようとした所を、デイブと名乗る男に声をかけられ酒場へと案内される。

 しかし、デイブの真の目的は彼を慰める事ではなく、酔いつぶれたところを『蚊の媒介する新型ウィルスのワクチンの人体実験の実験台』にする事だった。

 非合法なワクチンの実験で命を落とした彼だったが、彼の中に残っていた残留放射能とワクチンに含まれる蚊の遺伝子が反応した事によって、蚊の能力と鋭い口吻を持つ超人「モスキートマン」として復活。

 以前に自分を傷付けた相手に『蚊の能力』を用いて復讐を果たしていくのだった…



 新型ワクチンの人体実験によって『蚊の能力』を手に入れた冴えない男が「モスキートマン」となって復讐を行うという、ダークヒーロー風味のアクション映画。

 そもそもの設定からし『蚊の能力を持ったヒーローって何だよ?』って感じなのですが、やはりというか良くも悪くも『安定のアルバトロスフィルムの配給映画』って感じの作品ですね。

 まあ設定からして分かるように『一発ネタ成分が強めの作品』と言った感じの映画で、一応は『ダークヒーロー』的な位置づけにはなっていますが、コメディ寄りの部分も多くてあんまりヒーローものという印象も無い内容です。(そもそも、主人公は私怨を晴らすためにしか能力を使ってないですしね…)

 というか、蚊って『飛翔能力は全生物でもトップクラス』なのですが肉体は物凄く脆弱なので、能力を手に入れたとしても果たして強くなれるのかどうか…(まあ、それでも人間サイズになったら人間よりは強いのかも?)

 主人公の能力としては、『強靭な肉体』に加えて『口吻(舌)を伸ばして相手の血液を吸い取る』という能力で、この能力を使って悪人から血を吸い取って倒してしまう訳ですが、コレが当然ながらちっともヒーローっぽくありません。(笑)

 ただ、蚊の大群をコントロールして姿を隠したり、偵察機のように使ってターゲットを探したりする能力は、蚊のクセにちょっとカッコ良かったかも?

 お話の流れとしてはモスキートマンとして復活した主人公が、『蚊の本能』としての血への餓えを満たすために、以前に恨みを抱いていた相手を殺害していくという感じなのですが、そのターゲットとなる相手が『嫌な上司』とか『嫁の浮気相手』とかなので、どうにもカタルシスがありません。

 ラスボスとなる『主人公をモスキートマンに変異させた科学者』も物凄く小物臭の漂う相手なので、コメディがベースとは言え最初から最後までヒーローものとしての盛り上がりに欠ける印象なのは辛いところですね…

 ラストの展開とかはちょっとだけ熱くてカッコ良いのですが、出来れば『主人公に対抗できるような敵役』が一人ぐらい居た方が、お話としては盛り上がったかも?

 あと、蚊の本能としての『飢え』を満たすために血を吸うという設定なのですが、そもそも蚊って『雌が産卵するために血を吸う』のであって、雄の蚊は血を吸わなかったりする訳ですが、そういう細かいところは『ツッコんだら負け』って感じですかね…


 総評としましては、良いアルバトロス映画と悪いアルバトロス映画があるとしたら、本作はどちらかというと『悪い意味でアルバトロスらしい微妙な作品』といった感じの映画です。

 別にそこまでツマんなくは無いんですが、プッシュ出きるような要素は『設定のインパクト』ぐらいしか無くて、出オチっぽい感じのタイトルだなぁ…と思いきや中身の方も出オチっぽい感じの内容でしたよ…

 まあオススメ出来る程の作品では無いものの、ネタ映画として観る分には十分に需要を満たせるレベルだとは思いますので、そういう方面で期待しているのであればチェックしてみても損は無いタイトルかもしれませんよ。