NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「呪われた息子の母 ローラ」(60点/オカルト:結構オススメ)

■■■「呪われた息子の母 ローラ」■■■
(60点/オカルト:結構オススメ)


 父親の所属するカルト教団から逃げ出したローラは、脱走の直後にカルト教団に捕らえられている最中に身ごもった子供を出産。


 子供はデーヴィッドと名付けられ、シングルマザーとなった彼女によって育てられるが、その出自にも関わらず聡明な良い子として健やかに成長していた。


 しかしそんなある日、カルト教団の面々と思しき集団が彼女の自宅に侵入するという事件が発生。


 それ以降、デーヴィッドの身体には原因不明の異常が起こるようになり、食べ物も受け付けなくなりどんどん衰弱していってしまう。


 しかし、偶然にも息子が『人肉』のみを食べ物として受け付ける事に気づいた彼女は、息子のために出会った人々を犠牲にしていくが…

 


 カルト教団で生まれた息子が『人肉』のみを食べ物として受け付けるようになってしまった事から、母子は狂気の殺戮と逃走劇を繰り広げることとなっていく…という、サイコホラー風味のオカルトサスペンス映画。


 なんか微妙に野暮ったいうえに内容の分かりにくい感じのタイトルですが、実際の中身の方はなかなかに良質なサイコサスペンス系のオカルト映画となっています。


 お話としては、『謎のカルト教団に捕らえられていた女性が教団から脱走するんだけど、その際に身ごもっていた子供が生まれて成長して行くうちに「人肉しか食べれなくなる」という原因不明の異常が発生。息子を救うために関わる人々を犠牲にしつつの逃亡生活が始まってしまう…』みたいな感じの展開。


 全体的に非常にジットリとした湿度の高い感じのお話で、観ているうちに良い意味でどんどん『嫌な気分』にさせてくれるような内容です。


 系統的にはサイコサスペンスがメインのお話となっており、『ヒロインが過去に精神疾患を患っていた』みたいな設定があって、『息子が人肉のみを食べる』という事や『謎のカルト教団に捕らえられていた』というのは現実なのか、もしくは主人公の生み出した妄想なのか…という部分が焦点となって謎解きが進んでいくような展開。


 そのカルト教団』の謎が解明されていく流れも悪くないのですが、むしろ『息子を救うためにどんどん泥沼に落ち込んでいく母子』の様子が、非常に不穏ながらも同情できる良い塩梅で描かれているのに加えて、グロ要素も割と強めでホラーとしても普通に楽しめるレベルになっているのは良く出来ています。


 正直なところ『どういう方向に転んでもバッドエンドしか無い』というのは割と途中で予想できてしまうような映画なのですが、後味の悪い内容ながらもオチの落としどころも悪くなかったですし、なかなかに良く出来た作品でしたよ。

 


 総評としましては、鬱系の映画ではあるものの『意外と良く出来たサイコサスペンス系のオカルトホラー映画』って感じですね。


 方向性的に『嫌な気分』にさせられる映画ですしグロ要素も割と強めなので、割と好みの別れる映画だとは思いますが、そういうのが好きな人であればなかなか楽しめる作品ではないかと…


 なんか地味で魅力を感じにくいタイトルなせいで、ちょっと損をしている感じはあるので、そういう系統の作品が好きで気になる人はチェックしてみても良い感じの一本だと思いますよ。