NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「DAY ZERO/デイ・ゼロ」(55点/モンスター)

■■■「DAY ZERO/デイ・ゼロ」■■■
(55点/モンスター)


 元アメリカ軍の特殊部隊のエリート兵士であるエモンは、仲間を救うために犯した罪により刑務所に収監され、8年間の刑期を経て釈放され、残してきた妻や娘と再開できる日が近づいていた。


 そんな矢先に、世界の各地で突然変異したデング熱の影響で死者が蘇るという謎の現象が発生。
 フィリピンの都市部でも発生したゾンビウィルスの爆発的なパンデミックによって、街はたちまちゾンビで溢れかえる大混乱に陥ってしまう。


 街がパニックに陥るなか友人のティモイと共に刑務所から脱出したエモンは、街に暮らす妻と娘を救うためにゾンビたちのひしめく団地へと向かうが…

 


 元特殊部隊の隊員の囚人が、ゾンビウイルスの蔓延する町で妻と娘を救うために奮闘する…という、ゾンビものモンスターパニック映画。


 ちょっとレアなフィリピン製のゾンビ映画のようですが、内容の方は良い意味でも悪い意味でも非常にオーソドックスなゾンビ映画という感じの作品ですね。


 お話としては『ちょっとした訳があり刑務所に収監されていた元特殊部隊の男性が、刑務所から釈放となる直前にゾンビによるパンデミックが発生。世界が大パニックに陥るなか、刑務所から逃げ出した彼は妻と娘を救うために行動を開始する』みたいな感じの展開。


 最初のパンデミックの発生まではちょっと冗長な感もありますが、そこまでテンポが悪いという事も無くて全体的にサクサクとお話が進んでいきます。


 また、いったんゾンビによるパンデミックが発生したあとは、殆どがゾンビから逃げ回っているか戦っているかのどちらかのシーンの連続で、あまりにもゾンビを描くのに注力しすぎてまともなストーリーらしいストーリーは無いような印象。


 とにかく、しつこいぐらいにゾンビが出現してひたすらに襲い掛かってくるので、観ていて退屈している暇すらありません。


 ゾンビ相手に物凄いイキオイで無双を繰り広げる主人公もなかなかカッコ良いですし、ゴア描写もそこそこ強めでまあまあ見応えがあるのは良い感じ。


 ただ、お話としては『群像劇』っぽい体裁を取っているのですが、主人公とその家族以外の面々の掘り下げが物凄く浅いので、他の登場人物がほとんど把握できずに群像劇としてあまり機能していないのは困りもの。


 キーマンとなる狂った『管理人』みたいな人も、行動が矢鱈と唐突だし最後までどういうキャラなのか良く分かりませんでしたよ…


 ラストもゾンビ映画としてはありがちなオチながらも、ちょっと中途半端さを感じる内容でしたし、全体的にもったいなさを感じる作品でした。

 


 総評としましては、『オーソドックスながらもあと一歩の部分で物足りなさを感じるソンビ映画』って感じですね。


 部分部分としてはそこそこ観るべき要素のある作品なのですが、全体を通して観るといま一つ記憶に残らない映画という印象。


 まあでもフィリピン製のゾンビ映画自体がレアですので、ゾンビ好きの人とか気になっている人であれば、チェックしておいても損は無い作品だとは思いますよ。