NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ジュラシック・アース 新たなる覇者」60点/モンスター:結構オススメ)

■■■「ジュラシック・アース 新たなる覇者」■■■
(60点/モンスター:結構オススメ)


 中国の沖合に数々の恐竜の化石や古代からの自然の残る『亡骨島』という無人島が発見され、その場所に古代生物を題材としたテーマパークである『荒島パーク』の建設が計画される。


 しかし、建設予定地に巨大な岩盤があった事から岩盤を爆破したところ、地下から恐ろしく巨大な大蛇が出現。
 更に他の恐竜や古代生物も休眠から目を覚まし、工事現場は壊滅させられてしまう。


 更にそんな状況を露知らず、見学ツアーの客たちが工事現場を訪れようとしていたのだった…

 


 古代生物のテーマパーク建設予定地に大蛇や古代生物が復活し、見学に訪れた人々が脅威にさらされる事となる…という、怪獣映画風味のモンスターパニック映画。


 最近流行っている中国製の巨大生物映画の新作の一つで、『超巨大な大蛇が出現する』というモンスターパニック映画ですね。


 巨大な大蛇のサイズが全長20mぐらいあるような超スケールだったり、大蛇とライバル関係の超巨大なギガノトサウルスみたいのが出現してみてバトルを繰り広げたりと、もはや『生物パニック映画』というよりは『怪獣映画』に近いような印象の作品です。


 タイトルや設定だけ見ると「ジュラシック・パーク」のパクリっぽいのですが、島を訪れた見学客たちが在住の古代生物に襲われたり、大蛇が人間の味方っぽい存在だったりと、どちらかと言うとキングコング 髑髏島の巨神」に影響を受けてる部分が多い内容で、実際ところどころにキングコングをリスペクトしたっぽいシーンも見られる感じ。


 まあノリ的には二番煎じっぽい巨大生物映画ではあるのですが、肝心の内容の方は意外とシッカリと作られた良作という印象。


 とにかく非常にテンポの速い作りで、全体の尺は70分強と短いものの映画の開幕5分ぐらいから大蛇や恐竜が出し惜しみなく画面に姿を現して大暴れを開始し、その後も『ほぼ10分置きぐらいに新たな脅威や古代生物が次々と人間を襲う』という展開で、とにかく見せ場が山盛りで退屈しない作りとなっています。


 登場する古代生物も、メインの超巨大な大蛇に加えて、ギガノトサウルスっぽい肉食恐竜、人間を丸呑みにする巨大ガエルやら人食い植物なんかも出現して、とにかく盛り沢山な内容。


 襲撃シーンのCGもかなり気合が入っているうえに、人間との絡みも多くて建物や乗り物の破壊シーンなんかもあったりして、全体的に割と見ごたえのある作りになっているのは良い感じ。


 『大蛇が人間に味方する』という設定も割と無理が無い理由付け(恐竜に襲われた少年を自分の子供と勘違いしている)がされており、全体的に意外とシッカリとプロットが練られている印象です。(まあ、古代生物の生体とか辺りの設定はムチャクチャですが…(笑))


 派手な巨大生物の暴れるシーンやらバトルだけでなく、終盤の少年がトラウマを乗り越えるシーンなんかも地味に熱いですし、とにかく見どころの多い作品という印象でしたよ。


 ただ短すぎてちょっと物足りない部分はあったので、『もうちょっと映画全体のボリュームがあればなぁ…』というのも正直な感想でした。

 


 総評としましては、『意外と良く出来た巨大生物ものパニック映画(というか怪獣映画)』って感じの作品ですね。


 キングコング 髑髏島の巨神」のような、ハチャメチャ巨大生物バトル的なノリが好きであれば、ごく普通に楽しめる映画だと思います。


 その手の作品が好きであれば、普通にチェックしておいても損は無い一本という感じですし、『続編を作る気まんまん』みたいな終わり方だったので、続編にも期待していきたいシリーズでしたよ。

 

映画感想:「ジュラシック・ウッズ」(35点/モンスター)

■■■「ジュラシック・ウッズ」■■■
(35点/モンスター)


