■■■「超 感染 ファイナル・デッド」■■■
(50点/モンスター)
(50点/モンスター)
企業のボスのお抱えの運転手であるジャックは、とあるホテルの上層階のスウィートルームで行われる地元有力者との昼食会にボスが参加する事から、ボスのリッチをビルまで送り届けて地下の駐車場で待機する事となる。
しかし、その直後に街では謎の感染症が発生。
人間が次々とゾンビ化しホテルの内部にもゾンビが侵入して、ホテルは大パニックに…
ボスから救援要請を受けた彼が金属バットを片手にビルの上階へと駆け付ける事で、なんとかしてゾンビを撃退する事に成功した彼らは、安全と思われる民兵の軍事基地を目指して移動を開始するが…
中国のとある街でゾンビウィルスによるパンデミックが発生し、ホテルのスウィートルームに閉じ込められた地元議員やら記者やらがなんとかして脱出を図ろうとする…という、中国製のゾンビものモンスターホラー映画。
少し前に韓国で「新感染 ファイナル・エクスプレス」という、列車を舞台としたゾンビ映画がヒットを飛ばしたので、その類似タイトル(というか邦題で勝手に類似タイトルを付けちゃった)という感じですが…
こちらは中国製の作品のため、当然ながら「新感染」の方とは何の関係もない作品となります。
というか『アジアが舞台』で『高速移動タイプのゾンビ』が登場するという以外は、テイストとかにも特に似ている部分もありません。
お話としては、『ゾンビの発生によって閉鎖環境に閉じ込められた主人公たちが、何とかして脱出を目指す』という非常にオーソドックスな展開という印象。
ビルの上層階に閉じ込められた主人公たちが、運転手だったり記者だったり地元の議員だったりと、地位も年齢も異なる老若男女取り揃えた個性的な編成なのは、どのようにお話が転がって行くかが読めなくて良い感じです。
また主人公たちが、最初はちょっと腹の立つ感じの嫌なキャラクターなのですが、人間ドラマによってキャラの掘り下げが行われたり、極限状態に追い込まれて逆に『良い人』になっていき、徐々に感情移入出来る良い感じキャラになっていくという構成は面白いですね。
この人間ドラマの濃さとキャラの立て方は、本作の良く出来ている部分ではないかと…
ただ中国が舞台で一般人が主人公なだけあって、そこまで派手な銃器やらが登場しない事や、大規模なパニックがあまり描かれない事もあり、全体的に派手さには欠ける印象。
猛スピードで追いかけてくるゾンビの群れはそこそこ迫力があるものの、そもそも全体的にゾンビの出番が多くなくて影が薄めで、むしろゾンビを閉じ込めてた『無法者集団』みたいなのの方が怖いという印象が強い感じでした。
ただ、まあこれは『怖いのはゾンビよりも人間』というゾンビ映画の定番的な展開とも言えるかも?
あと前述のとおり人間ドラマ部分が濃い事もあって全体的なテンポがやや遅めで、ちょっと冗長な部分が気になるんですよね…
終盤の展開とかは割と熱くて良い感じではあったので、パニックシーンやゾンビとの戦闘にもうちょっと見せ場とカタルシスがあれば、もっと良くなっていたんじゃないかなぁ?
総評としましては、良くも悪くも『オーソドックスな雰囲気と完成度のゾンビ映画』って感じの作品です。
強く推すほどではないものの、そもそも中国が舞台のゾンビ映画そのものが少ないので気になるようであればチェックしてみても良いかもしれません。
まあ全体的には悪くない出来という感じの作品なので、その辺は『お好みで』という感じでしょうか…