■■■「デビルズタイド」■■■
(50点/生物パニック)
生物学者のピーニャ博士は、南米の孤島で未知の未確認生物(UMA)の捕獲に成功し、その生物を極秘裏にアメリカへ持ち出そうと、豪華客船であるR・クイーン号へと荷物の積み込みを行う。
しかし、船の乗組員が好奇心から生物の入った檻を開けてしまった事から、船内へと解き放たれたUMAは天敵の居ない世界で次々と人間を襲い始め、逃げ場の無い船内はやがて地獄と化していくのだった…
タイトルだけ聞くと『「デビルズタイド」(悪魔の満ち潮)って何じゃい!?』とか思ってしまう訳ですが、原題は「CHUPACABRA:DARK SEAS」というムチャクチャ分かりやすいタイトルが付いています。
そんな訳でご想像のとおり、チュパカブラが登場する閉鎖環境型の生物パニックホラー映画です。
先日も、チュパカブラが登場するホラー映画の感想を書いたばかりですが、なんつーか、やっぱこう言うのは何か流行りのサイクルでもあるんですかね?
>http://blogs.yahoo.co.jp/uei_nanigashi/3222612.html
次は『フライングヒューマノイド』とか『スカイフィッシュ』辺りが登場するホラー映画が出てきたりするんでしょうか?
映画の方は、海上を舞台とした逃げ場のない閉鎖環境というお約束な舞台に、謎の怪物が解き放たれたせいで次々と被害者が増えていくというパターンなのですが、この映画の特徴はとにかく『やたらめったらと怪物が強い』と言う事。
かなり序盤から登場した怪物と、武装した船員や援護に駆けつけた軍の特殊部隊とかが戦うのですが、拳銃で撃とうがショットガンで撃とうが、ライフルの9mm弾をバリバリと撃ち込まれようが、まったくダメージを受けずにピンピンしてるという、もはや地球上の生物とは思えないとんでもないタフさ加減。
『皮膚が硬化してて鎧のようになっている』とかって設定らしいのですが、それにしても程があります。
もう何かノリが、「仮面ライダー」の怪人と戦ってるみたいな感じです。
まあこの怪物が出し惜しみなく、とにかく大暴れしまくってくれます。
遭遇する相手は人間だろうが動物だろうが片っ端から皆殺しで、情けも容赦も情状酌量もあったもんじゃありません。
ただ、逆に何の溜めも無く人を殺しまくるので、あっさり過ぎて緊張感も怖さも何も無いってのはちょっと困り者。
中盤からは、怪物が出そうなシーンになったら『ああ、この人達がが殺されるんだ…』と妙に達観した気分になってしまいましたよ。
まあ、怪物が全く登場しないモンスター映画とかよりは、よっぽどマシって言えばマシなんですけどね…。
前述のとおり怪物が相当インフレ気味な強さなので、オチの怪物を倒すシーンでは…
徹甲弾で撃たれた上に、高温の蒸気を浴びせられて、高圧電流を食らわされて、毒を注入されてから、船ごと爆破されて沈められる…
という、普通の怪物なら3回ぐらい死んでるような、メチャクチャ念入りな殺され方をしてるのには爆笑してしまいました。
そりゃ、ここまで念入りに殺されたら、ジェイソンだって生き返ってはこないでしょう。
こんな軍隊でも敵わないようなタフさを持ってる上に、無計画に人を殺しまくる凶暴な怪物が何匹も居たら、最初にチュパカブラが捕獲された島の住民は今頃皆殺しになってるんじゃないの?とか心配になったのは俺だけですか?
特撮は今時らしくないぐらいに、CGとか全く使わない完全な着ぐるみのボディスーツ。
いかにも、『中に人が入ってますよ』ってのが分かってしまうような、それこそ「仮面ライダー」レベルなので、デザイン的にもあまり面白味はありません。
他の部分はB級ホラー映画としては結構お金がかかってるっぽいのに、この辺に関しては、以前に観た「チュパカブラ」の方が出来が良かったかも?
総評としましては、なんと言いますか…特にコレといったオススメするような所も無いような、ごく普通のB級生物パニック映画です。
まあ、とりわけツマんないという訳でもないので、敢えて言うなら特徴が無くて堅調な所が特徴?
アルバトロス映画配給って事で、もうちょっと突き抜けた部分のある映画かと期待してたのですが、あまりにも普通な内容にちょっとだけ拍子抜けした感じでした。
とりあえず、特に急いで観る必要も無いレベルの映画ですので『深夜放送ででも放映されたら観てやるか?』程度の認識で良いと思います。
3度の飯よりチュパカブラが好きで、チュパカブラの映画は全部観ているようなチュパカブラマニアなら観るのを止めませんけど…その辺はお好みで。