 生物学者のサイモンは、亡くなった息子をこの世に蘇らせるDNAの操作実験の副産物として、恐竜を現代に蘇らせることに成功する。


 しかし恐竜たちは彼の予想を越える勢いで急激に成長し、制御不能となってしまい、彼と彼の妻を食い殺して森の中に逃亡してしまう。


 そんな事情は露知らず、彼の住む森の奥の農場を訪れたサイモンの家族たち4人は、そこで狂暴な肉食恐竜と死んだ筈のサイモンの息子であるマークに遭遇。


 なんとかしてマークと共に、恐竜の徘徊する農場から脱出しようと試みるが…

 


 ある生物学者の遺伝子操作の実験により現代に恐竜を復活させる事に成功するが、恐竜に食われて亡くなってしまい、その屋敷を訪れた家族たちが恐竜に襲われる事となる…という、モンスターパニック映画。


 お話としては、森の奥の一軒家を舞台とした割とありがちな『低予算の閉鎖環境型モンスターパニック映画』って感じの作品ですね。


 作中でジュラシック・パーク」のオマージュ的なシーンが散見されたりと狙ってる方向は良く分かるのですが、肝心の内容の方は『ビックリするほどスケールが小さくなった「ジュラシック・パーク」』みたいなお話です。


 単純にスケールが小さくなっただけならば良いのですが、まあとにかく『観ていて全く楽しくない映画』なのが困りもの。


 登場する恐竜は、ラプトル2匹とティラノサウルス1匹の計3匹のみ。


 登場シーンはそこまで少なくないものの、CGは割と低レベルで映像が浮いていますし、低予算CG故に人間との絡みのシーンが少なくて襲撃シーンの半分ぐらいは『襲われている雰囲気』を描いたイメージ映像みたいな感じ。


 恐竜の数が少ないうえに襲撃シーンの見せ方もいま一つ緊張感が無くて、どうにも盛り上がりに欠けます。


 人間側の登場人物も魅力が感じられないキャラばかりで、途中で家族を救出するために軍隊の面々が登場したりするのですが、この軍隊の連中がたいして役に立たないクセに主人公たちに対して異常に高圧的で、観ていてイライラさせられます。


 というか、民間人からの『恐竜に襲われた』という与太話のような通報をアッサリ信じて、軍のチームと科学者を森の奥まで派遣してくるとか『イギリスの軍隊は暇人の集団かよ?』とツッコミを入れたくなるぐらいに設定がグテグテなのはいかがなものかと…


 科学者の恐竜復活の研究の動機が『死んだ息子を蘇らせるため』というのは面白い設定だと思うのですが、『息子を蘇らせたあとについでにヤバい肉食恐竜を蘇らせる』という科学者の研究方針も意味不明ですし、研究のために蘇らせるにしても何でもっとおとなしくて無難な生物にしなかったのかと…
 (まあ本作に限らず、この手の恐竜復活系の映画は全部に同じようなツッコミが入れれてしまうんですが…(笑))


 ストーリーも全体的にダラダラした展開が多いうえに、矢鱈と説明的なセリフが多くて無理矢理感がありまくりですし、ラストのオチも何の解決もしていない投げっぱなしっぷりですし、とにかく観ていてストレスの溜まる映画でした。

 


 総評としましては、『全体的にグテグテでどうにも面白味に欠ける低予算モンスターパニック映画』という感じですね。


 特にコレと言った見どころも無いうえに観ていてストレスの溜まるシーンが多いので、正直言ってあまりオススメできるような要素は無い作品という印象。


 よほど『恐竜映画は全部チェックするんだ』という情熱に燃えているとかでも無ければ、普通にスルーしてしまって問題のない一本だと思いますよ。

 

映画感想:「シャークストーム」(55点/生物パニック)

■■■「シャークストーム」■■■
(55点/生物パニック)


 サムソン一家は、夏休みのバカンスを西海岸のビーチハウスで過ごす事となる。


 しかしそんな矢先に海岸を巨大な嵐が直撃、大潮の影響もあり一帯はは洪水により水没してしまったうえ、嵐の影響で携帯も繋がらずに彼らはビーチハウスから逃げ遅れてしまう。


 更には水没した彼らのビーチハウスの中に人食いザメが侵入。
 水位の上昇が迫る中、一家は絶体絶命の危機に晒される事となるのだった…

 


 洪水の影響で水没したビーチハウスに人食いザメが侵入してきて、バカンスに訪れた一家が絶体絶命の危機に晒される…という、災害&生物パニック映画。


 タイトルからすると、なんとなく「シャークネード」っぽいトンデモ映画的な雰囲気がありますが、最近、何故かニワカにこの業界で流行っている『洪水や津波で水没した建物の中に人食いザメ(もしくはワニ)が侵入してくる』という、災害映画と生物パニック映画を足して二で割ったようなタイプのパニック映画の最新作ですね。


