■■■「ピラミッドの呪い」■■■
(55点/モンスター)
2013年、カイロの周辺の砂漠で砂に埋もれていたピラミッドがアメリカの考古学者であるホールデン親子によって発見される。
それはエジプト王朝よりも古い時代に作られたもので、他のピラミッドと異なり三角錐の形状をしているという奇妙なものだった。
ピラミッドの頂上付近に入口を発見した彼らは、調査の為にTVの撮影スタッフと共にピラミッドの内部へと侵入するが、調査中の落盤事故によって遺跡の奥深くに閉じ込められてしまう。
なんとかして遺跡からの脱出を試みる彼らだったが、調査中に闇の中から現れた正体不明の生物の襲撃を受け…
新発見された古代文明のピラミッドに閉じ込められた調査チームの面々が正体不明の怪物の襲撃を受けるという、冒険映画風味のモンスターホラー映画。
最近ときどき見かける『オンライン配信専用』の作品で、「ヒルズ・ハブ・アイズ」や「ピラニア3D」のグレゴリー・ルヴァスール監督の新作という事ですが…
わざわざオンライン配信専用にされるだけあって、この監督にしてはパンチが弱めの作品という感じですね。
と言っても流石はルヴァスール監督だけあって、まあそこそこ楽しめる内容の作品にはなってはいます。
お話としては、『新発見された超古代のピラミッドに侵入した調査チームの面々が遺跡の中で罠にハマったり怪物に襲われたりする』という、冒険映画的な要素の強めのモンスター映画って感じの内容。
お話の多くの部分がPOV形式で撮影されており『モキュメンタリー風味の遺跡探検もの』というテイストにはなっているのですが…
明らかにカメラの視点とは違う方向からのカットとかも各所に散見されますし、特にPOVである事が効果的に使われているような要素も無いので、『別にPOV形式を採用する理由が全く無かったんじゃないだろうか』という気がしたのは自分だけですかね?
(単に予算削減のためだけに使われたのかもしれませんが…)
内容的には先述のとおり『遺跡探検』+『モンスターもの』という感じの構成で、閉じ込められた遺跡から『罠を切り抜けながらの脱出』という要素に加えて『謎のモンスターの襲撃』の要素もあって、色々と盛り沢山なホラー映画という印象。
ただ盛り沢山な要素を詰め込んでいる割には、いま一つテンポが悪くて特に最近の映画にしては序盤~中盤でのモンスターの出し惜しみが酷くて、観ていてちょっとイライラさせられます。
モンスターの襲撃シーンやトラップのシーンもあまりインパクトが無いのに加えて、遺跡に侵入するのも5人のみなので見せ場となるシーンの数も少なく見どころとしては弱いのも残念なところ。
この監督は割と過激な描写に定評がある監督なので、もっと登場人物を増やしてトラップとか襲撃シーンでもうちょっと凝った過激なシーンを思い存分見せて欲しかったですよ。
ただ不満な要素もあるものの、終盤の謎解きシーンなんかはなかなか面白いですし、モンスターの正体も意外性があって良い感じでしたので、全体的にもうちょっと見せ場があれば申し分ない映画という感じでしたよ…
総評としましては、冒険ものとしてもホラーとしてもそこそこ楽しめるんだけど、『どうにも食い足りなさの残る作品』という感じですね。
何も期待せずに鑑賞すれば『そこそこ楽しめるホラー映画』って感じだと思いますが、いつもの同監督の作品と比べると『物足りなさを感じずには居れない新作』ってところですかねぇ…
気になるならばチェックしてみても損は無いタイトルだと思うのですが、オンライン専用のためこの映画のために環境を整えるほどの作品でもないですので、普段からオンライン配信映画とかを良く観てるような人ならば、ついでにチェックしておいても良い映画だとは思いますよ。