■■■「フライングヴァイラス」■■■
(55点:だけどオススメ)
南米で米国によるハイウエイ開発の現場を取材していた女性リポーターが、開発に反対する現地のテロリストと米軍との戦闘に巻き込まれ重傷を負ってしまう。
しかし銃で撃たれた筈の彼女は、翌日にあっという間に傷が治癒するという驚異的な回復を見せる。
傷口の側に蜂の刺し跡を見つけた彼女の主治医は、この蜂の毒こそが驚異的な回復の原因だと考え、その蜂をこっそり米国へと持ち帰ろうと飛行機に乗せるが、実はこの蜂は軍が開発した恐ろしい生物兵器だった。
といった設定の、殺人蜂の大群が登場する生物パニック映画。
映画はテロリストを追う女性リポーターの視点と、殺人蜂が持ち込まれた飛行機内の視点の2つの視点が同時進行する形で物語が進むのですが、とにかくこのストーリー展開がムチャクチャに強引で…
まず、このテロリストっていうのが『影の部族』とかって呼ばれているのですが、テロリストと言うよりもむしろ『原住民』で、吹き矢や槍で武装して、米軍に護衛された建設現場に襲撃をかけてくる…ってだけでも噴飯物の設定なのですが…
更に米軍の司令官が、テロリストの本拠地を聞き出すためだけに無抵抗な町の住人を大虐殺するという、平野耕太のマンガの登場人物並のマッドぶりを発揮したり…
飛行機側は飛行機側で、医者が密輸しようと積んでいた殺人蜂が逃げ出して大パニックになったと思いきや、米国の空港で着陸拒否されたり、ミサイルで撃墜されそうになったりとトラブルのオンパレード。
…と言った感じの展開を筆頭に、もう今時アニメ作品でも恥ずかしくて使わないだろう?というような強引で力ずくでツッコミどころ満載な展開のオンパレードで、観ていて逆に清々しい気持ちになりましたよ。
しかし、ストーリーがムチャクチャだからといって映画自体がツマンナイか?というとそういう訳でも無く、ストーリーのテンポも良く、それなりの見せ場も準備されており、割と退屈せずに最後まで楽しむことが出来ました。
総評としましては、何といいますか絵に描いたようなB級パニック映画でした。
基本的にはバカ映画ですが、バカな内容を笑って楽しめるタイプのB級作品好きの人ならば、結構本気で楽しめると思います。
そんな訳で、その手の作品が好きな人には結構お勧めの1本です。
普通の人は…まあ観ても後悔はしないと思う程度の作品ですが、観なくても全然困らないかなと……