 二番煎じ系のパニック映画やホラー映画でお馴染みのASYLUMによる新作なので、流行に乗ってみた感じで作られた作品だとは思いますが、ASYLUMの便乗系作品のなかでは割と出来は悪くない新作という印象。


 お話としては、『とある一家が海辺のビーチハウスにバカンスに訪れるんだけど、海岸を大嵐が直撃し洪水で水没したところに人食いザメまで出現し、水没した家の中でサメの襲撃の脅威に晒される』みたいな感じの展開。


 設定からして、いわゆる「クロール -凶暴領域-」の二番煎じ的な内容なものの、シチュエーション以外はそこまでパクリ映画的な内容では無い印象。


 『洪水で家の中にサメが侵入してくる』というシチュエーションは良いとしても、そもそも『地下室に人食いザメが侵入してきてウロウロしてるんだから、そんな家からはサッサと避難しろよ』という感じではあるのですが…


 水没する前に仲間が既にサメに噛まれてて怪我人が居たり、病人が居て避難に手間取ったりと、『ピンチに陥る状況』がそこそこ納得の行くような作りになっているのは悪くない印象。


 パニックシーンも地味ながらもそれなりに見せ場はありますし、割とテンポ良くサクサクとお話が進むので退屈しない作りにはなっています。


 登場人物のキャラの掘り下げも悪くはなく、登場人物に医療従事者が居たりして割と的確な行動を取るシーンが多くて、無駄にストレスの溜まらない作りになっているのも良いですね。


 ただ、『家の中に入って来れるような小さいサイズのサメ』の割にはサメが異常に狂暴すぎだろ…とか『どんだけ粘着して主人公の家族を襲うんだよ』とか、まあ色々とツッコミどころはある感じですし、低予算ゆえに迫力のあるシーンが少ないのと、ラストも妙にアッサリしてて全体的に物足りなさがあるのは残念なところかなぁ…

 


 総評としましては、『それなりに観れるレベルの災害&生物パニック映画』って感じの作品ですね。


 「クロール -凶暴領域-」とか、そういうシチュエーション系のパニック映画が好きであれば、まあまあ楽しめる内容だとは思います。


 ただ悪くは無いものの強く推すような要素も無いので、特に急がないようであればどこかのサブスクリプションサービスに入るのを待つ程度でも、あまり問題の無い一本かもしれませんよ。

 

映画感想:「サメストーカー・リターンズ」(55点/サスペンス)

■■■「サメストーカー・リターンズ」■■■
(55点/サスペンス)


 海洋生物学者を目指す学生のコートニーは、友人たちと共に夜の海の灯台付近で遊んでいたところ、突然サメの襲撃を受けて危機一髪のところをデビッドと名乗る青年に救われる。


 デビッドが無人島の灯台でサメの研究をしている研究員だと知った彼女は、海洋生物に詳しくどこか陰のあるイケメンである彼に惹かれ徐々に親しくなっていく。


 しかし、コートニーの父親であるブランデンは、彼の態度にどこか不審なものを感じ取り身辺の調査を開始したところ、驚くべき事実が判明し…

 


 サメを飼いならす連続ストーカー殺人鬼である「サメストーカー」の恐怖を描いた、サスペンススリラー映画のシリーズ第3弾。


 第二弾は続編といいつつも「サメストーカー」の誕生秘話に当たる前日譚のような内容だったのですが、第3弾は普通に1作目の続きに当たる内容のお話になっています。


 お話としては1作目のラストをなんとか生き延びていたストーカー男が、別の町に訪れてまた『理想の恋人』を求めて行動を開始する…
 みたいな感じの展開で、基本的なプロットは1~2作目とそこまで大きな変化は無い印象。


 ただ今回は女性の側からストーカー男にアプローチをかける展開だったり、ストーカー男に『初恋の女性コンプレックス』に加えて『重度のマザコン(というか家族コンプレックス)』みたいな設定が追加されていたりして、退屈させないように色々と変化を持たせようとしている努力が観られます。


 しかし残念なことには、その試みが成功しているかと言われると微妙なところ…


 妙に捻った『今までと違うお話の流れ』を意識したせいか、序盤の展開にややグテグテ感があって、ちょっとテンポの悪さを感じてしまいます。


 また、『ヒロイン側からストーカー男にアプローチをかける』みたいな流れのため、いまひとつヒロインへの『哀れな犠牲者』的な同情が感じられにくく、ちょっと感情移入しにくい作りになっているのは気になるところ。


 主人公の周辺の友人や家族のキャラの個性の掘り下げも、前作に比べるといま一つな感じでやや薄さを感じてしまいます。(ヒロインの友人のレズビアン設定とか、本編に全く活かされてないし蛇足だったのでは…(単にジェンダー問題に配慮しただけ?))


