（６５点／パニック）
ワシントンでのシャークネードの発生から５年。
巨大テクノロジー企業であるアストロＸ社の開発した天候制御システムによって竜巻の発生が未然に防がれるようになり、５年間、シャークネードはゼロ件となっていた。
人々をシャークネードから救った英雄であるフィンは、妻のエイプリルを亡くしたあとカンザスで幼い息子とともに暮らしていたが、軍隊にいる長男のマットと会うためにラスベガスにある巨大なサメ水槽の展示で有名な『シャークワールド・ホテル』へと訪れる事となる。
しかし彼がラスベガスに到着するとともに、天候制御装置では制御できない謎の竜巻が発生。
竜巻は大量のサメの入ったサメ水槽を巻き込んで、人類は再びシャークネードの脅威にさらされる事になるのだった…
『サメ竜巻』でお馴染みのシャークネードシリーズの第４弾に当たる生物パニック映画。
作品が４作目だから4thに掛けてるんでしょうけど、「シャークネード ザ・フォース・アウェイクンズ（フォースの覚醒）」って、もうそれ『タイトルからしてアカンやつや！！』という感じですね。（笑）
お話としては、いつものとおりに『主人公が訪れる町に驚異の天変地異である『サメ竜巻』が発生するんだけど、主人公が超人的活躍をしてサメ竜巻を撃退する』という、まあお約束のパターンですね。
今回はタイトルからして宇宙に行ってサメ竜巻と戦うのかと思っていたのですが、特に宇宙に行くような話ではなくて『進化するサメ竜巻』みたいなのがテーマになっている感じ。
サメ竜巻が岩石を巻き込んで『岩石竜巻』になったり、油田を直撃して『火炎竜巻』になったり、挙句の果てには原子炉を巻き込んで『核竜巻』になったりといった感じで、今まで以上に荒唐無稽な展開で楽しませてくれます。
主人公たちの超人っぷりも更に磨きがかかっており、主人公の身体能力がもはやアベンジャーズに入隊できるぐらいの運動神経なのに加えて、主人公の奥さんは前作の『片腕サイボーグ』から『全身サイボーグ』に進化してて、ジェットで空を飛んで手からビームを放つというアイアンマンのような状態に…
シャークネードによる各地の名所破壊も更に磨きがかかっており、ラスベガス、マウントラッシュモア、最後はナイアガラの滝で最終決戦と色々とやりたい放題。
色々とツッコミどころは満載ながらも非常にテンポも良くて派手な展開の目白押しで、とにかく観ていて退屈しない映画にはなっています。
ただ、色々と面白そうな要素を詰め込みまくってるのは良いのですが、ちょっと詰め込み過ぎで非常に煩雑な印象を受けるのは困りもの。
シリーズを重ね過ぎたせいで主要キャラが増えすぎたうえに、場面の転換が物凄く早いのでストーリーもちょっと追いかけづらいですし、観ていてちょっと疲れてしまいます。
ぶっちゃけ２作目辺りの規模ぐらいの話の方がお話としては単純で楽しいかも？
他にもパロディ要素もやたらとブチ込んできているせいで、ちょっと分かりにくいネタとかも多くなってきてるので、流石にもうちょっと自重しても良い感じかなぁ…（キングの「クリスティーン」のネタとか唐突なうえに全く意味なかったし…）
あと、今回はサメ竜巻が色んなものを巻き込んで『進化』していくのがウリではあるのですが、火炎竜巻とか電気竜巻とか『それもうサメが巻き込まれてようが無かろうがヤバさに関係なくない？』っていうようなネタも多くて、ちょっとだけ『サメ』の影が薄くなってしまっているのは残念なところでした。
（っていうか「火炎竜巻」に進化したらサメが全部焼け死んじゃうだろ、いい加減にしろ！！（笑））
ちなみに、ラストが『次回作に続くきまんまん』な引っ張り方だったのはちょっと笑ってしまいました。
この映画の主人公には、この調子で最終的には人類、ひいては宇宙の危機を救うまで頑張っていただきたいものです。
総評としましては、相変わらずネタ満載でハイテンションで安心して観られる『定番のお馬鹿パニック映画』って感じの作品ですね。
とりあえずシリーズが好きならば本作も間違いなく観ておいて損は無いとは思いますが、逆にシリーズを観ていないと付いていけないような部分も多くなってきているので、初めて見る人は過去作品からチェックした方が良いでしょう。
どんどんギャグ要素が強くなっているのは気になるものの、人気があるお陰か予算も割とかけられててシッカリした内容ではありますので、安定して楽しめるシリーズって感じですね。
