NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「グラバーズ」(55点/モンスター)

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■■■「グラバーズ」■■■
(55点/モンスター)

 ある日、アイルランドのエリン島の沖に、空から海中に奇妙な物体が落下。
 その直後から、海岸に大量の傷だらけのクジラの死体が打ち上げられるという奇妙な現象や、村の住人が次々と行方不明になったり何者かに惨殺されるという事件が起こり始める。

 時を同じくして、ロブスター漁の漁師が『ヒトデとタコを合わせたような正体不明の吸血生物』を捕獲するが、怪物が人間を襲う凶暴な性質を持っている事から警察はこの怪物こそが事件の犯人だと考え怪物を「グラバー(つかむ奴)」と命名して調査を開始する。

 調査の結果、海岸沿いの洞窟で大量の怪物の卵と巨大な成体を発見した彼らは、このままでは村の住人たちが危ないと考え、怪物への対策を立てようとするが…



 アイルランドの漁村を宇宙から飛来した正体不明の吸血生物が襲うという、イギリス製のモンスターホラー。

 まず『「グラバーズ」って何だよ、グラバー園と関係があるのか?』とか思ったのですが、どうやら『つかむ(GRABする)者』という意味で『触手モンスター』の事を現しているようですね。
 狙ってか偶然か、なんとなくトレマーズ」っぽいタイトルを意識してる感じなのが、B級映画の更に二番煎じ的な印象で何ともはや…

 映画の中身の方は、一応「サンダンス映画祭」に出展された作品のようですが特にコレといったインパクトのあるような内容では無くて、なんというか良くも悪くも『普通のB級モンスター映画』って感じの作品ですね。
 (本作に限った話では無いですが、TSUTAYAの独占レンタル作品って『売り文句』の割には中身はたいした事が無いものが多いと言う印象が…)

 とはいえ映画の完成度はそこまで低くないですし、お話自体はモンスター映画のテンプレートに沿ったような感じなのですが、いまどきのモンスター映画にしてはモンスターを出し惜しみする感じの構成のお陰で、序盤~中盤にかけてのテンポの悪さが気になるところ。

 そこまでモンスターの出現シーンを引っ張るような要素のある内容でもインパクトのあるデザインでも無かったので、もうちょっと序盤からバンバンと画面に登場させても良かった気がしますよ。

 モンスターのデザインはタコとヒトデを合わせたような感じで、アメコミとかSF小説とかクトゥルフ神話の挿絵とか背景に居そうな定番のデザインといった印象。
 まあ確かにこういうタイプのモンスターを主役にした映画ってあまり無かったと思うのですが、あまりにも定番すぎる感じなのでデザインにもう一捻りあっても良かったかも?

 肝心のモンスターの襲撃シーンもあまり怖さや面白味が無くて、どうにもインパクトに欠けます。
 出番の多く無さも合わせて、今ひとつ緊張感が感じられない展開になってしまっているのが辛いところででしょう。

 また、怪物の弱点に『血中アルコール濃度』を設定したアイデアは面白かったと思うけど、怪物に襲われないようにするために『全員がグデグデに酔っ払って戦う』ってのはいかがなものか…

 ただでさえあまりテンポの良くない展開が酔っ払ってるせいで更にグデグデになってる感じで、終盤に少しイライラしてしまったのは自分だけですかね?
 (まあ『イギリス人らしいコメディのセンス』と言えば、そうなのかもしれませんが…)

 あと、ラストのモンスターとのバトルシーンとかは割と盛り上がるんだけど、全体的にモンスターの登場シーンにちょっとボリューム不足な部分があるのは残念なところでした。


 総評としましては、いわゆる『可も不可も無い感じのB級モンスターホラー映画』って感じの作品かなぁ?

 コレといってインパクトは無いものの『割と手堅く出来ている』ので、サラっと観るぶんには普通に楽しめる印象。
 (ただ酷評するほどでは無いんだけど、あちこちに微妙に不満点があるような感じ…)

 モンスター映画が好きならばそこそこ観れる内容だと思いますので、その手の作品が好きで気になっているのであれば『とりあえずチェックしておいても良い程度の一本』だと思いますよ。