 中盤以降の展開も、ちょっと『そんな犯人の都合よく物事が運ばんだろ?』とツッコミを入れたくなるような部分があって、全体的に無理のある流れが多いのも気になるところ。


 ただややネタバレになってしまいますが、ストーカー男の変態性はかなりパワーアップしており、家族へと以上に執着するあまりに母親の死体を冷蔵保存していたり、犠牲者の殺害方法も容赦が無かったりと、キチ●イ度や付きまとい度のエグさが増して、旧作よりもだいぶ恐ろしいキャラになっているのは良い感じ。


 もはや『サスペンス映画のストーカー』というよりも『スラッシャーホラーの殺人鬼』のような雰囲気になってしまっているのは、いかにも『この手の映画のシリーズ3作目の大幅パワーアップ』という感じで楽しませてくれます。


 特に終盤のクレイジーっぷりとか、お話の盛り上がり具合はなかなか良い感じだったので、もういっそサスペンスよりもシリアルキラーもののスラッシャーホラー映画として描いてくれた方が良かったかも?


 あと、相変わらずサメ要素はオマケ程度だったので、もし続編を作るならばもっと殺人鬼のクレイジーっぷりとサメの活躍をガッツリと描いて欲しいところですよ。

 


 総評としましては、順当なパワーアップを図られてて『そこそこ楽しめる内容のシリーズ三作目のサスペンススリラー映画』って感じですね。


 1~2作目が気に入った人であれば、本作もチェックしておいても損は無いと思いますが、ややマンネリ感があるのでそこまで強く推すにはちょっと弱いかなぁ…


 2作目の完成度が割と高かったこともあって、個人的にはちょっと物足りない部分もありましたが、色々と新要素やパワーアップを模索しているのが感じられるので悪くない印象の作品ではありましたよ。

 

映画感想:「サメストーカー ビギニング」(60点/サスペンス)

■■■「サメストーカー ビギニング」■■■
(60点/サスペンス)


 誕生日パーティに、恋人のニックとクルージングしていた女子高生のローラは、沖で泳いでいたところをサメの襲撃を受け恋人を殺され、本人も危機一髪のところをブルースという青年によって救助される。


 彼女を救ったブルースは地元議員の息子で、町の英雄として一躍有名人となってしまう。


 サメの襲撃によって恋人を殺された彼女はショックを受けたものの、命の恩人であるブルースから強いのアプローチを受けて、ためらいながらも徐々に心を開いていくが、ブルースの時折見せる不審な態度に違和感を抱くようになっていき…

 


 「サメストーカー」が『いかにして「サメストーカー」になったのか』という原因となった過去の事件を描いた、サスペンススリラー映画。


 サメを操るストーカー男である「サメストーカー」の誕生秘話を描いた、いわゆる「サメストーカー」の続編で前日譚にあたるお話ですね。


 ぶっちゃけ、前作を観た時には『なんでこのシリーズが3作も作られるような人気作になったんだろう?』という疑問があったのですが、2作目を観てその理由に納得。
 これは前作に比べても、なかなか良く出来たサスペンススリラー映画に仕上がっている印象。


 前作の作中で少しだけ触れられていた『ストーカー男の過去の事件』やら経歴やらが語られる事によって、前作では割と唐突感のあった『サメを使うストーカー男』の設定が無理なく受け入れられるような作りになっていますし、前作ではフワっとした説明だった『ヒロインに固執するようになった理由』も明確に描かれています。


 ストーカー男の異常性やら執着ぶりも前作以上に良く分かる作りになっていて、キャラの掘り下げがシッカリと行われているため、前作に比べて魅力的なキャラへと昇華されているのは良い感じ。


