NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ガーディアン・エンジェル 洗脳捜査X」(45点/サスペンス)

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■■■「ガーディアン・エンジェル 洗脳捜査X」■■■
(45点/サスペンス)
 
 1951年、ナチスの占領から解放されて6年後のデンマークコペンハーゲンで、一人の元ナチスの青年による銀行強盗が発生する。
 
 犯人は、たまたま近くに居合わせたアンダース刑事の追跡によって逮捕されるが、アンダースは事件の真相を捜査するうちに、犯人の青年パーレが数年前に刑務所で一緒に過ごした、元ナチスのニールセンが共犯者ではないかという疑惑が浮かび上がる。
 
 アンダースは、催眠術に精通したニールセンがパーレに催眠をかけて強盗を行わせたのではないかと考え、精神医学の権威であるダブロウスキー博士の協力を得てニールセンの罪を立証しようとするが…
 

 戦後間もないコペンハーゲンで発生した『催眠術によって行わせられた奇妙な銀行強盗事件』を題材としたミステリー系のサスペンス映画。
 
 字面だけ見ると、なんとなくファンタジー系のホラー映画みたいなタイトルですが、実際の中身の方は現実にあった事件を題材にした『実話をベースとしたサスペンス作品』で、割とマジメな内容のお話です。
 
 主題としては『犯人が催眠術で事件を起こさせた場合に、いかにしてその証拠を見つけ出し犯人を罪に問う事ができるか』といった要素を中心にお話が進んでいく感じで、それに加えて戦後間もない当時の社会背景やら、主人公の家庭の事情や過去のトラウマやらが絡んでくるというような展開。
 
 ノリとしては、謎解き系サスペンスに社会派ドラマと人間ドラマを組み合わせたみたいな感じなのですが、全体的にはサスペンス要素が強めでそこまでマジメすぎる印象でもない、割とエンタメ寄りの作品といった感じです。
 
 『催眠術で犯罪を行った真犯人の罪をいかにして立証するか』という部分がお話のキモとなっており、精神学者と刑事がなんとかして『犯人の青年にかけられた催眠術』を解いて真相を究明しようとしていくのですが、座学的な心理学の謎解きがメインとなっているためどうしてもお話の展開が地味目という印象。
 
 まあ、お話自体は割とシッカリと作られていると思うのですが、社会派的な要素もそこまで濃くないですし、ラストのどんでん返し的な展開も矢鱈とアッサリしてますし、どうにも内容の薄さ…というよりも『味付けの薄さ』が目に付いてしまいます。
 
 面白くない訳ではないのですが、全体的に物足りない印象が強い内容だったので、味付けの薄さを補うために主人公と犯人のキャラをもっと濃くするとか、盛り上がるような派手な展開を盛り込むとか、何か濃い目の要素があれば良かったんじゃないかなぁ…という感じでしたよ。
 

 総評としましては、『悪くはないんだけど物足りなさが目に付いてしまうサスペンス映画』という感じの作品です。
 
 映画そのものは薄味ながらも普通に観れるレベルの完成度という感じなので、犯罪捜査系のミステリーが好きならばそれなりに楽しめる内容ではないかと…
 
 そこまで強く推すほどの要素も無いですので、気になっているならばチェックしてみるかどうかは『まあお好みで』という感じの一本ではないでしょうか。