NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「レンフィールド」(65点/モンスター:結構オススメ)

■■■「レンフィールド」■■■
(65点/モンスター:結構オススメ)


 伝説の吸血鬼であるドラキュラ伯爵の下僕として彼の片腕となって働くレンフィールドは、百年以上ものあいだ彼が傷を負った際に彼のために獲物である人間の死体を運んだりと、つつましやかに彼に仕えていた。


 しかし、これ以上ないレベルの『ブラック上司』であるドラキュラにこき使われる事に嫌気がさして、人間の自己啓発セミナーに参加してみたりした結果、徐々に自分の生き方に疑問を抱くようになっていく。


 そんな矢先、町のギャングを殺した事が原因でトラブルへと巻き込まれてしまった彼は、強い正義感を持つ女性警官レベッカと出会った事を切っ掛けに、『他人の役に立つ事』に生きがいを見い出すようになっていくのだった…

 


 ドラキュラ伯爵の部下である吸血鬼の青年が、上司の態度に嫌気がさした事をきっかけに『自分の生きる道』を模索するようになっていく…という、コメディホラー映画。


 ニコラス・ケイジがドラキュラ伯爵の役で出演しているという事でホラーファンの間では少し話題になっていた作品ですが、話題性の要素を抜きにしてもなかなか良く出来たコメディ系のホラー映画となっています。


 お話としては、『長年ドラキュラ伯爵の召使を勤めてきた青年(といっても百年以上生きてる)のレンフィールドが、ブラック上司であるドラキュラの態度に不満を抱き、人間の自己啓発セミナーみたいなのに参加するうちに「自分の本来の生きる理由」を探すようになっていく…』みたいな感じの展開。


 『なんでドラキュラの部下が自己啓発セミナーなんかに参加してるんだよ…』って話なんですが、実際には自己啓発というよりは『DV被害者の悩みを聴くための合同カウンセリング』みたいな場所で、ドラキュラのエサにしても良い『死んでもいいようなクズ男』を探しているというような設定になっており、ハチャメチャながらも一応は筋の通った設定になっているのはなかなか良く出来ています。


 内容的にはアクション重視のコメディ映画といった感じで、『主人公が殺したDV男がギャングと繋がりを持っていた事が原因で、ギャングとの抗争に巻き込まれてしまう』みたいな流れなのですが、ドラキュラの部下だけあって吸血鬼パワーでギャングどもを相手に大立ち回りを繰り広げてくれたりと、思った以上にアクション映画的な見せ場がある印象。


 ただ、コメディとはいえベースがホラーだけあって残虐描写がかなり強めの内容で、戦闘シーンでは身体を引き裂いたり腕を引きちぎったりと流血シーンのオンパレードなうえに、アクションシーンの比率も割と高めなので、血しぶきの大好きな人にも満足できるような内容になっています。


 また主人公が割と魅力的なキャラなのに加えて、ニコラス・ケイジの演じるドラキュラ伯爵もいかにも『神経質な性格のブラック上司』って感じで良い味を出しているのは良い感じ。


 ただヒロインに関しては、外見もキャラクターもいま一つ魅力が感じられない雰囲気になっており、『主人公がヒロインと出会う事で自分の生き方を見直していく』みたいな展開に、やや説得力が薄くなってしまっているのは困ったところ。


 あと吸血鬼の主人公はともかく、ヒロインは警官なのにギャングの手下かの人間をガンガン撃ち殺しまくってくれるのですが『正義のためなら何でもアリなんか?』とツッコミを入れたくなりましたよ。(笑)


 主人公の行動とかに関しても『ホントにそれでいいんか?』とか、ちょっとモヤっとした気分になる部分がところどころにあったので、ここまで無茶苦茶にするなら『もうちょっとブラックユーモア的な作りにしてた方がバランスがよかったかも?』とか思ってしまったのは自分だけですかね?
 (なんかダークヒーローとしてもブラックユーモアとしても、どっちつかずな印象になってしまっている気が…)

 


 総評としましては、『なかなか良く出来た吸血鬼もののコメディホラー映画』って感じの作品ですね。


 テンポも良く見せ場も多いので普通にアクション映画としても楽しめる感じではあるのですが、いかんせんスプラッタ系の描写が強めなのでそういうのが苦手な人は観ない方が良いかも?


 ニコラス・ケイジのドラキュラ伯爵も良い味を出してますし、コメディホラーが好きな人は、気になるようであればチェックしておいても損は無い一本だと思いますよ。