NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ザ・ローブ THE HEROES HIGHT VOLTAGE」(55点/サスペンス)

■■■「ザ・ローブ THE HEROES HIGHT VOLTAGE」■■■
(55点/サスペンス)


 近未来、全世界で『パルス』と呼ばれる謎の大災害が発生。


 急性放射線症候群で数十億人が死亡するなか、遺伝子の突然変異で特殊能力を持つ『超人』が多く誕生することとなる。


 超人たちの多くが、その能力を用いて犯罪を起こして暴れ回ったことから、アメリカ政府は社会の治安を守るために超人対策の法を整備。


 犯罪を起こした超人たちは、特殊な装置によって能力を封印されて特別な刑務所に収監される事となっていた。


 そんなある日、自動車泥棒で捕まって特別刑務所にい収監される事になった『共感』の能力者のディエゴは、刑務所内で襲われそうになっていた超能力犯罪者のカリスマである『ザ・ローブ』を助けた事から、囚人たちから一目置かれるようになるが、そんな矢先に『ザ・ローブ』は超能力犯罪者たちを解放するために、ある計画を実行しようとしていた…

 


 世界的災害によって多くの人々が超能力に目覚めた近未来に、超能力者専用の刑務所で繰り広げられる様々な陰謀を描いた、アクション風味のSFサスペンス映画。


 お話としては放射線による突然変異の影響で人類の一部が様々な超能力に目覚めた近未来世界の「超能力者たちが収容された監獄」で、「最強の超能力者」をめぐって囚人や看守の間て様々な陰謀が繰り広げられていく』みたいな感じのストーリーですね。


 なんとなくX-MENっぽい設定のストーリーですが、お話的には『監獄の中での囚人や看守たちのやり取りや駆け引き』が中心のドラマといった感じで、監獄の内部では超能力者たちが能力を封じられていることもあって人間ドラマがメインのストーリーという印象。


 設定やらからして、X-MEN」というよりも「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」辺りの方がテイストが近いかも?


 低予算なうえに閉鎖環境を舞台としているため、ドラマとしての派手さは弱いですが、主人公を中心として『最強の超能力者』やら『超能力者への復讐に燃える殺人鬼(超能力は無いけどめっちゃタフガイ)』やら『裏がありそうな悪徳刑務所長』といった物凄く個性的で濃いキャラの面々が、それぞれに思惑を抱きつつ駆け引きを繰り広げていくという展開はまあまあ悪くない印象。


 要所要所にそれなりに盛り上がるシーンもありますし、低予算ながらも割とキチンと作られています。


 ただ先述したとおり、とにかく全体的に地味で安っぽい作りなのが残念なところ。


 囚人たちは超能力を封印されているとは言っても、ところどころで超能力を使うシーンや見せ場があるのですが、いかんせん低予算故に見せ場のシーンそのものが地味なんですよね。


 また囚人たちの使う超能力も割と『ありきたりなもの(肉体強化したり電気を操ったり)』ばかりで、ちょっと面白味に欠けるのも残念なところ。


 あと、終盤に『最強の超能力者』を巡る陰謀が明らかになり、お話が核心に触れて山場に突入していくみたいな流れなのですが、この『お話が核心に触れる』のがかなり終盤になってからなので、どうにもテンポが悪くてボリューム的にも物足りない内容になってしまっているのは残念なところ。


 ぶっちゃけ、『TVシリーズ』とかの地味な作品だとしたらこういった作りでも特に問題なかったんじゃないかと思うのですが、一本の映画としてこの構成だったと考えると物足りなさを感じずには居られませんでしたよ。(もしかしたらTVの単発ドラマだったのかもしれませんが…)


 あと主人公の『共感の能力』という特殊な超能力が、お話の解決の伏線にでもなるのかと思いきや特にそういう訳でも無くて、ホントに『単なるモブでストーリーテラーみたいな立ち位置』だったのは、なんか肩透かしだった部分かも?(笑)

 


 総評としましては、『悪くない出来ではあるものの物足りなさの残るSFアクション映画』って感じですね。


 観るべき部分も無くはないもののどうにも地味で盛り上がりに欠ける内容ですので、同じようなジャンルの作品を観るならば素直に「X-MEN」やらMARVELの他の作品を観ておけば良いかな…という印象です。


 とはいえ低予算ながらもそこそこ楽しめる内容ではありますので、予告とかを観て気になるようであれば『お好みで』って感じの一本ではないでしょうか?