 またストーカー男だけでなく、ヒロインとその周辺のキャラや人間関係なんかもシッカリと描き込まれていて、物語に深みと説得性のある感じの展開になっているのも好感触。


 サスペンスとしての緊張感の持たせ方なんかも良くなっていますし、単純にお話としてのクオリティがアップしたうえに、前作を補完するストーリーとして非常に上手くまとまっています。


 ただ、いかんせん『サメストーカーがサメストーカーになる前の話』なので、当然ながらサメの活躍シーンはほぼ皆無な状態なのは残念なところ。


 あと、お話そのものは面白いのですが全体的に山場となるシーンも少な目で、ちょっとテンポの悪さを感じてしまいましたよ。


 ラストの展開も『「サメストーカー」本編に続く』というオチにはなっているものの、妙に投げっぱなしで前作を観てないとちょっと分かりにくい感じの終わり方だったので、もうちょっと本作のみでも分かりやすいような補完要素があっても良かったんじゃないかなぁ?(前作を先に観ていれば何の問題も無いのですが…)

 


 総評としましては、低予算ながらも『意外と良く出来たサスペンススリラー映画』という感じの作品ですね。


 前作と併せて観る事で魅力の高まる作品だと思いますので、「サメストーカー」を観てやや物足りなさを感じていた人は、本作も見てみると丁度良い感じかもしれません。


 逆に前作を観てないとちょっと中途半端さを感じる内容かもしれませんので、観るのであれば時系列よりはキチンと製作された順番で観るのがオススメだと思いますよ。

 

映画感想:「サメストーカー」(50点/サスペンス)

■■■「サメストーカー」■■■
(50点/サスペンス)


 学生のアリソンは、恋人のカーソンの母親が主催するビーチのパーティに弟と共に参加する事となる。


 しかし、パーティの最中にボート遊びをしていた弟が海に落下しサメに襲われそうになっている現場を目撃。
 弟はすんでのところえお、レジャーボートの船員であるダニエルと名乗る青年によって救出される。


 ダニエルにお礼をするために自宅での夕食に招待し、徐々に親密になっていく彼らだったが、ダニエルは実は過去に恐るべき秘密を抱えた異常に独占欲の強いストーカー気質の持ち主で、徐々にその本性をむき出しにしていくのだった…

 


 サメから家族を救助してくれた恩人が、実はサメを飼いならす恐るべき変態ストーカーだった…という、サスペンススリラー映画。


 『サメから救出してくれた男性が実はサメ使いの変態ストーカーでした』という、なんとも言えないような独特な設定の作品ですが、突飛そうな設定の割には『サメ使い』という要素を除けば『割と普通のストーカーものスペンススリラー映画』って感じのお話です。
 (まあ『サメ使い』って設定だけで十分に個性的ではあるんですが…)


 お話としては『家族を危機から救ってくれた好青年にお礼をしようとするんだけど、実は青年はとんでもない粘着質の変態ストーカーで、付き合いを深めていくうちに徐々にその本性を発揮していくようになり…』みたいな感じの展開。


 『青年が徐々にその本性を明らかにしていくに従い、過去にとんでもない秘密を抱えていた事が判明していく…』みたいな感じの流れなのですが、青年の『変態っぷりの描写』や『徐々に秘密が明らかになっていく構成』は悪くないものの、お話自体はそこまで捻りが無いやや月並みなストーリーという印象。


 本作のウリである『サメ』要素も、アクマで『ストーカー男が使う道具の一つ』程度の扱いで、特にサメの怖さみたいなものが伝わるような内容になっていないのは残念なところです。


 でもまあ本作ならではという個性に弱い部分はあるものの、サスペンス映画としては全体的に及第点を満たした作りなのは悪くありません。


 お話のテンポが良くてサクサクと物語が進んでいくのは良いですし、主人公の粘着気質とか変態テイストもそれなりにキチンと描かれてはいますし、ストーカー男が家族へと取り入っていくプロセスも不自然さが無く、ストーカー男以外のキャラクターもシッカリと描かれているのて、総じて違和感なく楽しめる作りなのは良いですね。


 ただ、『サメ要素』がいま一つ個性として活かしきれておらず、ぶっちゃけ『サメ』の要素が無ければ『あまり印象に残らない地味なサスペンス映画』となってしまいそうな内容だったので、もうちょっと『サメ』をシッカリと活かしたようなギミックやら面白さが出せていればなぁ…と思わされるような映画でしたよ。

