NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「バクラウ 地図から消された村」(55点/サスペンス)

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■■■「バクラウ 地図から消された村」■■■
(55点/サスペンス)


 テレサは村の長老であるカルメリータの死をきっかけに、ブラジルの田舎にある故郷の村バクラウに戻ることとなる。


 しかしバクラウは、村を支配しようと目論む市長候補のトニー・ジュニアの妨害工作によって危機に瀕していた。


 更には長老の葬儀を境として、バクラウの村がインターネット上の地図から消滅したり、円盤のような謎のドローンが飛び回ったりと奇妙な現象が続発するようになり、更には外れで牧場を経営する一家が何者かによって惨殺されるという事件が発生し…

 


 ブラジルの片田舎で、村を消滅させようと目論む謎の勢力と村人たちとが決死の攻防を繰り広げる…という感じの、バイオレンススリラー映画。


 なんとなくパッケージやら設定だけ見て『不条理系カルトホラーみたいなノリの作品かな?』と思っていた(パッケージにUFO飛んでるし)のですが、割とガッツリと濃い感じのバイオレンス系の作品でした。(※ちなみにUFOは、ならず者たちの偵察用ドローンです。)


 なんというか、中南米の田舎町はこんな事件が日常茶飯事のように起こっているんだろうか…とか考えると、中南米怖すぎだろ』と言う感想以外に抱きようが無いようなお話という印象。


 簡単に言えば村人たちとならず者軍団との抗争を描いた話なのですが、タランティーノ作品とかのようにバイオレンスの描写が非常にドライで、殺す側も殺される側も物凄く淡々としてるシーンが多くて、大げさに描いていないが故にリアルな狂気が潜んでいる感じなのが不気味で怖いです。


 まあ流石に日常茶飯事という事は無いのでしょうが、『現実にこういう事件が起こってそう』と感じさせられるような、妙なリアリティがあるのは良い感じですね。


 お話としては、一応は『村を攻撃しているのは何者か、またその黒幕の目的とは?』みたいな部分が謎解き的に進んでいくのですが、ぶっちゃけ『一番怪しい奴』が『一番ありそうな動機』で普通に黒幕なので特に意外性も何もありません。(むしろ序盤で、黒幕が『謎』っぽい描き方をする意味なかっただろ。(笑))


 また最初に主人公っぽく登場したヒロインが、お話的に特に大した立ち位置でもなく、全体的に登場人物全員のキャラが薄め。


 まあストーリー性はさておき、ドライで容赦のない感じの展開は、いかにもバイオレンス作品らしくて良い味を出してはいるのですが、逆に淡々とし過ぎてお話が平板に感じてしまったのは気になるところかも?


 ラストのならず者たちのの襲撃シーンに関しても、もうちょっと派手に盛り上がる展開があっても良かった気がしますよ。


 ともあれ、ブラジルとか中南米の田舎の町で田舎者をなめてかかってると恐ろしい目に逢わされるというのが良く分かった気持ちになる作品でしたよ。

 


 総評としましては、ドライで不気味なテイストの『そこそこ楽しめるレベルのバイオレンス風味サスペンス映画』という感じの作品ですね。


 バイオレンス系の映画が好きであれば、それなりにツボに刺さる部分もあると思うので、そういう作品が好きであればチェックしてみても良いかもしれません。


 強く推す程ではないもののまあまあ普通に楽しめる内容ではあるので、ジャンルに興味があれば『お好みで』といった感じでしょうか。