NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「シャドウ・イン・クラウド」(60点/モンスター)

■■■「シャドウ・イン・クラウド」■■■
(60点/モンスター)


 1943年、第二次大戦下のニュージーランド
 女性士官のギャレットは密命を受けて極秘の荷物をサモアまで運ぶため、B-17爆撃機に搭乗する事となる。


 乗員の男性クルーたちから不審な目で見られ、後部銃座に隔離されるような形で機内に乗り込む事となった彼女だったが、嵐の中を飛行中に飛行機の翼の上に奇妙な生き物の影のようなものを目撃。


 それ以来、飛行機には原因不明のトラブルが相次ぐようになっていき、やがて彼女は飛行機を破壊しようと暴れる怪物の姿を目にするが、クルーの面々は彼女の言葉を信じようとせず…

 


 戦時中にB-17爆撃機に乗る事になった女性士官が、機械を故障させる謎の怪物『グレムリン』と戦うこととなる…という、戦争アクション風味のモンスターホラー映画。


 飛行機にいたずらをする邪悪な妖精『グレムリンを題材とした作品と言えば、映画版トワイライトゾーン/超次元の体験」の1エピソードが有名ですね。
 本作も、『怪物が嵐の中の翼の上に出現してエンジンを破壊』したりと、割とその辺をリスペクトしてるみたいな印象。


 お話の前半部分が、主人公の女性が爆撃機の後部銃座に閉じ込められて『女性の姿だけが画面に映った状態の会話劇(他のクルーは無線の声のみで出演)』で進んでいくみたいな感じの特殊な構成なのですが、てっきりラストまで同じような構成のワンシチュエーションスリラーでお話が続くのかと思いきや…


 中盤辺りからガラリと展開がかわって、なかなか激しい内容の戦争アクション風味のモンスターホラー映画に突入していくという構成は面白いですね。


 単に主人公たちが『機内(もしくは機上)でグレムリンと戦う』ってだけの映画なのかと思っていたのですが、戦争アクションの要素が思った以上に濃くて、予想以上に派手で迫力のあるアクションシーンがガッツリと観れるのは良い感じ。


 ただ、それでも序盤のシチュエーションスリラーっぽい部分はやはりちょっと退屈で、他の男性クルーたちが『無線の声』だけでしか登場しないこともあって、キャラクターの関係性やら誰が喋っているのかとかが分かり辛く、ちょっとグテグテ感があるのは困りもの。


 同じような展開でも、もうちょっと主要キャラの人間関係や個性が分かりやすいような作りにして欲しかったです。


 逆にヒロインのキャラの掘り下げはシッカリしていますし、『極秘の荷物』にちょっとした秘密があったりと、なかなか捻りの効いた構成になっているのは悪くない印象。


 ただ怪物である『グレムリン』は、コウモリ人間っぽい感じなのですが、ちょっと面白味が少なくて迫力の無いデザインなので、もうちょっと個性があっても良かったかも?


 色々とツッコミどころはある内容ながらも、ラストの想像以上にシュールな展開なんかも含めてなかなか面白くて楽しめた映画でしたよ。

 


 総評としましては、意外と良く出来た『戦争アクション風味のモンスターホラー映画』って感じの作品ですね。


 グレムリン』を題材とした作品自体が少ないですし、第二次世界大戦を舞台とした戦争アクションものとしても悪くない出来ですので、その辺の興味があればチェックしておいても損は無い一本だと思います。


 いかんせん序盤の展開がダルいのは難点ですし、そこそこシッカリ作られているとはいえ低予算風味は隠せないレベルの内容でもあるので、過剰な期待は禁物ですが趣味に合えばそこそこ楽しめる作品ではないかと…