 


 総評としましては、可も不可も無い『平均点的なレベルのストーカーものサスペンススリラー映画』って感じの作品です。


 悪くは無い出来のサスペンス映画ではあるのですが、『奇抜な感じの設定に惹かれて観るとちょっと肩透かしを食らわされるかも?』というのが正直なところ。


 なんか既に続編や前日談も販売が予定されているようなので、次回作ではこの辺が改善されている事に期待して、チェックしてみようかと思いますよ。

映画感想:「ティル・デス」(55点/サスペンス)

■■■「ティル・デス」■■■
(55点/サスペンス)


 妻の不倫により冷めきった破局寸前の夫婦であるエマとマークは、11年目の結婚記念日を夫の準備した人里離れた湖畔の別荘で過ごす事となる。


 そこで『結婚生活をやり直したい』というマークの告白を受けたエマは夫の態度に感動して心を許すが、その翌朝に目を覚ますと自分が夫と手錠で繋がれている事に気づく。


 混乱する彼女の目の前でマークは拳銃自殺を遂げ、夫の死体と繋がれたままになった彼女は、マークの残したメッセージから夫が自分への復讐のためにこの計画を準備した事を知る。


 彼女は夫の死体を引きずりながらも雪に閉ざされた湖畔の別荘からの脱出を図ろうとするが、携帯電話が壊されたうえに自動車からは燃料が抜かれている事を知り…

 


 夫の死体と共に雪に閉ざされた別荘に軟禁される事になった女性が、なんとかして脱出を図ろうとする…という、サスペンススリラー映画。


 『雪に閉ざされた別荘で、夫の死体と繋がれて脱出不可能になった妻』という設定だけ聞くと、なんとなくワンシチュエーション系のソリッドサスペンス映画のような印象を受けますが、実際の中身の方は割と普通のクライムサスペンス映画という感じの内容の作品です。


 お話としては『結婚記念日に雪山の別荘で自殺した夫の死体と繋がれた女性がなんとかして脱出を図ろうとするんだけど、夫によって仕組まれた第2の罠によって不審な人影が彼女の元に迫るのだった…』みたいな感じの展開。


 『夫の死体と繋がれたまま脱出を図る』という序盤の設定は非常に個性的で、先の展開が読めない感じの内容で非常に面白いのですが…


 設定からてっきり、S・キング原作の「ジェラルドのゲーム」(人里離れた別荘で手錠を使ったSMプレイの最中に男性が心臓発作で死亡し、死体と一緒にベッドに拘束されたままになる)みたいな感じの尖った設定のシチュエーションスリラーなのかと思いきや、そういう『特殊な設定』なのは割と序盤のみ…


 ちょっとネタバレになってしまうのですが、中盤からは『夫の残した財産を狙う強盗』みたいなのが現れて、ごく普通のクライムサスペンス映画になってしまうという微妙に肩透かしな感じの作りなんですよね。


 まあ普通のクライムサスペンスとは言っても、クライムサスペンス部分の出来が悪いわけではなくて、そこそこ楽しめる内容に仕上がっているのは良いところ。


 サスペンスとしての緊張感の煽り方やら危機感の演出も上手いですし、間の取り方なんかも上手くて冗長さが無いため観ていて退屈しない作りにはなっています。


 中盤あたりまでにちょっとグテグテ感はあるものの、後半の展開は非常にスピーディでテンポも良くて面白いですし、『浮気した妻に復讐したいがために、そこまで念入りにお膳だてするのかよ?』って感じの夫の執念のようなものも怖くて、意外と楽しめる内容にはなっています。


 むしろ『序盤を尖った展開にしすぎたせいで、後半が普通過ぎて物足りなくなってしまった』感があるのは、ちょっと残念な感じですね。


 導入部分をここまで尖った設定にするなら、後半ももうひと捻りあるブラックな感じのノリの方が良かった気がしましたよ…

 


 総評としましては、『悪くは無いんだけど、ちょっと物足りなさの残るサスペンススリラー』って感じの作品ですね。


 『夫の死体に繋がれる妻』という特殊なシチュエーションに魅力を感じて鑑賞すると、やや肩透かしを喰らわされてしまう可能性があるので要注意という印象。


 まあ物足りない部分はありつつもサスペンスとしては普通に楽しめる内容ですので、気になるのであればチェックしておいても損は無い一本ではないかと思いますよ。