NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「キャンディマン(2021年版)」(55点/オカルト)

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■■■「キャンディマン(2021年版)」■■■
(55点/オカルト)


 黒人たちの暮らすシカゴの公営住宅である「カブリーニ=グリーン」地区には、『鏡に向かって「キャンディマン」の名前を5回唱えると、右手が鋭利なかぎ爪になった殺人鬼が現れて体を切り裂かれる」という都市伝説が昔から伝わっていた。


 スラム街が取り壊された跡に作られた高級マンションに恋人と共に暮らすグラフィックアーティストのアーティストのアンソニーは、ある日、創作活動の一環として「キャンディマン」を題材とした作品を描くことを考え、その都市伝説の謎を追うようになる。


 調査をするうちに、かつて公営住宅の元住人だという老人と出会ったアンソニーは、「キャンディマン」の都市伝説に隠された過去と驚くべき秘密を知る事になるのだった…

 


 鏡の中から現れる伝説の殺人鬼「キャンディマン」の秘密を追う若者が、その過去に秘められた恐るべき真相へと辿りつく…という、オカルトサスペンス映画。


 一応、1992年に作られた「キャンディマン」のリブート的な作品となっているのですが、ストーリーや設定的にはリブートというよりも「キャンディマン」シリーズの新作という感じの内容になっています。


 お話としては『売れない黒人画家の青年が、「キャンディマン」の都市伝説を知った事から作品の題材として研究をはじめるが、その秘密を追ううちに恐るべき過去と真実へと辿りついてしまう…』みたいな感じの展開。


 ネタとしては、オリジナル版と同様に『鏡の中から現れる殺人鬼』の都市伝説を題材とした作品で、興味本位で『キャンディマンを呼び出す呪文』を唱えてしまった人たちが次々と殺されていくという定番の展開なのですが…


 今回はどちらかというと『主人公が「キャンディマン」の過去に隠された秘密を探る』という部分がメインのストーリーという感じになっており、割とサスペンス要素が強めの内容という印象。


 序盤で明かされるプロットが、今までの「キャンディマン」シリーズと結構異なるため、『あれ、リブートで設定が変わっちゃった?』と思わせておいて、後半でキチンとオリジナル版の設定も回収していくという構成はなかなか面白いです。


 「キャンディマン」も『鏡に映った相手を鏡の中で殺す』という「ジョジョの奇妙な冒険」のスタンドみたいな能力を獲得しており(こんな能力、以前は無かった気がする)、殺害シーンのビジュアルも凝ってて良い感じ。


 オリジナルの「キャンディマン」のエピソードが作中の過去の事件として語られたりと、旧作を絡めてくるストーリー的なギミックも悪くないですし、中盤あたりから明かされていく「キャンディマン」の誕生の秘密に絡んだ展開も意外性があって悪くない印象。


 ただストーリーは面白いのですが、ストーリーに凝っていて尺を多く割いているせいか肝心の「キャンディマン」の出番が意外と少な目なんですよね。


 せっかく殺害シーンとか割と面白い感じなのに、見せ場となるシーンがあまりなくて、肝心の見せ場に関しても取って付けたような印象のシーン(女学生がトイレで襲われるシーンとか)があったりして、なんか無理矢理感があるんですよね。


 終盤の展開もちょっと唐突感がありましたし、この辺はもうちょっと上手く処理して欲しかった印象はありますよ。


 あとリブート企画の割には、旧作を観ていないといま一つお話に分かり辛い部分があるのも、ちょっと気になったところかも?

 


 総評としましては、『まあまあ良く出来たリブート企画もののオカルトサスペンスホラー映画』って感じの作品です。


 旧作を観ている人はなかなか楽しめる内容となっているますので、シリーズを好きだった人なら割とオススメできる一本だと思いますが、本作から新たに見始めた人はちょっと分かりにくい部分があるかも?


 とまれ、オカルトサスペンスとしては悪くない出来の作品ですので、気になるようであればチェックしておいてもよいかもしれません。