■■■「トイズ・オブ・テラー」■■■
(40点/オカルト)
投資家であるハンナは、夫と3人の子供たちと家政婦のローズと共に、人里離れた山中にある古い屋敷へと訪れることとなる。
その屋敷は、かつて小児病院として使われていた建物だったが、リフォームを行いリゾート向けの物件として売り出しを行うため、下見も兼ねてクリスマスを一家で過ごす予定だった。
しかし、その場所はかつて『クリスマスの夜に子供たちの全員が謎の死を遂げる』という凄惨な事件のあった場所で、彼らの訪問によってその事件の原因と原因となった『何者か』が目覚めようとしていたのだった…
『子供の全員が変死を遂げた小児病院の廃墟に訪れた一家が、建物に潜む「呪いの人形」に命を狙われることとなる…という、オカルトホラー映画。
最近、海外でにわかに流行りつつある『人形ホラー』のうちの一本ですが、ノリとしては「ドールズ」とか「パペットマスター」辺りをリスペクトした感じのオカルト作品という感じですね。
お話としては『いわくつきの小児病院の廃墟をリフォームするために投資家の一家が訪れたところ、かつて子供たちを殺した「呪いの人形」が目を覚ましてしまい一家を恐怖に陥れる…』みたいなストーリー。
主人公の女性は『過去を振り返らずに前に進むために廃墟をリフォームする』みたいな事を言って、この小児病院をリフォームしようとするのですが、流石に『入院してた子供と職員の全員が一夜にして変死を遂げた場所』は『過去を振り返らない』にしても限度を超えている気がします。
そんなのどう考えても『何かヤバい事が起こった』の確実やろがと…(心霊的なものが無かったとしても毒ガスが発生したとか)
まあ設定のツッコミどころはさておき、作品としてはノリ的には『雰囲気映画』のテイストが強めの作品という印象。
古びた洋館の雰囲気は悪くないですし、ところどころで登場する『子供の幽霊』とかのオカルト的な演出とかも、そこそこ良く出来ている印象。
『呪いの人形』たちの見た目も、安易に不気味で凶悪そうな外見ではなくて『レトロなんだけどどことなく不気味な雰囲気を漂わせている感じ』で良い感じ。
また、『呪い人形』たちはCGで描かれているのですが、敢えて『ストップモーションアニメ』っぽい動きを付けてて、独特の気持ち悪さを演出しつつ80年代ホラー的なテイストを再現してリスペクトしているのも悪くありません。
とまあ演出に関しては悪くない部分もあるのですが、肝心の『人形ホラー映画』として、ちっとも怖くないうえに面白くないのは困りもの。
まず全体的にお話のテンポが遅めで、お話が核心に触れて動き出すまでが妙に長いんですよね。
雰囲気や演出は悪くないとはいえ、人形ホラーなのに『呪いの人形』がマトモに出てくるまでが長すぎるのは、流石にダレてしまいます。
人形が暴れだした後に関しても、人形たちの攻撃が基本的に物凄く手ぬるくて『そんなの攻撃で殺される人間居らんやろ』とツッコミを入れたくなるぐらいショボいのは困りもの。
実際に犠牲者となる人間も物凄く少ないですし、襲撃シーンよりもダラダラと間延びしたシーンはかりが長くて、どうにも退屈です。
ラストもたいして盛り上がりも無いままに物凄くアッサリとした終わり方ですし、取って付けたような『ちょっと良い話』風のオチも微妙すぎて、何ともの足りなさの残る映画でしたよ…
総評としましては、『どうにも盛り上がりに欠けてイマイチ感の強い低予算オカルトホラー映画』って感じですね。
人形たちの動きとかアクションとか不気味で良い感じではあるのですが、それ以上には観るべき部分はあまり無いので、ぶっちゃけて言ってしまえば『予告で観る映像』のレベルでも十分な内容の映画かも?
壊滅的にツマんない訳ではないものの、逆に中途半端すぎてネタ映画としても弱い内容ですので、普通にスルーしてしまっても問題の無い一本ではないかと思いますよ、