■■■「マーダー・ミー・モンスター」■■■
(35点/サスペンス)
(35点/サスペンス)
アルゼンチンの寂れた山村で、首無しの死体が発見されるという猟奇的な事件が発生。
地元警察のクルスは不可解な事件に頭を悩ませながら捜査を開始するが、ほどなくして彼の不倫の相手であるフランシスカが同じような殺害方法で首無し死体となって発見される。
警察は現場付近に居た彼女の夫であるダビドを容疑者として逮捕するが、ダビドは精神を病んでおり、頭の中で『私を 殺せ 怪物よ(マーダー・ミー・モンスター)』という声が繰り返し聞こえるという奇妙な供述を行う。
また死体を検死したところ、死体の頭から巨大な生物の牙のようなものが発見された事から、クルスは事件に『人知を超えた存在』が関わっているのではないかと疑いを抱くようになるが…
アルゼンチンの山村で猟奇的な連続殺人事件が発生し、地元警察が事件を追ううちに『恐るべき秘密』に辿り着くという、サイコサスペンス映画。
アルゼンチン製のサイコスリラーで、雰囲気映画的なテイストを持った『理不尽系作品』という感じの内容ですね。
かなり特殊な内容のため、ネタバレなしで感想を書くのが困難なためネタバレを含んだ感想を書かせていただきますが、むしろ自分の感想としては『ネタバレできるほど本作を理解できなかった』というのが正直なところ…
予告を観た感じ『モンスターが絡んだサスペンススリラーかな?』と思っていたのですが、実際のお話の方は本格的な謎解きサスペンスとか、謎の怪物が登場するモンスター映画という感じではなく、主人公たちの内面を描いたような心理ドラマが中心と言った感じ。(怪物も一応は登場するのですが、「ポゼッション」のように主人公たちの心理を題材としたメタファーのような印象。)
メインの展開としては内面ドラマを中心に、特に大きな事件も起こらないまま雰囲気映画とか理不尽映画的な演出でお話が進んでいくため、雰囲気そのものは悪くないのですが非常にスローテンポでどうにも退屈な内容です。
ノリとしては欧州映画をもっと泥臭くしたみたいな感じなのですが、南米の辺りは欧州と文化圏が近いところも多いので、なんとなく納得な印象かも?
作中に『私を殺せ怪物よ(マーダー・ミー・モンスター)』という言葉やら、地図や地形に隠されたシンメトリーな図形、性器のような姿をした怪物等、色々と何かの暗喩(メタファー)的なものが登場するうえに、お話の中でさいさい『心理学者によるカウンセリング』的なシーンが出てくる辺りからして、なんとなく『心理学的なメタファーが込められた作品』ではないかと思うのですが…
終盤の展開とかオチとかも唐突過ぎて、自分の知識や理解力では全く意味が分からず、個人的には単に『テンポの遅くて良く分からない雰囲気映画』という感じでしたよ。
まあ、理不尽系作品でもデヴィッド・リンチ監督とかぐらい突き抜けてれば『これはそういうものなんだ』と諦めがついて素直に雰囲気を楽しめるのですが、本作はそこまで突き抜けている訳でも無くて、何か最後までモヤモヤ感ばかりが残ってしまう作品でした。
総評としましては、独特なテイストを持った『雰囲気映画的な理不尽系サイコスリラー映画』って感じの作品ですね。
理解するために特殊な知識もしくは強い感受性が必要な作品かもしれませんので、そういった考察系の作品や理不尽系映画が好きな人であればチェックしてみても良いかもしれません。
自分のように『分かりやすいエンターテインメント系の作品』が好きな場合には、あまりオススメは出来ない内容となっておりますので、そういう作品を期待してる場合はスルーしてしまっても良いかもしれません。