■■■「ロックダウン・ホテル 死・霊・感・染」■■■
(20点/パニック)
新型のインフルエンザが猛威を振るうアメリカ。
夫と幼い娘と共にホテルのホテルに泊まる事となったヴァルは、同じホテルに宿泊する、出産を間近に控えたナオミと出会う。
恋人と別れて一人で子育てをする事になったというナオミの境遇に共感する彼女だったが、一方でヴァルも夫のDVから逃れるために、隙を見つけてホテルから逃げ出そうと画策していた。
しかしそんな矢先に、ホテルで感染した人間の精神に異常を起こすという謎のウイルスのパンデミックが発生。
ヴァルは感染から逃れるために、娘と共にホテルから逃げ出そうとするが…
とあるホテルで発生した正体不明の感染症によって引き起こされる恐怖を描いた、ウィルスパンデミックもののパニックホラー映画。
いわゆる『謎のウイルスによるパンデミックの恐怖』を描いた感染症パニック映画という感じなのですが、なんというか恐ろしく地味な内容の低予算パニック映画という感じの作品ですね。
お話としては、『とある女性が夫と娘と共にホテルに泊まった際に、DV夫から逃れるために逃げ出そうとするんだけど、そんな矢先にホテルで正体不明の殺人ウイルスによるパンデミックが発生してしまい…』みたいな感じの展開。
予告やら作品の解説文を見ると、いかにも『ゾンビものとかオカルトもののハイブリット作品』のような雰囲気を漂わせているのですが、実際の作中ではそういった要素は殆ど無し。
『謎のウイルスによるパンデミック』が発生するまでの展開も無駄に長くて全体的にダラダラしたシーンが多くて、どうにも退屈な作品という印象です。
パンデミックが発生した後も、感染した人たちが廊下に倒れて血を流したり痙攣したりしてるだけでマトモなパニックホラー的な要素は殆ど無く、その状況に勝手にビビり散らかして脱出できなくなる主人公の行動もちょっと意味不明。
というか、感染した人たちは特に主人公たちの行く手を阻むような行動を取ってる訳でも無いので、普通に脱出してれば5分ぐらいで片が付くような内容ですし、そもそもホテルの廊下に感染者がバタバタ倒れてるんだから、主人公も脱出するよりも先にホテルのロビーなり救急なりに連絡しろよ…としか言いようがありません。
ちなみにタイトルの『死霊感染』的な要素としては、ウイルスに触れた主人公が幻覚のようなものを観るシーンがあるのですが、その辺もあまり掘り下げて解説される訳ではないので、何が死霊なのかいまひとつ良く分かりませんし、ラストで一応は謎解きとして『主人公たちが巻き込まれた事件の全容』がニュース映像みたいなので解説されるのですが、ぶっちゃけ『だから何だよ?』みたいな感じの内容です。
ただ、メインの登場人物の2人が『DV夫から逃れようとする妻』と『恋人から逃げて一人で子育てをしようとする女性』のな辺りからして、なんとなくそういったもの(抑圧された女性の解放?)のメタファー的な内容になっているのではないかとは思うのですが、ぶっちゃけ説明不足すぎてどういうメタファーになっているのか全く分かりませんでしたよ…
総評としましては、『物凄く地味なうえに何が言いたいのか良く分からないパンデミックものパニックホラー映画』という感じですね。
どうにも退屈で盛り上がりに欠ける内容なので、正直言ってオススメできるような要素は全くありません。
ちなみに、釈由美子さんが助演(主人公が出会う日本人女性)として出演しているのですが、正直なところ『なんでこんな映画に出演しちゃったの?』としか言いようが無いような扱いなので、ファンでもスルーしてしまって良いレベルの作品だと思いますよ。