■■■「ハロウィン THE END」■■■
(55点/スラッシャー)
イリノイ州のハドンフィールドの町で、復活したブギーマン(マイケル・マイヤーズ)による連続殺人事件が発生してから4年。
40年前から続くマイケルとの戦いを生き延びたローリーは、孫娘のアリソンと暮らしながら、彼との因縁を断ち切るために自身の回顧録の執筆を行っていた。
ハロウィンの迫るある日、ローリーは子守の子供を殺してしまった過去を持つ青年コーリーと知り合うが、コーリーが下水道の奥で4年前に忽然と姿を消していたマイケルと思われる人物と遭遇した事をきっかけに、自体は思わぬ方向へと進み始めるのだった…
40年越しに復活した殺人鬼マイケル・マイヤーズと、1作目から彼との因縁の戦いを続ける『ホラー映画のサバイバー』であるローリーとの対決を描いた、「ハロウィン」のリブートシリーズ第3弾。
タイトルにも『THE END』と付いてるとおりに、「ハロウィン」のリブートシリーズの完結編に当たる作品で、よくある『なんちゃって完結編』ではなくて、割とシッカリとお話をまとめにかかった『キチンとした完結編』となっています。
リブートシリーズの1~2作目とは『かなり違う方向性に舵が切られた内容』という感じで、マイケルとは別の形で『この町の邪悪に触れた青年』とヒロインとの関りを描いていくような展開となっており、前作で『邪悪の化身』と化したマイケルに対して『邪悪とは何か』を描いたアンサー的な物語になっているのは面白いですね。
前作で『邪悪の化身』のような概念的な存在と化してしまったマイケルを『いかにして殺すのか』という疑問へ、割と納得の行くような形での解決策を提示したのはなかなかに上手い構成という印象。
リブート3作目でのオリジナル要素とも言える『邪悪を紡いだ物語』はやや暗い内容ながらも意外と良く出来ており、「ハロウィン」という作品にこだわらなくても普通にサイコスリラー的な展開として楽しめるレベルになっているのは悪くない感じ。
ただ、設定やキャラクターの掘り下げのシーンが割と長めなせいでマイケルの『復活』までにかなり時間を要してしまって、ややテンポの悪さを感じる部分があるのは残念なところ。
あと演出的な意図かもしれませんが、画面が矢鱈と暗いシーンが多くて『なにをやってるのかイマイチ良く分からない場面』が多いのは気になったかなぁ?
でもまあ2作目でややグテグテな感じになってしまったリブートシリーズの『完結編』としては悪くない作りですし、ラストの無駄に熱い大げさな展開も個人的には嫌いじゃなかったので、予想以上に楽しめた内容でしたよ。
総評としましては、あの2作目の続きと言う事でグテグテにならないかと危惧していたのですが、予想以上にキチンと作られた『普通に楽しめるレベルのスラッシャーホラー映画』って感じですね。
2作目までとちょっと方向性が変わってしまった雰囲気はありますが、シリーズの完結編としては悪くない落としどころですし。なかなか上手くまとめたなというのが正直な感想。
リブートシリーズとしてはキチンと繋がっている内容ですので本作を単品で観るのは微妙かもしれませんが、シリーズ2作目まで観た人であれば『本作をどう終わらせるか』という部分を確認するためにもチェックしておいても損は無い作品かもしれませんよ。