■■■「ラプター・アイランド」■■■
(生物パニック/45点)
アメリカ海兵隊の特殊部隊の隊長であるマシューは、ある日、テロリストに捕らわれたCIAのエージェントを、密輸武器を輸送している貨物船から救出する任務に当たる。
激しい銃撃戦の末、エージェントを連れて小型艇で逃走したテロリスト達を追って無人の火山島へと上陸した海兵隊の面々だったが、その島は1億年前に滅亡した筈の肉食恐竜(ラプター)たちの大群が徘徊する恐るべき死の島だったのだ。
かくして海兵隊員は救出の到着する48時間以内に、死の島からテロリストを倒してエージェントを救出するべく決死のサバイバルに挑む事となるのだった。
アメリカ海兵隊がヴェロキ・ラプトルの大群と戦うという、サバイバルムービーテイストの生物パニック映画。
一応、向こうのTV映画として作られた作品っぽいのですが、いわゆる『軍隊VS怪物軍団』という「エイリアン2」のパターンの踏襲といった感じの作品なものの、流石にあそこまで派手な内容ではなく、所詮はTV映画なので全体的に微妙な作りの作品です。
何が微妙って、まず恐竜のCGが微妙。
モデリング自体は高品質とは言えないまでもそこまで酷くも無いのですが、なんというかモーションの作りこみが雑で、どうにも恐竜があまり動かない。
軍隊から自動小銃でバシバシ撃たれて血を噴き出していても、棒立ちで平然としていて『攻撃が効いてないんだろうか?』とか思って観てたら20発ぐらい食らった所で思い出したように突然倒れて死にます。
って、お前らは昔のTVゲームの敵キャラかよッ!?
銃で撃たれた時の食らいモーションぐらい作れば良いのに…
そんな様子なので人間との直接の絡みも少な目で、カメラアングルで誤魔化してるようなシーンが多くて、恐竜の襲撃シーンはどうにも迫力不足です。
あと、「ラプター・アイランド」と言いながらも、ラプター以外に巨大恐竜も登場するのですが、これまた人間との絡みが少なくてどうにも食い足りない感じ…
ちなみに巨大恐竜は本編では「ティラノサウルス」と言われてますが、どう見ても「アロサウルス」ですな…って、まあどうでもいいんですが。
でもまあ、CGは微妙なもののストーリーの方はそこそこの出来で、中盤で若干中だるみはするものの、ラストでそれなりの見せ場もありますし、生物パニック映画としては及第点と言って良い程度のレベル。
ただ、お話の大筋の流れは問題ないものの、細かい設定等に関してはツッコミどころが満載。
『40年前に墜落した飛行機が積んでいた放射性物質が漏れたせいで、恐竜が突然変異を起こした。』みたいな設定が語られるのですが…
いやいや、『突然変異はいいけど、この島には最初から恐竜が居たのかよ!?』とか思ってみたり。
更に、その『放射線の影響で無線が通じない』とかって設定なのですが、漏れてから40年も経ってるのに未だに無線の電波に影響を及ぼすって、どんな強力な放射線なんでしょうか?
しかもそんな所に防護服も無しで居たら、恐竜に襲われる以前に主人公達の生命が危ないですよ!!
他にも、後半でラプター達の巣となっている洞窟を爆破するシーンがあるんですが、このシーンで使われている爆薬はどう見てもクレイモア(対人用地雷)ですし…(対人用地雷じゃあ、ちょっと洞窟は爆破は無理だろう…)
なんか、脚本書いた人間と小道具を準備した人間とCGを作った人間の知識が微妙に噛み合ってないとしか思えないような間違いが多くて、変な意味で笑える作品になっています。
まあ、我ながらツッコミどころがマニアックなので、普通の人はそんな部分を気にしないだろう…程度に考えて作ったのかもしれませんけどね。
総評としましては、生物パニック映画としては全体的に『可も不可も無い』ような作品で、強くオススメするような点も無いですが、強烈に駄目出しするようなレベルでも無いようなレベルで、『微妙』って評価が最も相応しいような映画です。
全体的に登場人物(食われる人数)が少ないせいか恐竜の暴れっぷりが物足りなくて、どうにも食い足りない印象が強い映画なので、もうちょっと恐竜に見せ場があれば、それなりに面白い作品になったのかも?
特にオススメもしませんが、観たいという場合はそれを止める程に酷い映画でもありませんので、まあ趣味に合いそうな人はお好みで…といった感じでしょう。
多分、観た人は観終わった後に『微妙』と言いたくなると思いますけどね。(笑)