■■■「モンスター・トーナメント 世界最強怪物決定戦」■■■
(50点/モンスター)
ある日、世界中から召喚された8匹のモンスターが最強の座を欠けて戦うという格闘技大会が開催される事となる。
その大会とは、アンデッド陣営からは、ミイラ男、レディ・ヴァンパイア、ゾンビマン、フランケンシュタイン。
クリーチャー陣営からは、サイクロプス、ウィッチ・ビッチ、スワンプ・ガット、オオカミ男といった、それぞれ4匹のモンスター達がトーナメント形式で戦い、リングの上でデスマッチによって雌雄を決するというものだった。
全てのモンスターが各地より召還され、寂れた墓地に設営された特設リングの上で死闘を繰り広げる事となるが、彼らの戦いの影響で墓地には思わぬ事態が発生する事となり…
世界各地から集められたモンスターが特設リングの上で格闘を繰り広げるという、コメディ風味の
アクションホラー映画。
タイトルやパッケージを見てもどんな内容の映画なのかサッパリ分からない感じの作品ですが、簡単に言ってしまうと『WWE(アメリカンプロレスのエンタイテイメント団体)のTV番組のノリを、そのまんま歴代モンスターでやってしまおう』という、ホントにそれだけの作品です。
ストーリーらしいストーリーは全く無くて、シーンの構成なんかもまんまWWEそのものといった感じの印象。
各モンスター(選手)の登場の前には、『モンスターの紹介』や『戦いに参加する事になったいきさつ』が描かれたPVが流れたり、試合の前に選手によるマイクパフォーマンスみたいなのがあったりと、ノリもホントにそのまんま。
試合の最中にセコンドがリングに乱入するという茶番があったりとかも、実際のWWEとかのノリを物凄く意識して作られているので、そういった格闘技番組とかが好きであればなかなかニヤリと出来る内容ではあります。
ただ『モンスターが格闘する』という設定の割には戦いの内容はまんまプロレスで、特撮のレベルが安っぽいのも加わって、殆ど『モンスターのコスプレをしたレスラーたちが戦っている』という風にしか見えないのは残念なところ。
(まあ、狼男が4の字固めを極めたり、ミイラ男がラリアットをしたりするのは、シュールで笑える部分でもあるんですけど…)
一応、スワンプ・ガット(沼男)が毒液を吐いたり、ミイラ男が首飾りから変な光線を出したりと、若干の固有技みたいなのを使ったりもするのですが、もうちょっとモンスターの特徴を活かして派手な戦いを見せてくれればグッと面白い作品になったんじゃないかと思うのですけど、やっぱ予算的に厳しかったんですかねぇ?
でも、サイクロプスが目からレーザーを出して戦うのは、ちょっと笑ってしまいました。
いやいや『目からビームを出すサイクロプス』は、ギリシャ神話のサイクロプスとは関係ないだろ!(笑)
あと、どうせWWEを意識してお話を作るのなら『団体の社長のところに殴りこみをかける』とか『駐車場で襲撃する』とかの、お馴染みのノリも再現して欲しかったかなぁ?
(流石に設定や尺的にちょっと無理があったのかもしれませんが…)
まあ途中で『墓場からゾンビが大量に出てくる』って展開は、なかなか下らなくて良かったですけど…
キャラクターに関しては、もともと『超有名モンスター』ばかりなのでキャラ立ては問題ないのですが、加えてキチンとそれっぱい参戦の理由付けがされてるのはなかなか面白かったです。
ただ、基本的にプロレス番組のパロディなので『ストーリーに関しては無いも同然』なのは仕方ないにしても、オチが物凄い投げっぱなしなのは『もう一捻り』が欲しかったかなぁ?
(途中で聞こえてた『天の声』みたいなののモンスターがラストに登場すると思ってたのに、結局良く分からないままだったし…)
総評としましては、モンスター映画やホラー映画として観ると内容・特撮レベルともに辛いものがあるのですが、WWEとかアメリカンプロレスのパロディとして観るならば『まあアリかな?』と言った感じの作品ってところでしょう。
良くも悪くも非常に『アルバトロス映画』らしい作品と言えるので、 普通にモンスター映画を観たい人には全くオススメしませんが、そういう『変わったノリ』が好きな人や『ネタ映画』を求めている人であれば、観ておいても損は無い一本ではないでしょうか?
流石にこの映画に続編が作られる事は無いと思いますが、キチンとした特撮レベルの映像や特殊効果を使って作られた本作を観てみたい気もするので、出来れば人気が出て『予算を確保した続編』を作ってみて欲しいものですよ…