NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「妖獣奇譚 ニンジャVSシャーク」(60点/アクション)

■■■「妖獣奇譚 ニンジャVSシャーク」■■■
(60点/アクション)


 江戸時代の日本。
 漁師の集落である沖津村は、突如として現れた邪教集団である『紅魔衆』の首領の蛟鮫士郎によって、特産品の真珠を巻き上げられたうえに、無断で海に出るものは蛟の妖術て操るサメによりバラバラにされて殺されてしまうという、恐ろしい圧政下に置かれていた。


 不老不死の術を使い村人たちを手に欠ける『紅魔衆』の横暴に耐えかねた村長は、近隣で用心棒をしている無法者の小太郎へと村の護衛を依頼。
 小太郎は報酬に応じて『紅魔衆』から村を守ることとなるが、そんな矢先に小太郎を執拗に狙う菊魔と名乗る女忍者が現れ…

 


 江戸時代の日本のどこかの漁師の集落で、ニンジャとか妖術師とかサメとか色んな連中が派手にパトルを繰り広げる…という、和製アクションホラー映画。


 まず、そもそもが『和製のサメ映画』というのがかなりレアなジャンルなのですが、そのなかでも更に『ネタ系のサメ映画』ともなると極めてレアな作品という印象です。(まあ、最近はちょっと増えてきたみたいですけど…)


 お話としては、『サメを自在に操る謎の妖術師によって支配された漁師の集落で、村から雇われた用心棒のニンジャと妖術師がバトルを繰り広げる』という、伝奇系のアクションホラー映画という感じ。


 とにかく『みんなの好きそうなものをひたすら詰め込んでみました』みたいなノリの、ニンジャとか妖術師とかサメとかゾンビとかがひたすら大暴れする内容で、アクションあり、お色気あり、残虐描写あり、サメあり…という、『B級ホラーとかB級アクション映画とかが好きな人であれば、どこか刺さる部分があるだろう』って感じの、ノリとイキオイで作られた映画という印象です。


 色々と詰め込まれまくっているだけあって、全体を通して非常にテンポが良くて退屈する暇もなくお話がサクサク進んでいくのは良い感じ。


 更にそれだけの密度でネタを詰め込まれながらも、一つ一つのアクションシーンや残虐描写なんかはキチンとそれそれで楽しめるレベルで製作されており、ネタに振り切っているだけあってB級映画好きを十分に満足させられるクオリティに仕上がっているのは良いですね。


 忍者マンガ的な『日本のどこの話だよ?』って感じのハチャメチャ世界観も良いですし、また『ニンジャとサメの対決』という『ありそうで無かった組み合わせのバトル』を実現しているのも、なかなかにツボを押さえている印象。


 ただ色々と詰め込んでいるのは良いのですが、とにかく詰め込み過ぎてて『一つ一つのネタの内容が薄い』のは困りもの。


 映画の尺が75分ぐらいしかないのに、これだけ大量のネタを詰め込んでいるものだから、本編の殆ど全てがダイジェスト版でも見せられているかのような展開の速さなんですよね。


 お陰でキャラの掘り下げが浅くて、いま一つ主人公たちのキャラが魅力が薄くなってしまっているのは困りものです。(少なくとも、ニンジャの里のエピソードとかはもうちょっと掘り下げがあっても良かった気がします…)


 あと上記と同様の理由で、とにかく『サメの出番が少ない』のも残念なところ。


 パッケージにデカデカと描かれててタイトルにまでなっている割には、ラスト以外ではあんまり出番や見せ場がなくて、『サメ映画好き』としてはちょっと物足りなさを感じてしまいましたよ…


 次回作があるとしたら、もうちょっと『サメ要素』を強化した作品を作っていただきたいところですよ。

 


 総評としましては、『それなりに楽しめるレベルの和製ハチャメチャ系ニンジャアクション映画』って感じですね。


 『ネタ映画』として観るのであれば十分に満足できる内容だと思いますので、タイトルや設定やらを見て興味を盛ったのであればチェックしておいても損は無い一本だと思います。


 ただ『サメ映画』として期待していると、ちょっと肩透かしを食らう内容ですので、サメ要素に期待している場合は要注意な作品かもしれませんよ…(まあB級サメ映画好きなら、この程度のハッタリなら十分に『許容範囲』だって話もありますけどね。(笑))