NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ザ・シスト/凶悪性新怪物」(30点/モンスター)

■■■「ザ・シスト/凶悪性新怪物」■■■
(30点/モンスター)


 1962年の12月。
 医師であるガイ博士は、自分で開発したレーザーと怪しげなパワーを利用したおでき除去マシン『ゲット・ゴーン』で特許を取るために、特許審査員に向けておできを除去するデモンストレーションを行う事となる。


 デモのために職員のプレストンの背中にできたおできを薬物で巨大化させた彼は、危険性を示唆する看護師のパトリシアの警告も聞かずにデモンストレーションを実行。


 しかし暴走したマシンの影響によって、おできは独自の生命を持った怪物へと進化し、病院の職員や特許審査員たちへと次々と襲い掛かるのだった…

 


 新型のおでき除去マシーンの暴走により誕生した『おできモンスター』が病院の職員たちを襲う…という、モンスターパニック映画。


 今までも色々な原因でモンスターが誕生する映画が撮られてきましたが、もしかしたら史上初かもしれない『おでき』から誕生したモンスターが人間を襲うというお話です。


 まあ、『おでき』から誕生したモンスターというのは確かに史上初かもしれませんが、男性の尻が独立して怪獣化する「尻怪獣アスラ」とかに比べるとまだ理解できる範囲だと思うので、むしろ本作に限らず現在のB級ホラー映画界のカオスっぷりの方が常識を逸脱している印象。


 内容的にはB級というよりもD級ぐらいの超低予算映画っぷりで、ストーリーの方もハチャメチャ『野心に燃えるマッドサイエンティストの医師が、レーザーでおできを除去するマシンを開発しておできの除去のデモンストレーションを行ったところ、おできが怪物化して人間を襲い始めました』みたいなお話ですね。


 一応、おできを除去する際に、怪しげな薬でおできを巨大化させていたり、除去マシンに『宇宙エネルギー』みたいな謎のパワーが使われていたりして、その辺が原因でモンスター化してるみたいなのですが、あまり深く説明はされておらずに『細かい事は気にすんな!!』みたいな、ノリとイキオイで作られたホラー映画っぽいスタンス。


 実際のところ『おできモンスターが出現したので、なんとかして生き延びて病院から脱出する』という以外にはストーリーらしいストーリーも殆ど無くて、暴れるモンスターから逃げ回る人間たちの姿がダラダラと描かれているだけといった構成です。


 モンスターに関しては『腫瘍がそのまんま着ぐるみ怪人化』したような、もし「バロムワン」の怪人に『おできゲルゲ』が存在したら、きっとこんなデザインだろうみたいなモンスター(若い人には分からんか?)で、なかなかグロくて尖ったデザインではある印象。


 コイツがお約束な感じに触手やら溶解液とかを使って人間を襲いまくるのですが、登場人物が少ないせいなのか予算の都合なのか意外と出番は控え目で、見た目の割にはいま一つ印象が薄いのは残念なところ。


 ストーリーに関しては、むしろ暴れ回るモンスターよりも『異常に独善的なマッドサイエンティストの医師』と、『常識人で医師に苦労ばかりかけられている看護師(主人公)』の対立の方がむしろメインに描かれている感じで、このキチ●イ医師とクビを宣告された看護師が内輪もめして『相手を殺さんばかりの大乱闘』を繰り広げるシーンの方が本編の最大の山場で見どころだったりします。(笑)
 (乱闘シーンのあまりのガチっぷりに思わず爆笑してしまいました。)


 まあ、どう考えても『モンスターの設定とインパクトのみで一本釣りしてる一発ネタ映画』みたいな感じなのですが、その割にはモンスターの暴れっぷりが足りない印象はあったので、もうちょっとシッカリとモンスターを暴れまくらせていただきたかったところではありますよ…

 


 総評としましては、奇抜な設定の割には『ちょっと物足りなさの残るグロ系モンスターパニック映画』って感じの作品ですね。


 80年代風の低予算モンスター映画が大好きでクソ映画が好きな人であれば、たぶん『おできから生まれたモンスター』という設定のみでもチェックしておく対象になっていそうな気がするので、そういうのが大好きな人は割り切って観ておくのもアリかな?


 ただ、普通にモンスター映画が好きな人の場合は、正直言って微妙な出来でオススメできるようなレベルでは無いので、急がないのであればレンタルが安くなるか、どこかのサブスク系サービスにでも来るのを待っても良いかも…って感じの一本でしたよ。