■■■「SNS 殺人動画配信中」■■■
(25点/サスペンス)
父と二人で暮らすスマホ中毒の17歳の少女シベーリは、ちょっとエッチな自撮り動画をネットにアップすることでSNSの人気配信者となっていた。
そんなある日、父が留守のタイミングを見計らった彼女は、友人のダイアナを呼んで二人で秘密のお泊りパーティを開く事となる。
お酒を飲んだりパーティの様子を動画配信したりと盛り上がった彼女は、薬の売人である自分のフォロワーの男にドラッグを無心。
ドラッグを受け取ってすぐに追い返そうとするも、家に上がり込んだ男にレイプされそうになってしまい…
アングラSNSの人気動画配信者の少女が、友人とのパーティーの様子を配信中に思いがけないトラブルに巻き込まれる…という、サスペンススリラー映画。
ほぼ『スマホ自撮り(直撮り)映像』のみで構成された、いわゆる一発アイデア系のシチュエーションスリラー映画なのですが、なんというかアイデア先行のみで全く中身のない『ダメなタイプの超低予算映画』とでも言いたくなるような作品です。
何がダメって、とにかくお話の展開が猛烈に遅くてダルい事。
80分程度の映画なのですが、事件がマトモに動き出すのが本編を50分以上過ぎた辺りからで、それまでは女の子2人がダラダラをダベりながら動画の配信をしているのを見せられるだけという、恐ろしく中身のない展開。
二人が配信している動画も『ちょっとエロい感じをウリにしてアクセス数を稼いでるだけの中身のない配信者』という感じの内容で、配信映像自体が全く面白くもなくて、観ていて途中から『何の苦行を課せられているんだ?』という気持ちになってきます。
ぶっちゃけ、本編開始から40分ぐらいは早送りしてしまっても、あんまり影響がないレベルという印象です。
一応、前半のパーティーのシーンとかで主人公たちのキャラの掘り下げなんかが行われたりするのですが、そこまで長い尺を取る意味が分からないですし、掘り下げられた主人公のキャラも『大人をナメ切っているクソガキ』という感じで、1ミリも感情移入できないようなキャラなんですよね。
(まあ、そういう『クソガキ』がトラブルに巻き込まれるという展開が、ある意味でカタルシスがあるとも言えるのですが…)
またお話が動き出してからの展開は、非常にスピーディで風雲急を告ぐような急展開という感じになるのですが、その展開も伏線がたいして活かされている訳でもなく、あまりにも唐突な感じで盛り上がりに欠けるのは困りもの。
終盤は逆に展開が早すぎて『なんのこっちゃ』って感じになってしまって緊張感が薄いので、最初のダラダラしたシーンを30分ぐらいにまとめて、残りの尺をスリラー的な部分に割けばもっと普通に観れる作品になったんじゃないかなぁ?
総評としましては、悪い意味で『最初から最後まで観るのが辛いサスペンススリラー映画』って感じの作品です。
SNS向けの自撮り映像のみで作られた『一発ネタ的な映画』という意味では見どころも無くはないですが、そういったアイデアの映画は割と既に沢山あって目新しさも無いですしね。
ぶっちゃけ、あまりオススメするような要素は見当たらないですので、普通にスルーしてしまって問題のない一本ではないかと…